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ジャマキート at El Flamenco

キューバより一時亡命中のカズトラ君&アミーガスでフラメンコヘ。

雑食リスナーのフラメンコとの出会いはフュージョンというジャンルが元気だった頃のアル・ディメオラにに遡る。"エレガント・ジプシー"でのパコ・デ・ルシア、ああ、なつかしい。

マイルスの"スケッチズ・オブ・スペイン"、コルトレーンの"オレ"、チック・コリアの"マイ・スパニッシュ・ハート"・・・


Al DiMeola
"Elegant Gypsy"(1976)


Sabicas
"Ole" (1972)

ロック、R&B、サルサ、ジュジュなどと同時にジャズから"スペイン"が聞えていたところへパコでぶっ飛びました。 そしてパコを頼りに、訳もわからず買ったり借りたりして聞きまくったのは、ギタリスト達、ニーニョ・リカルド、サビーカス、マノロ・サンルカールとか。

コンパスも分からず、今思えばブレリアやアレグリーアスの基本パターンが全てであとは不可解なバリエーションとして捕らえていた。(今だってあまり変わらないけど)カンタオールはカマロンに驚いた記憶あり。でも、踊りを見に行くまでに至らず、その10年後に縁あってマドリッドで一度ナマを見たきりだった。


 

それがプエルトリコで暮らし始めると、再びフラメンコが近くなる。サルサやボンバ、プレーナ、ヒバロのライブを縫って、プエルト・ヌエボのタブラオ"エル・チョティス"に何度か行きました。どうしてかって?

カリブや南米にある"S"を発音しないゆるいスペイン語はアンダルシアから来ているという話を聞いた事がきっかけ。 "Yeismo"という"LL"をヤ行で発音するのもあるし。アグアディーヤとかルキーヨとかね。 でもアンダルシアはCHをシャ行で発音するけど、ここまでは無し。


"Sevillanas Con Cante,
Bandurrias y Tambor"

それからクアトロのご先祖はアンダルシアでもよく使われるバンドゥリアスだという話もあり、 フリジアン系スパニッシュ・エイトとヒバロのメロディーはフラメンコと共通感あるし

ソレアーレス感覚に似た強い哀感はヒバロやボンバ、 そしてプエルトリカン・サルサ、果てはプエルトリコ発のポップスにまで受け継がれ、ヒバロの唱法はカンテにも通じる。

キューバの中ではあまり浮きあがってこない気がするこの哀愁感。という訳でキューバ在住のカズトラ君にも感想を聞きたかったのでした。


Bandurrias

前置きが長い。 今回は"ジャマキート"山本将光さんがコーディネートするライブ。 小林泰子さんも出る。ファンなのです。老舗の"エル・フラメンコ"は中央にステージがあってぐるっと席が囲む。

1曲目、ソレア・ポル・ブレリア"アルバ"でスタート。相田瑞穂さんのバイレは男っぽく押してくる感じ。

そして今枝友加さんのカンテ、これがとても素晴らしかった。そしてバイレも。フラメンコのカンテはお腹の底、その人の底から出るような声、歌が聞けた時あっちの世界に持っていってくれる気がします。それにぶち当たった気がした。ドゥエンデというやつなのでしょうか。ある種のヒバロの世界と重なる部分もあり。


 

二部は小林泰子さんのシギリージャス"オラシオン"でスタート。シギリージャスって私のような聞き込みの浅い素人には、コンパスを掴みきれるか?乗り切れるか?と、つい気合が入ったがそんなもの全然関係なかった。

上半身とアームの動きが作る空気に目がくぎ付けになる。抑制というのでもないが、急がず強力な緊張感をコントロールしている。高く伸ばした腕が空気を掴むのではなく、空気の密度を濃くして行くのだ。

一つ一つの動きがギターやパルマやカンテと受け渡され、もぎ取られ、リズムが弾けて増幅されるような一瞬の「気」。そして濃縮されたその手綱を少し緩める。こういうのがシギリージャスなのか?

素人にはよく分からないが、濃密な"気"と交感、そして早いパッセージやサパテオでも見栄を切るのではなく、空気が濃くなり、それゆえ見ている者の時間が濃くなる感覚に、持ってかれました。小林さんがすごく大きく見えた。



そしてジャマキートさんのバイレ。 重さと軽さ、強さと弱さ。マチョとセンティミエント。同じ男性の表現であるせいか、そこに感情が移入したりする。それは対立した二元論じゃなくて複合のまま、葛藤のまま、雑然と、あるがままに存在する生き物としての有様。そんな空気を見せてくれたような気がした。

そしてフィン・デ・フィエスタはリラックスした楽しみ。 カンテの今枝さん、有田さん、阿部さんのみならず、ギターの金田さん、小原さん、長谷川さんやフルートの山本さん、 タブラの逆瀬川さんまで踊りに引っ張り出される楽しいシメでした。



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