Mofongo's 100% PUERTO RICO - Borinquen te llama -

 

グレナダ 03.5

 

グレナダはカリブ海の南の方に位置する旧英領の島。 「グレナダ侵攻」という1983年の事件を思い出す人もいるだろう。誰が「侵攻」したのかって? 現代史の問題で「侵攻」と言えば「アメリカ」が定番。

1979年に 革命政府が樹立、1983年に軍事クーデターが起きたのを見たアメリカは、「アメリカ人の保護」を理由に、世界の非難をものともせず、3,000人もの軍隊を琵琶湖の半分というちっぽけな島に送り込んだ。左翼政権は倒れ、罪の無い市民達も沢山亡くなったという事件。



Lord Blakie

前夜のトリニダッドはお客とカリプソを肴に夜中まで飲んで、笑って、そして部屋に帰ってメールやレポートまとめをしてたら、 もう朝の4時。いかん、チェックアウトの時間だ。

前の日に頼んでおいたタクシーが来ない。予想通り。なんとか代わりをを見つけて空港までぶっ飛ばす。 ラジオからは古いカリプソニアンの歌が流れる。運転手に聞いたらロード・ブレイキーだという。

1960年代のカリプソ・ロードマーチのコンペティションはマイティー・スパロウロード・キッチナーが 席巻した10年間だが、唯一1962年に2人に一矢を報いたカリプソニアンがロード・ブレイキーなのだ。

 

朝6時のBWIAのフライトは無事トリニダッドを飛び立つ。BWIAは破産状態。 前日ジャンボの機体が、リース代未払いの為にマイアミの空港で、客が乗ったまま差し押さえられるという前代未聞の事態。グレナダ行きは大丈夫か? とちょっと気になったが問題なし。こんな小さい機体は金にならないのだろう。



St. George's

グレナダのポイント・サリネス空港。こじんまりした平和な空港。でも歴史は悲しい。 80年代初グレナダの人たちは空港を作って観光でなんとかやっていこうとしていた。しかしアメリカはそれをロシアに基地を提供しようとしている、 と理由付けたのだそうだ。そして侵攻

『アメリカが本当に望んでいること』(ノーム・チョムスキー著 /現代企画室)は、グレナダの事だけじゃなく、アメリカがパナマ、エルサルバドルなど中米も含むいろんな国にどんな外交政索を採って来たかを教えてくれる。



ノーム・チョムスキー著

空港からホテルへ直行してチェックイン。お客とのアポイントまで一時間しかないので、 ダークスーツ、プレーントゥの革靴のスタイルに着替え、ノートPCの入ったカバンを持って朝飯へ。

◆◆◆

いかん。完全に浮いている。

リゾートのホテルのさわやかな朝食なのである。 広々として庭のブーゲンビリアの向こうにカリブの青い海と白い砂浜が見えるオープンレストラン。 外の明るい日差しと空気が入って来る。皆短パンにサンダル。皆様、申し訳ない・・。




その後は、お客の所やらお役所やら医科大学への売り込みやらなんやらなんやらと ひたすらお仕事である。

交通事情を調査しにダウンタウンのマーケットへ行く。島内の交通は小型バスなのだ。 ラジオから流れるのは、やはりカリプソ、ソカである。なにせ、この島はあのカリプソの王様マイティー・スパロウの生まれ故郷なのだ。

夜はホテルのバンドを聞きながらお客と夕食。スパロウのデビュー・ヒット「ジーンとダイナ」を リクエストしてみる。50年近く前、1956年の歌だが、軽くやってくれた。さすが。ご祝儀を渡す。

スパロウの音楽にはまったのは3年前初めてトリニダッドに行った時からだが、そのスイング感の強い歌い方、サウンド、歌詞の魅力と共に、トリニダッドが独立しエリック・ウイリアムスが首相となった時代の背景との関係なども含めて付き合って行くと、切りがない面白さ。

カリブの英、西、仏、蘭語圏の相互の影響、旧宗主国米国との関係、同時代の共通性と相違点・・・歴史、文化、音楽からスポーツ、料理、各々の島々の人達との会話、地元の新聞、ラジオから流れる音、CD店に並ぶ品揃えなどと、日本の「情報」の間にある違和感を感じることがある。

そしてその違和感潰しは面倒だけれどなかなか楽しい。そして時に仕事にも役立つというオマケもあったりする。


ティト・プエンテ、 セリア・クルース、そして
マイティー・スパロウ。 こんな同時代もあり。

そんな具合で、グレナダの政治・経済、文化や歴史、音楽、人々、3つの島の違い、数あるジョークなどなどで夜はふけて行くのだった。

しかし明日はまた3時起きなのだ・・・。 アンティグア・バーブーダに無事たどり着けるのか?

 



プエルトリコの音楽へ
サルサへ
音楽日記へ

プエルトリコの基礎情報へ
ホームへ

All documents, images and photographs included in this site are owned by Mofongo. Unauthorized use is strictly prohibited, unless permitted by local law. Copyright(C) 1998-2004 MOFONGO'S 100% PUERTO RICO