自然観察シリーズ 植物 
 NO.522 リシリヒナゲシ(利尻雛罌粟)  ケシ科ケシ属
 七月に、北海道の稚内からフェリーで利尻島へ渡りました。
 利尻島は海から一七二一mの高さまで聳える火山島です。その利尻島に固有種の花がいくつかあり、その中の一つにリシリヒナゲシという花があります。日本では唯一の自生のケシで、この島だけにしか見られません。
 この山は途中から険しいので、登りで六時間かかります。九合目あたりのザラザラした軽石の中に点々と見られ、草丈十㎝~十五㎝で、花径三㎝位の薄い黄色の和紙のような花を咲かせる高山植物です。私もこの花を見る事ができて、はるばるやって来た甲斐があったなと思った瞬間でした。そこから間もなく山頂に着きました。青空が広がっていて、下界を見るとぐるっと海で霧の間に港も見下ろせました。我々は山頂で暫く憩った後、又六時間かけて麓へ下って行きました。

一覧表へ戻る
NO.523 アケボノソウ(曙草)  リンドウ科センブリ属
 アケボノソウはリンドウ科のセンブリを大きくしたような姿の二年草です。一m位の草丈で夏の終り頃から秋の初めに、二センチ位の星形の花をたくさん咲かせます。その花の模様が独特で、魅力のある私の好きな花の一つです。
 以前は高原や山の流れのそばや湿った所に良く見られたのに、今では貴重な花となりつつあります。原因は美しい物だとか、貴重な物だとか区別のつかない知能の低い、あの心無い鹿というやからに違いありません。仕方無く、鹿柵などで花畑を保護している長野県の入笠山を訪れて、久し振りにこの独特の模様の花に再会出来ました。

一覧表へ戻る