自然観察シリーズ 植物 
 NO.528 サルオガセ   地衣類サルオガセ科属
  最近、底沢渓谷を歩いて見つけたサルオガセに似た植物がありました。谷川ぞいに生えた木の枝や、倒木に網のような藻のようなものがいっぱい垂れ下がっています。
 一般にサルオガセは霧深い高所のカラマツの枝などに垂れ下がる1m近い長いフワフワしたものですが、低地の底沢で見られるのは20㎝~30㎝位で、薄い緑色をしています。サルオガセの仲間で調べましたが、名前は解りませんでした。現在も調査中です。
 サルオガセを含む地衣類は、コケ類とも違い葉緑体は持たず、菌類と藻が合体した共生体です。サルオガセが木を枯らすと云われますが、全然そんな事は無く、日当たりを求めて枯れた枝に付いて場所を借りているだけで、水分は空中から養分も自分達で作っています。
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NO.529 ナラ枯れ病
 去年あたりから「ナラ枯れ病」という樹木の病気が話題になっていました。夏なのに山の樹木の葉が茶色くなって枯れるという話しを聞いていました。
 神奈川県内でも三浦半島や箱根方面で、この病気が広がっているとのことでしたが、秋に愛川と厚木近辺の鳶尾山や八菅山を散策していたら、コナラの大木の根元の方に、細かい粉が積もっているのを実際に見ました。
 原因はカシノナガキクイムシという5ミリ位の甲虫が材に食い入り、その際にキノコのような菌を媒介して起こす病気で、木の内部の水を運ぶ導管がふさがって枯れてしまうということでした。
 つい最近も、近くの吉野の山でそのようなコナラの木を見つけ、ここまで広がっている事に驚きました。特にドングリの成るブナ科の木に被害が目立ち、ドングリ不足になると、山の熊が里にひんぱんに出没するようになる原因にもなるそうです。
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