〜泉の精〜金の友・銀の友


ミューズの指名で砂金採取の視察の護衛として、アヴィンとマイルはキトのモス湖の畔に来ていた。

マイル「アヴィン、噂のスコティア号って何処にあるのさ?」
アヴィン「それは動いてからのお楽しみだよ。」
ミューズ「ねぇマーティ、どういうことなの?」
マーティ「えっとですね、・・・・・・・・」小声で教える。
ミューズ「へぇ、信じられないわね。マイルもう少し縁の方に行ってみたらどうかしら?」
マイル「そうだね。」
その時ミューズの顔がいたずらっ子のそれになっていたことにマイルは気付かなかった。
アヴィン「おいあんまり縁の方に行かない方がいいぞ」
マイル「えっ、何?アヴィ・・・うわぁ!!」
突然足場が動き出す。バランスを崩すマイル。一瞬の出来事だった。
ドボーン
大きな水音と飛沫が上がる。

アヴィン「お、おい、大丈夫かマイル。」
ミューズ「クスクス」
マーティ「殿下、笑いすぎです。」
ミューズ「ごめんなさい、それよりも大丈夫?」
しかしアヴィンの返事がない。マイルは浮かび上がって来なかった。
アヴィン「おい、船を止めろ!!」蒼白な顔でアヴィンは叫ぶ。
事の重大さに気付きミューズの顔色も蒼くある。
ミューズ「ご、ごめんなさい、まさか溺れるなんて・・・」
アヴィン「そんなことは後でいい。マイルを引き上げたときの為に毛布でも借りてきてくれ。マーティさん探すのを手伝って下さい。」
マーティ「わかりました。急ぎましょう。水難事故は時間との勝負です。」
ミューズが毛布を借りに、二人が湖に飛び込もうとした時だった。
船の中央部が光り出す。水面にあぶくがわいてきた。
ブクブクブク
ザババババー
泉から現れたのは・・・水の精霊スコティア様だった。
スコティア「あら、あなたですか、まぁいいですわ。」
アヴィン「まぁいいって、今急いでいるんだ!」
スコティア「お約束ですからつき合って下さい。」
マーティ「まぁ、アヴィン君、ここは一つ泉の精の力を借りるのも一つの手だよ。」
アヴィン「わかった。つき合ってやるよ。」
スコティア「では、あなたが落としたのは、この銀の友ですか?」
銀髪のマイルが現れる。
アヴィン「とんでもない。そんな色の友じゃないです。」
スコティア「では、こちらの金の友ですか?」
金髪のマイルが現れる。
アヴィン「そんな豪華な色の友じゃないです。俺の落とした友は、くたびれた鉄の友達です。・・・あれ」
スコティア「・・・そうですか。私の勘違いでしたね。それではごきげんよう。」
金髪マイル「アヴィンそりゃないよ〜!」
銀髪マイル「さよなら。アヴィン・・・」
アヴィン「あぁぁぁぁぁ、しまった〜!!」
ブクブクブク
金髪・銀髪マイルとスコティアは泉へと沈んでいく。
アヴィン「ゴメン、マイル、また俺は・・・」
打ちひしがれるアヴィン。
マーティ「二人いたら戦闘に便利でしたのにねぇ・・・」
ミューズ「シャノンさんに差し上げても一人残りましたのにねぇ・・・」
あまりの展開に的外れな事を口走ってしまう二人。

その後マイルの姿を見た者はいないらしい。

教訓:生半可な知識は危険である




すっかりシリーズと化してしまっております泉の精・・・
人さまからいただけるまでになってしまいました。
いただきものを駄文にアップするのは失礼すぎますのでこちらです。

今回の被害者はマイルです(爆)。
アヴィン、おまえはいままでどーいう目でマイルを見ていたんだ?
泉の精スコティア様・・・いい性格しておられますねー。
そもそもの元凶はマーティとミューズ殿下・・・のような気がします。




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