DON’T WORRY BE HAPPY
[基明(もとあき)君×悠人(ゆうと)君] BY ユリさん



「…ってことでハイ!今日はデートに行こうね♪」
「はーーーい。」
今日は悠人と久しぶりのデート。
この前は、結局、ずっと家にいたわけだし。
ま、俺的には満足だったわけなんだけど。
でもま、たまには外で遊ぶ…ってのもいいでしょ。
うん。
明らかに悠人の言葉はおかしいけどね。
『…ってことで……』とかって、その前に何も会話してねーよ。
…ま、ゆったら怒るだろうからさ。
ゆわねーけど。
「へへへ♪…じゃ、どこ行く?」
「んー?…あ、俺CDみたい。」
「じゃ、いこ♪」
あー…悠人かっわいいなー…とか思いながら、悠人にヘルメットをかぶせる。
もちろん自分にも。
これより前のバイクの時、ノーヘルのまま悠人乗せてたら、事故って、悠人にケガさせたことがあるからね。
気をつけなきゃ。
もう、こいつがケガするとこなんか見たくねーし…。
「…モティー?…どしたの?」
なーんてちょっと感傷に浸ってたら、悠人に、勝手に付けられたあだ名で呼ばれる。
「オーライ!悠人。アーユーレディー?(Are you ready?)」
バイクのエンジンをかける。
「オッケーイ!イエー!」
悠人が腰に手をまわしたのを確認して…
「イエー!ゴーツー…ツターヤー!(Go to TSUTAYA.)」
「ゴー!アハハハハッ!」
いざ目的地へと向かった。


「ハイ!到着―♪」
「イエーイ!ツタヤ…イエー!」
「アハハ!すごい外人!…でも発音悪ッ!」
「ナンデスカー?ユウトクーン?」
「基明キッモー!アハハハハハ!」


ツタヤについて、大爆笑している悠人をつれて中に入る。
今日の目的は…特にナシ!
「…で?…アハッ…も…基明は、何買いたいの?」
「んー?…決まってねー。」
未だに笑いの止まらない悠人のマフラーを掴んで、特集のコーナーへ向かう。
「あ、リップ。…って昨日発売!?…買ってなーい!」
「マジ?…俺買ったー♪」
「うそ。…じゃ、俺買わない。」
「…だな。貸してやる。」
なんだかそんなやりとりに笑いが込み上げてきて、2人で笑う。
「…視聴しよーぜ。キックはいってるし。」
「そだね♪」


…2人で、CDを視聴したり、店内をウロウロしたり、なんでもない…だけど何か楽しい時間をすごす。
他の友達と同じことをやっても楽しいことには楽しいんだろうけど、だけどたぶん…絶対悠人といるほうが楽しいと思う。
くだらないことを話して、
他人の目なんか気にせずに騒いで。
同じことをしても悠人といるほうが楽しい…のはやっぱり好きだからかな…とか思ってみたり。


…結局、ツタヤでは何も買わずに帰った。
正直、迷惑な客。
1時間以上いすわったし。


「…これからどうするよ。」
どっか行きたいとこある?…とメットの用意をしながら悠人に聞く。
「…んー…基明は?」
聞き返されて、自分も悩む。
現在時刻午後1:00
「…悠人、腹は?」
「減ってない。」
「…俺も。」
だって家でるまえ、うどん食ってきたしな。
うーん…。
「…なんか、いざどっか行くとなるとさ、よくわかんないね…。」
あー俺もまったくの同感。
いや、学校帰りとかだったらさ、もう大体行くとこは決まってるんだけどさ。
マックとか、CDショップとか、服屋とか…ショッピングモール…とか?
うん。
だけど、今日は休みだし。
せっかくデートっつー名目で来てるんだし、いつもと違うとこに行こうかな…なんて考えたりもしたんだけどさ。
…あ、ツタヤは別ね。
余興みたいなモノだから。
…ってゆーかさ…さっぱり思い浮かばねー!
…いつもデート…ってどうしてたんだっけ?
っつーか、ほとんどデートって名目で遊びに行ったことねーんだ。俺たち。
学校帰りにあそんだり…家でゴロゴロしたりいちゃいちゃしたり…。
「…悠ちゃん…。」
「…基ちゃん…。」
「「…デートって、難しいな(ね)ー!」」
…いや、マジで。
特別なルートが、全く思い浮かばないです…。


