遊牧民お台場を行く
モンゴル旅行者グループ同窓会が東京で決行された。遠くは仙台、名古屋からかけつけたメンバーもいる関係で、ただの飲み会で終わるにはしのびなく、遠来の人のために東京見物をすることとした。場所は今ホットである臨海副都心、お台場から浅草へ移動するという、新旧の東京を楽しむ企画にしてみた。
題して「遊牧民お台場を行く」というツアーである。
台場

JR新橋駅からゆりかもめに乗り、台場駅に到着。駅を降りると目の前に、フジテレビ、ニッポン放送の本社ビルがある。その向かいはアクアシティというショッピングモール、その手前にホテル日航東京がある。ある意味台場駅周辺は、お台場の中心とも言える。
まず、我々はフジテレビ見学をした。
駅から階段を上がり、500円のチケットを買って社屋に入ったところが、なぜかすでに7階という納得できないつくりになっている。ここからエレベーターで25階まであがり、写真にも見える球体展望室に行った。
ここからは、正面にレインボーブリッジ、反対側にパレットタウンの大観覧車が見える。
中には、めざましテレビの模擬セットがあって、写真をとれるようになっている。
1階下の24階にはレストランがあり、ここで昼食をとり、下に降りた。
フジテレビのスタジオは5階にあり、ここでは主要番組のセットや小道具や出演者のサインなどが展示してあり、実際に収録中のスタジオがみれた。
パレットタウン

フジテレビの後は、アクアシティ-で買い物をして、ホテル日航東京で海をみながらのティータイムという、完全マニュアル的動きをしてみた。
しかし、やはりレインボーブリッジは夜景のほうがよいだろう。幸いこの日は、梅雨の最中ながらも天気には恵まれた.(ちなみに私は超晴れ男である。)
このあと、大観覧車に乗るため、ゆりかもめで青海に行き、パレットタウンに行った。
パレットタウンにある大観覧車は40分待ち。元来遊牧民の我々は、通常の日本人なら待てる時間を待つことに耐えられない。おっと、そうでなくて単に浅草にいく時間がなくなったからであった。結局、大観覧車は断念し、記念写真を撮って乗ったつもりにすることにした。
ここパレットタウンにもヴィーナスフォートというショッピングモールがあり、その中は「中世風」のつくりになっている。なぜか空もある。通常の日本人なら感動するのかもしれないが、本当の「中世」の建物を見てきた人間にとっては、所詮まがい物である。
そこには、「体育会」と「タイクカイケー」(頭の悪そうな女子高生の発音で)位の違いがある。そう、私は常に本物を愛する人間なので、純粋な体育会出身なのである。真の体育会出身者は「タイクカイケー」と呼ばれることを嫌う。だって、系ではなく「体育会」だからである。(だからどうした)
話を元に戻そう。
その後、今回第二の目的地、浅草に青海から水上バスで行った。このツアーがミーハ-的お台場ツアーだけで終わらないのも、やはり遊牧民ならではなのである。
隅田川―浅草


水上バスはゆりかもめと共通で900円の一日乗車券で青海-日の出桟橋まで乗れる。途中、レインボーブリッジに近づくので、時間を選べばベストショットが撮れる。
日の出桟橋で乗り換えて、隅田川を上り浅草に行った。ここは台場とは別料金となり時間は40分。単に時間だけを考えると、電車で行った方が早いだろうが、水上バスは乗り心地も良く、中もきれいで快適である。
川沿いには、国技館や有名なアサヒビールのビル(写真)がある。
しかし、もともと隅田川なので、ライン川やセーヌ川やドナウ川などの景色を期待してはいけない。


水上バスは浅草の吾妻橋に着いた。浅草についてからは、雷門から仲見世を通り浅草寺へ行った。時間もすでに7時を回っており、日曜でありながら、人影もまばらであった。ハトバスで東京と言えば皇居・浅草・東京タワーと言うくらい(私が言ったのだが)、浅草は外人にはメジャーである。浅草寺が出来たのは628年。ヨーロッパの寺院などと比べてもすごい歴史である。しかし、東京に住む人間で渋谷、新宿に詳しい者は多いが、浅草に詳しい者は少ないのではないだろうか?
下手をすると親日家の外人の方が良く来てたりするかもしれない。実際、私にとっても3回目くらいの浅草ツアーであった。日本には世界に誇れる観光地が、実は沢山あることを結構知らない人が多いのではないだろうか?
巣鴨

さて、ここまでのツアーは本来は完全オプションであり、本当の目的は巣鴨のモンゴル料理屋なのであった。そのために、全国各地から日本在住遊牧民が酒豪、いや、集合したのである。
店の名前は「シリンゴル」、モンゴル料理専門店である。店の場所は、とっても辺鄙なところで、初めから知っていないと絶対到達できない。内装はゲルの内部を意識したつくりで、照明も暗い。ラッキーなことに、季節はずれのために、前回のモンゴルツアーでは飲めなかった馬乳酒をここで飲むことが出来た。味は非常に酸っぱい。しかし、モンゴルでも飲めない馬乳酒をなぜ日本で飲めたのかについては定かでない。よく考えてみれば変な話なのだが、今回はよく考えないことにした。他には、お約束のボーズと、野菜炒めや肉料理(写真)にモンゴル風うどん、デザートとモンゴル料理三昧で大変満足した。夜8時からはモンゴルの馬頭琴の生演奏があり、モンゴルフリークにはたまらない。我々遊牧民の集いには最適の場所であった。しかし、お客さんは我々のグループ以外にもう一組いただけなので、はやっている訳ではない。興味のある人は店がつぶれないうちに行っておくことをお勧めする。