久米島



2007.9.15-17
久米島



9月15日

今回の久米島ツアーは、台風の直撃により出発が危ぶまれていた。
8月14日の夜に台風11号が久米島を直撃し、その日の午後のフライトは全てキャンセルとなっていた。
出発は翌朝であったが、タイミング的に微妙な状況。朝からのフライトは福岡空港、 もしくは羽田空港への引き返しの条件つきフライトということであったが、8月15日の朝8:05発で何とか那覇に出発できた。
幸い無事那覇には着陸できたが、出発が少し遅れたこともあり10:50到着。
久米島への乗り継ぎ便は10:55発でとても間に合わないと思われたが、フライト遅延となり、結局出発は12:30頃。 久米島到着は1:00過ぎであった。
到着したときには、天気もよく台風一過という感じであったが、前日は非常に強い台風の直撃を受けて最大瞬間風速62mを記録したとのこと。 島内は全島停電状態で、空港では携帯も使えなかった。
現地の人の話では、10年ぶりくらいの強い台風の直撃であり、台風なれしている島内でも大騒ぎだとのことである。 来る途中に、久米島のJALツアーの人たちは、ホテルの停電のために、那覇のホテルに振り替えになったとのことで、 那覇空港で、乗っていた飛行機から急に降りていったということもあった。




空港からのピックアップで、イーフビーチにあるイーフ観光ホテルへ行った。 行く途中に島内の様子をみると、街路樹はなぎ倒されてサトウキビ畑はみな倒れており、車が畑に転落していたり家屋が倒壊していたりしていて、 すさまじい状況であった。
到着は14:00過ぎ。予定より2時間近く遅れた。
台風一過のためこの日は全面的にダイビングは中止である。しかし、外はとんでもなく暑く、歩き回るのも容易ではない。
島中停電の中、近くのコンビニだけは自家発電で電気がついていて営業もしていた。さすがである。 コンビニはこういうときにはある意味ライフラインと言える。
しかし、久米島唯一のコンビニは、客が多すぎてレジには長蛇の列であった。 他の店はどこもやっていないこともあり、長時間待つしかない。
外は灼熱地獄であり、移動の疲れもあり、島内観光は最終日に出来ることから、この後は部屋で爆睡した。

夜になっても停電は復活せず、発電機のわずかな明かりのみの暗い中で夕食となる。闇夜の食事はみな無口である。 外にでても街灯がついていないので暗く、車のライトしか見えない状態であった(写真右)。
シャワーも水しか出ないし、テレビもつかないので、真っ暗な部屋の中は寝るしかない。 ということで早々に睡眠した。



9月16日

朝7:00に起床。朝食を食べたがまだ電気のない中の暗い食事であった。
ダイビングが出来るかどうかも危ぶまれていたが、いつもの30分遅れの9:00出発ということで船が出ることとなった。
とりあえず一安心である。

港に向かう車の中で、倒れた街路樹や、電柱、街灯など、まだまだ、そのままに放置されているのが見えた。
港についてボートに乗り込んだ。
一本目はイマズニ。外海なのだが、台風の影響か、うねりは強く荒れていた。
水中も流れが強く、岩につかまっていないと流されてしまう感じである。
しかし、エントリーしてすぐ、ギンガメアジの群れに遭遇。ラッキーであった。
アンカー周囲でほとんど動かない(動けない)ダイビングであったが、ギンガメだけで十分であった。
エキジットはロープを使ったものの、最後はこいのぼり状態となる。強い流れで大変であった。 午後になると到底潜れなさそうな感じである。



一旦宿に戻り、昼食を食べた。この時点でようやくホテルが停電から復旧した。ひと安心である。
二本目は12:30に宿を出発した。
風と波が高くなって来たため、二本目は内海のイノーとなった。
砂地のマクロポイントである。エビ、カニ、ウミウシ系のダイビングで、見たものは、トウアカミドリガイ、ヨゾラミドリガイ、 クロボウス、ナマコマルガザミ、イソギンチャクカクレエビ、チョウチョウミドリガイ、イソギンチャクエビ、 カクレクマノミ、ムラサメモンガラなどである。
二本目終了して、海況はさらに悪化。3本目も同じイノーになるとのことで、どうしようかとおもったが、 昨日潜れていないので、行くこととした。

16:10宿をでて、3本目に出発。再びイノーで潜った。
今度はキリンミノカサゴの幼魚、ミナミハタタテダイの幼魚などを見た。
エキジットのときはすでに天気が悪くなり、雨が降ってきた。若干寒い感じである。
ホテルに帰ると、温水シャワーが使える。当たり前なのだが、電気のありがたさを感じた。 夕食も、初めて明るいところで食べた。

夜は久米仙を飲みながらのログ付けである。
台風11号に始まったこのツアーだが、すでに12号が発生し接近中であるらしい。
この調子だと19日に上陸予定で、18日は飛行機が飛ばなくなる可能性があるらしく、 ダイビングも17日の午前中がぎりぎりだろうとのこと。
帰れなくなる可能性もあるので、早めに那覇に行って潜ることにするとか、 午前中潜ってから船で那覇に渡るとか、いやいやそんな状態では船もでないだろうとか、とりとめのないいろんな案がでた。
私は夕方の便で帰る以外の選択肢はなさそうだったけど。


