UAEの産業について(1st Edition)


1・石油

石油です。なにをおいてもやっぱりこれが真っ先に出てきます。

1950年代に石油が発掘されて以来、国としての経済基盤も安定し、独立を果たしたUAE。
真っ先に石油が発見されたのはアブダビです。
それまでは7首長国の中での最富国(?)は交易国として栄えていたドバイ。
7つのなかで一番広い国土を持ったアブダビはなんと最貧国だったんです。

このままではいかんと思ったアブダビの首長さん。
いちかばちかで石油の発掘をはじめたところ(1939年)、
ほんとに見つかっちゃったので(1950年代の終わり頃)、
アブダビの経済的地位はうなぎのぼり、7首長国の中で最富国にのし上がりました。
まさにアメリカンドリーム・・・アラビアンドリーム?(死)

アブダビに続いてドバイでも石油は発見されました。
真っ先に石油を見つけたアブダビに首長国の首都の地位を譲らざるをえなくなってしまいました。


ここでひとつクイズです。

日本はアメリカに次いで、世界第2位の原油輸入大国です。
1998年度の日本の原油総輸入量は2億5000万Kl(この数字がどのくらいの量なのか、け、見当がつかない・・・)でした。

  これだけ輸入している石油。さて、どこからの輸入が一番多いのでしょうか。

このページがページだけに、予想がつかれた方も多いと思いますが、
そうです。正解はUAEが一番多いのです。

28%がUAE、続いてサウジアラビア20%、イラン11%、以下中東諸国が続きます。
日本の原油輸入の中東依存は非常に高く、中東諸国からの輸入を全部あわせると86%にもなります。
あまり知られていないですが、案外身近な国なんですね〜〜〜。

(以上のデータは1998年のものです)



それではもうひとつ。
ひとりあたりのエネルギーの消費量の一番多い国はどこでしょう。

はい。これもUAEなんです。
16,878kcalと、アメリカの7,918を大きく上回っています。
つづいてカタール・バーレーンと続きます。
やはり石油産出国は強い!
ドバイ近郊の、なんにもない砂漠にまでおっきな送電線(電信柱ではない)があって、少々興ざめしたくらいです。
ちなみに日本はアメリカの約1/10です。



2・真珠

湾岸諸国は真珠の産地なのです。
石油が発見される以前の、湾岸諸国における重要な産業のひとつです。
男の人が素もぐりで真珠貝を探します。
日本では海女さんが素もぐりしますが、男の人が、というところがアラブですね〜

古代ローマ時代以降、アラビア湾やインド洋は、世界有数の真珠産地でした。
しかし、1893年に真珠の養殖技術が日本の御木本幸吉氏によって発明され、
天然真珠を主な産業にしていたアラビア湾岸諸国は大打撃を受けました。
そこに、アメリカから始まった1930年代の世界恐慌。
その影響はアラブ諸国にまで及び、一気に経済は低迷しました。
この状況を打破すべく石油の発掘が始まり、アラブの産業は石油がメインになっていったのです。

UAEの産業をかえた原因の一端が日本にもあるのかと思うと、なんか複雑な気持ちでした。




参考資料

外務省ホームページ
http://www.mofa.go.jp/mofaj/index.html




このページの内容の間違いに気付かれた方はメールまたは掲示板でお知らせください。
早急に対処します。



ドバイ編・目次のページに戻る