自然観察シリーズ 昆虫
 NO.540 昆虫(4) 糞虫の魅力  甲虫目 コガネムシ科
  糞虫とは動物の糞に集まって食糧にしたり、子育てに利用する昆虫の事です。多くはコガネムシ科の甲虫が多いようです。
 有名な「ファーブル昆虫記」のフンコロガシも、糞虫の一種のタマオシコガネと呼ばれ、羊の糞を玉状にしてころがして巣に運ぶ姿から、古代エジプトでは太陽神の使いと崇められた神聖な虫です。現在でもスカラベと呼ばれるアクセサリーが売られています。
 日本にはフンコロガシはいませんが、糞虫はたくさんいます。私も昔、山梨の清里高原の牧場へ行って、牛糞を次々にひっくり返して糞の中や、下の地中の穴からりっぱな角の生えたダイコクコガネやマグソコガネ類やエンマコガネ類など、たくさん採集した楽しい思い出があります。糞虫がいることによって、地球上の動物の糞はきれいに処理されています。奈良公園のシカの糞には緑色に輝く美しいルリセンチコガネがいて、糞虫フアンにはあこがれの虫です。
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 NO.541 昆虫(5) キノコに集まる昆虫
 キノコは栄養価が高い為、いろいろな昆虫が集まって生活しています。同時にキノコの胞子を拡散していると考えられます。
 昆虫の中でも甲虫類が多くいろいろな種類が見られます。固いサルノコシカケのようなキノコには、オオキノコムシ類やゴミムシダマシ類など集まり、特にオオキノキオムシは最大36ミリと大きいので一度は採りたいと思う種類で、ブナの朽木で稀に見られます。
 軟らかいヒラタケやナラタケなどにはオオキバハネカクシ類や、デオキノコムシ類などいろいろ見られ、丸い形でホコリのように胞子を飛ばすホコリタケの中にも、ツヤテントウダマシ類がいます。
 その他のキノコにも特有の昆虫が見られるのでおもしろい世界です。
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