自然観察シリーズ 昆虫
 NO.546  昆虫(10) 蝶の季節型
 蝶の中で春から秋まで年間を通じて数回発生する種類では、春型・夏型と呼ばれるものがあります。蛹で越冬し春に成虫になったものを「春型」と呼び、これ以後発生したものを「夏型」と呼んでいます。又、成虫で越冬した蝶が春に産卵し、夏に成虫になったものを「夏型」と呼び、その「夏型」以後に発生したものを「秋型」と呼んでいます。
 一般にアゲハチョウ類では「春型」は小形で「夏型」は大形になります。模様の色も濃く、黒ずんだりします。 タテハチョウ科の一種のサカハチョウでは、春型と夏型では別種のように見えます。タテハチョウ科やジャノメチョウ科では、日長や温度の変化による「秋型」があります。見た目には翅のふちのギザギザがより強くなっています。
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NO.547   昆虫(11)
 ガロアムシは体長2㎝内外で、翅も無く眼も退化していて、暗い半地下のような所で暮らしている昆虫で、生きた化石と云われています。名前は、フランスの外交官ガロア氏が日本で初めて発見し、発表した事に由来し付けられました。
 成育場所は、山地の岩石の積み重なった下や洞窟の暗い所で、同じ場所に住む小動物を捕食しています。
 私も以前、山梨県内の山中で観察した事がありますが、相模川右岸の田名付近の岩石の崩れて堆積した所で、ガロアムシを観察して製作した絵本「がろあむし」の作者の舘野鴻(たてのひろし)さんの精密な原画や、写真家の吉田譲さんの土壌動物の写真などを相模原市立博物館で展示しています。興味のある人はどうぞ、相模原市立博物館へ(6月5日まで)。
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