流氷ダイビング―知床、ウトロ
2005.3.19-21
流氷ダイブ
今回、ふと思い立って、流氷ダイビングに行くことにした。
といっても、どこに行ってよいかから全くわからなかったので、インターネットで流氷ダイビングを検索するところからはじめた。
すると、知床のウトロが有名であることが、判明。早速、流氷ダイビングのサービスをしているを検索し、
知床自然村に到達した。
流氷ダイビングのアレンジと、宿泊も知床自然村にすることとし、往復の飛行機の手配は、自然村と提携している、知床ツーリストに手配を頼んだ。
往復の航空券と、宿泊つきであるが、通常30000円前後で手配できるところ、連休であることから、かなり高くつき、60000円まで跳ね上がった。
これは、突然の手配であることもあり、仕方ないところともいえる。
流氷ダイビング
3月19日
朝8:00過ぎに家を出て、羽田空港に行き、10:44羽田発、女満別へ行く。
12:20女満別に到着。ここからバスで網走駅に行った(750円)。
途中網走刑務所を経由する。
網走から知床斜里へ列車で行き(810円)、知床斜里のバスターミナルからウトロ温泉行きのバスに乗り、ウトロに15:00到着(1440円)
面倒な乗換えを経たが、思ったより早く到着した。
到着後、宿に連絡をし、ウトロのバスターミナルに知床自然村のスタッフが迎えに来てくれた。
この日の知床の海は、流氷が完全接岸していた。
網走はすでに流氷はなく、列車で知床斜里の近くになったら、ようやく流氷が接岸し始めたという感じであり、
流氷シーズンとしては、もはや終盤である。
知床自然村はウトロの町の中心より少し離れた所にあり、山を少し登った森の中にある。
眼下に海が見えるnice viewだが、それが今は完全に流氷で覆われていた(写真右)。
知床自然村は一泊素泊まり3500円。知床ツーリストのクーポンで二泊付きだったので、ダイビング代が24000円、器材のレンタルが14000円で、
宿泊の追加料金1400円で計39400円であった。
但し、本来相部屋なのだが、8畳の部屋を一人で使え、しかも温泉つきなので、これはなかなかお得といえる。
他の客もすべて流氷ダイバーであるが、一般の客ではなく、
どうもダイビングツアーを企画しているショップの人たちの宿泊場であるようだ。
本来のベストは、他のリゾートホテルに宿泊をしているらしい。
もちろん、自然村のスタッフも独自のダイビングサービスをやっていて、こちらは明日も私を含めて、3人のゲストがいるとのことである。
チェックインして、知床市内を少し散策した。
知床の港に行き、知床旅情の森重久弥の脾までいく。3月であり、日中であるが、とにかく寒い。
あまりに寒いもので、外には長い時間いれず、早い夕食として、自然村推薦の一休屋というところに行き、
知床ラーメン(ホタテとカニ入り)を食べた。
自然村推薦だけあり、味は申し分ない。
その後、宿に帰りながら、流氷に沈む夕陽を見た。なかなか感動的であった。(写真左)
宿に帰った後は、明日に備え早くに睡眠した。
3月20日
この日、朝9:00にダイビング準備開始。
今回、斉藤さん夫妻と一緒に潜ることとなる。
レンタルで、ドライスーツ、グローブ、フードと、寒冷地用のレギュレーターを頼み、BCD、フィンとマスクは自分のものを持っていった。
結果的にいうと、全部レンタルでも良かったかも知れない。
ポイントは自然村から海岸に入ってすぐのところの流氷であり、そこに小さな穴を開けてエントリーする。
団体は、いくつか準備をしており、何箇所も穴の開いている場所がある。
われわれの潜る場所も、すでに何回も潜った場所であり、穴は開けてあった。
ドライスーツに、フードをして、首周りはかなり苦しい。グローブも分厚いものであり、装備は、厳重だが、ダイビング自体は、変わらない。
はじめ水面近くの真水の層が、視界を妨げるが、そこを過ぎると、薄暗い流氷下の世界が広がる。顔は冷たいが、フードがあるので、
さほど苦痛ではない。
海の中は、流氷下であるため、薄暗い。派手な魚はいないが、クラゲやギンポの類が見えた。
また、タラバガニの幼カニを目撃した。
一本目は10:20エントリーで、25分位で終了。
この日は、天気がよく、上がってからも特に寒くない。しかし、先週は、吹雪であったそうである。
流氷ダイビングは通常潜っているときは良いが、あがってからが大変である場合が多いそうで、この日のダイビングは、
