エドウィン・コロン・サヤス / EDWIN COLON ZAYAS

ヒバロの音楽の伝統と新しい感覚の両方を追うエドウィン。12歳で島内でのクアトロ・コンクールで優勝し、その後5年間連続受賞という神童。その後２０枚近い作品を発表しつづけています。1994年にはタジェール・カンペシーノのメンバーで来日、2001年にも久しぶりに来日しフルート奏者赤木りえと共演。いわゆるセイスやアギナルドといったヒバロの音楽から、ダンサやサルサまでプエルトリコの音を愛し、国を、町を、家族を愛する彼の音はまさにプエルトリコで生きる人々のキャラクターを体現しているように思えます。なお本HPのタイトルは彼の5枚目の作品から思いついたものです。

クラシック、ダンサ、フォックス・トロット、マスルカ。ラグタイム、ダンソン、グアラチャ、サンバ・クリオージャ、アフロカリベーニョ・・・と様々なカテゴリーの曲に対し、そのカテゴリー分けの意味をなさを語るかのごとく縦横無尽なアプローチ。エドウィン本人も楽しんでいる感じ。

「ヒバロの神童」とも賞されるルイス・ダニエル・コロンのトローバとカンシオン・ヒバラのベテラン、トニー・クロアトと組んだ作品。セイスからボンバ＝ラップ、プレーナまでまたまた様々なプエルトリコが楽しめる。神童もまた素晴らしい。

日本での一番有名なクアトロ奏者と言うとヨーモ・トロと言うことになってしまいますが、 実はプエルトリコのクアトロ大師匠と言えば故マソ・リベラなのです。

1927年、Toa Altaに生まれ残念ながら2001年2月に亡くなってしまいましたが、その音楽は プエルトリコのヒバリート、ヒバリータに深く愛されてきました。ダンサ、ダンソン、アバネラ、マスルカ、チャカレラ、パソドブレ、パシージョ、アギナルドと バラエティーに富んだ､そのマソの作品からCD２枚分、全部で４０曲選んで大師匠に捧げたののがこのアルバム。ただただ素晴らしい。エドウィンのマソに 対する敬愛の気持ちが伝わります。

アルトゥリート・アビレスは、クアトロのソリストとしての活動と言うより、 クラウディオ・フェレールのグループやダビリータ、チュイート、フリータ・ロス、ダニエル・サントスなどの歌手との活動で多くの録音を 残しています。エドウィンにとっては、小さな頃から一番聴いたマエストロでもあり、ラディやキンテーロなどの他の名人より先に取り上げたかった 気持ちがよく分かります。マソに比べ曲がモダンで面白い。

クアトロの兄弟と言う感じの「ティプレ」という５弦の小さなギター/ウクレレのような 楽器があります。弦はクアトロのようにスティールではなくガット弦。

クアトロほどポピュラーではないけれど、プエルトリコにはこんな愛らしい楽器とそこから紡ぎ出される 音楽家や人々いるのです。その達人たちに話を聞き、音を集めてきたエドウィンが、作ったのがこの作品。ガット弦のやさしい響きがほっとします。

その他の参加作品

ギターばりばり弾きのStrunzとFarahの二人組のアルバム1997年/1998年にはプエルトリコのコンサートでも共演。

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