恋人は猫(1)
[暁(あきら)×羽月(はづき)]
「みゃあ」
「は‥羽月・・・?」
「にゃあんっ」
ある日、羽月の家に遊びに行ったら。
恋人が猫になっていた・・・。
・・・と言っても、勿論本当の猫じゃなく。
猫耳を付けてしっぽをつけて‥細くてすらっとした白い肢体を惜しげもなくさらけ出した‥
トラ猫柄のタンクトップにやけに短いトラ猫柄パンツをはいて‥目のやり場に困る格好をしていた。
「にゃあぁ‥ぁんっ」
本当の猫みたいに、俺の足元に体をすり寄せて来る。
何だかいつもの羽月とは全然雰囲気が違っていて、もう腰がヤバい‥
とにかくいつも座っている場所に、足元に纏わり付いている羽月を
踏み付けないように気を付けながら腰を下ろした。
「みゃあん」
俺のすぐ側に、ちょこん、と座って、前足のつもりなのか
右手をぺろっと舐める仕種にくらくらする。
「羽月‥お前、なんでそんなカッコ‥」
「ふにゃ?」
そのまま、ぱっちりとした双眸を、きょん、とさせて俺を見つめている・・も、ヤバ‥。
その焦りが顔に出ていたのかも知れない。
突然羽月が俺の方にしなだれかかって来たかと思ったら、そのまま押し倒されていた。
「はっ羽月っ」
「‥なぁ‥んっ」
首筋に、きゅ、としがみついて来る。
そのままぺろ、と舐められて震えが走った。
「ふ‥っ」
「ふなぁ‥」
「あ‥!」
「なぁあ、んっ」
「は、羽月っちょっと待てって‥!」
体をおもむろに下にずらした羽月に、本格的に焦った。
された事なんてないんだ。
なのに、今日の羽月は妙に巧みで・・俺の抵抗なんてないも同然に的確に
早くも硬くなってしまっている前に触れてしまう。
あっという間に羽月の目に晒された。
「よ、止せっ」
「・・・・」
上に乗った羽月は、今迄見た事がないくらいの色っぽい瞳で俺を見つめている。
「・・・暁」
「‥え?」
「まだ、何もしてないよ?」
「・・・っ」
「エッチだね、暁。まだキスだってしてないのに?」
くすくす笑いながらそんな小悪魔的な事を言い出す。
俺がエッチなんじゃなくってお前の格好がエッチなんだっ、と言おうとしたけれど
既に羽月に刺激されはじめてて、歯を食いしばる事だけで精一杯だった。
「‥いっつも僕だけじゃ不公平じゃん?だから今日はこういう趣向にしたんだ。気に入った?」
「は、づ‥の、ままっ‥しゃ、るな‥っ」
堪えても痙攣は止められない。
「なぁ‥ん‥」
上半身を俺のからだにつけ、形のいい、ちっちゃいお尻を持ち上げて猫になりきっている羽月‥
すげぇ可愛い‥ってか‥色っぽい・・・。
「ねぇ?僕、たまにはいちゃいちゃしたいな。エッチするとかじゃなくって
暁と、いちゃいちゃ。付き合ってくれる?」
「あ‥くっ」
「暁の声って、初めて聞く気がするし‥僕の格好、気に入ってくれたんだ?」
纏わり付くような羽月の手と舌の動き‥本格的にヤバいって・・・。