41. 1200MHz 6エレメント・八木アンテナの検討               2016/4/22  de JA1CPA 中村
                                                        
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今までアンテナを作るときは、MMANAでシミュレーションして作っていました。
そして、如何にしてシミュレーション通りに工作するかに注力し、シミュレーションに近ずけるほどシミュレーションに
近い特性が得られていました。
しかし、MMANAも限界が有ります。
それは、波長に対してエレメント径が大きいと大きな誤差が発生します。
それは、0.01λ(1280MHzはφ2.3、435MHzでφ6.9) を超えると共振周波数が 2% ぐらい低くなるようで、実用的では
無いと云う資料も有るようです。(周波数オフセットが有ります)
ここでは、1280MHz 6エレメント八木をφ3エレメント(0.0128λ)でシミュレーションしてみます。
その結果が下表です。

このアンテナのラジエーターはセミフォールデットなので、ダイポールで計算しインピーダンスを3倍すると50Ωになり
ます。
共振点は1302.6MHzになっています。
これを、435MHzと同じようにブームに□15mmアルミ角パイプを使用し、エレメント通過部分をスペーサーで絶縁しま
す。基本的な構造は435MHzと同じです。


 ↓ SWR最良点が1334MHzとかなり高くなっています。     ↓ 完全に共振しないでリアクタンスが有ります。

本来で有れば共振周波数はかなり低くなるはずですが、かなり高く1334MHzとなりました。
これは、金属のブームによってエレメントが短縮されて短くなり共振周波数が高くなったと思われます。
エレメントは435MHzと同じようにスペーサーで絶縁していますが、あまり効果が無いようです。
ゲインが低下していないか測定が必要です。

次に同じエレメントをABS樹脂のブームに取り付けて測定しました。(エレメント間隔もアルミと同じ)



  ↓ SWR最良点が1284MHzとかなり低くなっています。     ↓ 完全な共振点は1280MHz付近です。
 
              (測定はAA-1400 → AA-1000の拡張では不正確です)
まとめ
1.シミュレーションの共振点1302.6MHzに対して、
 ①アルミブーム□15mmは、1334MHz(+31.4MHz/+2.43%)、
 ②ABS樹脂ブームは、   1280MHz(-22.6MHz/-1.73%)
 となった。(予測2%以上に対しては少ない)
 なお、この周波数オフセットはエレメント数によっても違てくると思われます。
注)エレメント等の寸法が必要な場合は、ご連絡ください。メールでお送りします。

追加
AA-1400とAA-1000拡張の比較測定です。(同じアンテナを測定したものです)

 ↑ AA-1400 1282MHz、SWR1.03                   ↑ AA-1000拡張 1288MHz、SWR1.27
                                       AA-1000拡張は個体差が有るようです。

                                                  目次に戻る
    おわり