9月17日

本日は島内観光である。 朝起きて、すぐ近くにあるイーフビーチに行ってみた。
日本の渚100選らしいが、朝早いこともあり、きれいな砂浜にいるのは私一人である。 非常に贅沢な景色独り占めというところが素晴らしい。 しかし、砂浜にあるソテツは倒れていた。残念である(写真右)。
朝食を食べ、packingして9:00ころにはホテルをチェックアウトした。
レンタバイクで島を廻る予定であったが、レンタバイク屋が10:00にならないと開かない。 時間がもったいない近くにある奥武島と畳石には歩いて行くこととした。
片道3kmくらいの距離で、途中倒壊した小屋や倒れた電柱などを見ながら進んだ。まだまだ台風の処理は進んでいない。
歩いている間ににわかに風が強くなり、天気が悪くなってきた。
橋を渡り奥武島に渡る。そして畳石に到着。畳石は直径1-2mの5-6角形の平坦な石が並んでいる場所であり、県の天然記念物だそうだ。
潮が満ちているので、本来なら広い範囲で見えるはずの石が、狭い範囲でしか見えない(写真左)。 少し残念である。

ここでスコールがきてしばし雨宿りをした。
この調子では、島内観光をするのも厳しい感じである。

畳石の近くにあるウミガメ館に入った。ここは、久米島のウミガメの飼育研究や保護の拠点となっており、 実際にアオウミガメ、アカウミガメ、タイマイを飼育している。ここに入って10時近くになったため、一旦ホテルに戻った。




宿に帰ると一本目のダイビングを終えたチームが帰ってきた。 外海に行けたらしいが、台風の影響で風が強くなってきたため、この日のダイビングはこれで終了らしい。
実際に天気も悪くなってきていて、とてもレンタバイクで島内観光をするような感じではない。 しかたなく、レンタカーで廻ることとした。
宿からOTSレンタカーを頼んで、hyundaiの小型車を借りることとした。 レンタカー屋は島の西側じんじんロード付近にあり、そこから島を反時計周りに廻ることとした。

まず、島内唯一のコンビニHOTSPARに寄って買い物をした後、向かいにある三坊という店で沖縄そばを食べた。
そばは太めんで、島かまぼこ、皮つき三枚肉がのっていたがいずれも分厚く手作りの感じである。
この店は、結構有名な店らしく、店内に有名人の色紙が飾ってあったが、確かに美味しかった。沖縄そば(中)が500円である。

そのまま島を廻っていくと再び奥部島を経由するので、再度畳石にいったが、やはり水位はあまり変わらずであった。
天気は腫れたり曇ったりを繰り返す感じ。なんとか観光は出来そうなので、さらに廻って行った
旧仲里間切蔵元跡石牆という琉球王府時代の役所跡に残る石垣を見た後、海岸線を廻り、比屋定バンタに着いた

ここは、海岸線にある高台で、景色がきれいなところである(写真左上)。 しかし、風は非常に強く、長く立っていられない。 台風の接近をあらためて感じた。
本来ここからさらに登っていくと宇江城城跡という久米島の最も高い場所にに行くこととが出来るのだが、車で向かっていくと、 道の両側の木がいくつも倒れていて、そのうちに車だと、どうしても通ることが出来なくなってしまった。
ということで、せっかくだがそれ以上登るのは断念した。台風恐るべしである。
しかたないので、北側に廻っていき、海岸線になる史跡、タチジャミ(写真右上)、ミーフガー(写真左)という岩を見た後、 具志川城跡に行った。
史跡としては、さほどの規模ではないが、久米島の自然は豊富である。しかし、天気が悪かったのが残念であった。

さらに南下し、おばけ坂を目指すも、ここも倒木で通行できず。近くにある五枝の松(写真右)に行った。
この松は立派な枝ぶりで、樹齢250年だそうだ。今回の台風にも影響を受けなかったところがさすが樹齢250年である。

島内一周だけなら2〜3時間程度で終了する。久米島自然文化センターに行こうとしたが、月曜は休館日であり、入れず。 天気も本格的に台風状態になってきたので、ここで観光は終了。空港に行った。

台風12号は、のメインルートは石垣、宮古方面なので、久米島、本島は脇をかすめる形である。 当初台風は18日午後に久米島に最も近づくという予想であったが、予定よりも早く17日夜から18日早朝に強風域に入る見込みとなった。
16:50発の久米島ー那覇便は到着便の遅れで、17:30発に遅延し、那覇での羽田便への乗り継ぎが微妙な状況となった。 しかも、この便の後発便は欠航になりそうな感じである。
那覇で人が乗れても荷物が間に合わない場合があり、そのときは、荷物だけ後便で送られるとのこと。
乗り継ぎが出来ない場合、その後の便に振り替えとなるが、基本的にその後の便は全て満席であり、どうなるかわからない。 最悪、那覇足止めという可能性もあることになる。。
羽田便は出そうなので、久米島を離陸さえ出来れば、那覇には降りれそうである。何とか飛んで欲しいところだ。
少し心配したが、幸い無事那覇行きは出発。 那覇での乗り継ぎ時間はほとんどなく、久米からの便を待っての羽田便出発だったので、出口から入り口に移動しただけである。
久米島便からの乗り継ぎが18名いたようで、30分遅れで飛行機が待ってくれたのは幸いであった。 荷物も無事運んでくれた。
結局羽田に着いたのは21:00頃。那覇で最後に乗ったためか、羽田で荷物がでてきたのは一番初めだった。
台風はかすめていったため、その後も遅延はでたが、結局欠航はなかった野で、11号ほどの混乱はなかったようだ。 しかし、11号、12号の挟間で何とか久米島を往復し、ダイビングも出来てしまうという流れが、 いつものことながら自分でもすごいと思う。