自然観察シリーズ 昆虫
 NO.538 昆虫(2) ハンミョウ(甲虫目ハンミョウ科) と ツチハンミョウツチハンミョウ科)
 ハンミョウとツチハンミョウは名前は似ていますが全然縁の無い甲虫類です。
 ハンミョウは、山道など、足元を飛び出して前方に降りるのを繰り返すので「道おしへ」と云われるきれいな七色の虫です。近縁のニワハンミョウは、裸地に穴をあけて、幼虫は顔を地面すれすれにしていて、地表を歩くアリなどを襲って食べる肉食の虫で、この穴に草の茎をさし込むと幼虫が噛みつくので、引き抜くと幼虫を釣る事ができるので「ハンミョウ釣り」という遊びがあります。
 ツチハンミョウは、青黒くてずんぐりしていて、ノロノロと地表を歩いていて飛ぶ事は出来ません。幼虫はハナバチ類の体にしがみついて巣に運ばれて、ハナバチの花粉だんごなどを食べて巣に寄生する複雑な生活をしています。成虫の体から黄色いカンタリジンという毒液を出すのでむやみにさわらないようにしましょう。
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NO.539 昆虫(3) カミキリムシの魅力  甲虫目 カミキリムシ科
 カミキリムシは、樹木を枯らしたりする害虫というイメージもありますが、日本には800種以上も知られる大きなグループです。すべての種類が樹木・竹・草を幼虫は食べて成虫になります。長い触角と適当に堅い体で、捕まえると首をこすり合わせて、ギーギーとかチーチーという音を出すのも特徴です。
 日本は南北に長いので樹木の種類が多く、それぞれの樹木や草や竹にそれぞれ依存しているカミキリムシが多いわけです。
 その中でルリボシカミキリはコバルトブルーの体に黒い模様があり、触角の節々に黒い毛の房が付いている美麗種です。最近見られる機会が多くなってきました。ハナカミキリ類は成虫は花に集まって花粉や蜜を食べています。トラカミキリ類は縞模様がスズメバチを思わせ、枯木上をハチのような動きで歩いています。
 カミキリムシは昆虫の中でもフアンの多い虫で、私も見たい種類もまだいろいろあり、ノドから手が出そうな種類もたくさんあります。
(もう一つ子供の頃、炭焼きの手伝いで割った太い木から出てきた大型種のシロスジカミキリの幼虫を串に刺して火で焼いて食べた味は非常に美味だった事を思い出しました。)
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