非常に快適だったそうだ。
そういう意味からは今回はラッキーであった。
例年、この3月の連休の時期まで、流氷があるかどうかは、微妙なところらしく、今回は流氷としてもぎりぎりOKというところであった。
今年度は、この日でほぼ流氷ダイビングは終了であるとのことであり、来週末はもうだめだそうだ。
一本目が終了して、いったん宿に帰った。
昼食を食べ、少し休憩して1:00過ぎに、二本目のエントリーとなった。
今回は少し、沖の方の穴から入った。
やや曇ってきたこともあるが、こちらのほうが、水温が冷たい。
ここでは、お待ちかねのクリオネを目撃した。
といっても、ポチと名づけられたペットボトルで飼っているクリオネをガイドが、放流したものである。
クリオネは、やはりなかなか見られないことが多いので、放流サービスをしているのだ。
でも、流氷下でクリオネを目撃したという事実には変わりない。
水中カメラも持っていったが、今回は全く不調だった。
というのも、一本目は、あまりに水温が冷たすぎて、ハウジングに結露がついてしまったため、また、
二本目はバッテリーも切れてしまった。低温だと、バッテリー消費も早いらしく、不思議なことに、気温が戻るとバッテリーも戻るらしい。
(事実、私のカメラも宿に戻ったら、バッテリーが戻った。)
低温での結露防止には、低温状態で、ハウジングを閉めることと、シリカゲルをたくさん入れるのだそうだ。
知らないとはいえ、準備不足で、残念であった。
ダイビングの後、ドライスーツを着たまま、近くの流氷を歩いてみて回った。
実際に流れてきた流氷は、空気が含まれていることもあり、青く見え、とてもきれいである。
海面を覆った流氷は、ところどころ、すでに穴の開いた部分があり、ドライスーツのまま割れた流氷の上にのって遊んだ。
これは、単純に面白い。
割れた水面が見えた状態も、それはそれで、流氷らしい面白い光景である。
割れそうな流氷を割ったり、割れた間の水中を除いたりしながら時間をすごし、散歩終了となる。
撤収し、宿に帰った。
その後ログ付けして、流氷ダイビングが終了した。
その後、また外に出て散歩してきたが、この日の夕陽もきれいであり、流氷と夕陽は絵になった。
この日は、それにエゾシカも入れてみた。(写真)
夜には、オーロラファンタジーというイベントを見に行った。
これは、夜空にレーザービームでオーロラを作り、ライトアップするというイベントで、流氷の期間は毎日やっている。
観客も結構いて、一大イベントだ。
なかなかの見ものであり、最後には、クリオネも登場するという落ちも付いている。
知床は、この7月に世界自然遺産に登録を申請しているらしく、そのキャンペーンの一回でもあるようだ。
近くにあるゴジラ岩(文字通りゴジラに似た岩)もライトアップされている。
夕食はイクラカニ丼。山盛りイクラとタラバガニという、これまた贅沢な一品であり、2200円であった。
その後、コンビニで明日の朝食を買って、宿に帰った。
最終日は、網走経由なので、網走で少し観光をして帰る予定である。
3月21日
最終日は、9:20にウトロから知床斜里行きのバスに乗った。
知床斜里には、10時過ぎに到着したが、網走行きの列車は11時26分発であり、一時間ほど、時間が余った。
仕方がないので、少し、観光を試みる。知床斜里には、たいした観光地はないので、ここの流氷を見に行った。
ウトロもこの日は、すでに流氷が壊れ始めており、斜里の近くの海では、部分的に流氷が割れていた。
ここでのベストショットは、かもめと流氷(写真左)。まあ、たいしたことはない。
その後、網走行きの列車で、12:10に網走着となる。網走あたりの海は、もう完全に流氷は離れていた。
ここから女満別の空港に行くが、出発時間は14:40であり、これに間に合うようなバスは、網走発が13:30である。
よって、一時間以上の時間があった。
そこで、網走観光として、網走監獄博物館に行った(写真右)。
ここは、その名のとおり、昔の網走監獄の保存をして、展示をしている場所であり、
現在の網走刑務所にあった古い建物を移築して作ったものである。
3月の網走は、まだまだ寒く、周囲は雪に覆われている。周囲の民家も少なく、森に囲まれている場所であり、監獄としては、まさに最適なロケーションである。
博物館自体は、明治の建物の趣と、監獄の雰囲気が感じられて、興味深かった。
ここらは、今回の旅行の主目的ではなかったが、とりあえず良い経験であった。