「…結局、いつもと同じになっちゃったね…。」
そういうと、悠人が、苦笑する。
…そう。
結局あの後、『…服でも…見にいこっか…。』『…そだな…。』
って話になって、いつもの服屋へ。
そこで、お互いに…悠人は、ジャケット。俺はジーンズ…を買って、その後、ピアスとか買いにいって…あ、ちなみにおそろいのピアス買ったんだけどね。
うん。…それで、まあ、楽しかったんだけどさ。
…ちょっと凹み気味…。
…デートコースも決められないって…。
そりゃ、悠人は楽しそうにしてくれてたからいいんだけどさ…。
…だけどやっぱ…なんてゆーの?
ちゃんと、男として悠人のことさ…エスコートしたかったんだけどなー…。
たまには。
…ハー…。
…最後によった公園で、2人、ベンチに座る。
…そこで、ため息をついたら、悠人が心配そうに顔を覗き込んできた。
「基明?…どうしたの?あ…つかれちゃった?」
俺の髪を触りながら、悠人が少し困ったように言う。
「あ?違う違う…。疲れたんじゃねーよ。」
ただ…とまでいって、言葉を飲む。
「…ただ?…どうしたの?」
…あーなんかやっぱ俺今かなり凹んでるわ…。
だってすっげー弱気になってるし…。
…悠人に、弱音なんか聞かせたくないのに、聞いて欲しいな…なんて思ってる自分がいる。
「…ヤ、何でもナイよ…。」
うわ…すっげー不信顔…。
そんな顔すんなよなー…。
「…基明…ほんとに?」
あーもう、なんか頭ン中ぐっちゃぐちゃ。
ヤバイ。
「…悠…ごめんな?…なんか今日…。」
…うわ、なんか俺、卑怯。
謝りゃいいってもんでもねーし…ってゆーか悠人は、怒ったりはしてないってことは、わかってんのに。
今の一言で、余計に凹んでたら、悠人がにっこり笑った。
「…悠…」
「大丈夫だよッ!基明。」
…?
「…俺は、基明と一緒なら、どこへ行っても、何してても、楽しいんだからね。」
……あーもう!
「…悠人…。」
「…わかった?」
ダメだわ…俺。
「…ッ!悠人ォー!」
「うわわ!…ちょっと…なーに?」
「…やっぱ俺、お前のことすっげー好き。」
ギュ―ッと悠人に抱きついたら、笑いながら頭を撫でてくれる。
「そりゃどーも♪…僕も好きだよ?」
…あーもう、なんかヤバイ…。
…どーしてそんなにかわいいんっすかね?
マジで。
「…アリガトな…悠。」
「…どーいたしましてvv…じゃ、帰りますか。ね?」
「…そだな…。」
…そうだよな…。
俺ってば、何考えてたんだろ…。
…勝手にかっこつけようとして、で、それが出来なくって凹んで…。
ほんと、バカみたい。
…別にかっこつけなくたっていいんだもんな。
一緒にいることが、大切なことなんだから。
2人でいることが…大切なんだから…。


「…悠ちゃん…。」
「何?」
「…これから、うち…来る?」
「…その…つもり…だけど?」
「…マジ?」
「マジ。」
「…じゃ、エッチなこと…しますかv」
「……やっぱいかない。」
「…ごめんなさい。」
「…ウッソv」
「え?」
「…ヘヘへ♪」
「何それ…してもいいってこと?」
「…さあ?僕、わかんないなぁ♪」
「…悠ちゃーん(泣)」
「アハハハハ♪」


…心配しないで?
僕は、楽しいよ。
あなたと一緒にいることが。
それが僕の一番だから。


…大好きだよ。
俺も楽しい。
あなたといることが。
俺の中でも一番だから…。



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頂き物「日曜日の過ごし方」の続編・・かな?
「日曜日の過ごし方」が未消化だったそうで、こちらも一緒に書いて下さったのですv