39. 436.5MHz 1.5λ、145.9MHz 1/2λダイポールアンテナ(補正用エレメント付き)      2015/11/19
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 2エレメント(435MHz補正用エレメント付き)436.5MHz 1.5λ、145.9MHz 1/2λアンテナ 2015/11/25
                        
このアンテナは、「JAMSATニューズレターNo.278 無指向性円偏波アンテナ、衛星通信用145MHz/435MHzエレメ
ント位相式・2バンドクロスダイポールアンテナ」をクロスを取り除き、単なるダイポールにしたものである。
145.9MHzでは1/2λダイポールであるが、436.5MHzでは1.5λ高調波アンテナとなりインピーダンス補正用(50Ωにす
るため)のエレメントを設けた。

1. シミュレーション(MMANAによる)
 1.1.データー
  アンテナ形状
       
                                    
  MMANAのテキスト
  

  特 性  
  
          ↑ ゲインは436.5MHzで6.15dBi(4mH 10.98dBi)

  パターン(水平面) 8字特性(ドーナツ状)が、少し細くなってゲインが増えた感じ。
  
       ↑ 436.5MHz 仰角 2.4°                  ↑ 436.5MHz 仰角 41°
  
       ↑ 436.5MHz 仰角 67°                  ↑ 145.9MHz 仰角 4.
    
 1.2.外観寸法図
  
    ラジエーターは( )内寸法がφ3棒、( )無し寸法がφ4銅パイプ(φ4×φ3)
   
2.加工、組立
  

← 補正エレメントを上下に曲げて調整
  した。
← ラジエーターを切った写真。
  実際はもっと長い。

ブームは木材で寸法を出して作った。
全体にアクリルラッカースプレー
(クリヤー)を吹き付けて防水した。

同軸ケーブルは1/2λe(約46cm)


3..測定、調整
 3.1.測定(AA-1000で測定)
  調整は、435MHz帯だけ行い、145MHz帯はそのままにした。
  補正エレメントを上下に少し曲げて調整した。
  
                    ↓ 145.9MHzも何とか使えるか!     
  

4.仕上げ
 4.1.防水処理
  エレメント、木部、同軸ケーブルにアクリルラッカースプレー(クリヤー)を2~3回吹き付けた。
  
5.使ってみる  工事中
  設置は高さ6m、指向性は南北方向とした。受信機はFT-857DM、5D-FB×6m、プリアンプ無し。
  ・FO-29ビーコン AOL Az184°はEL5から受信、Az200、EL10あたりから はっきりと確認できた。Az225で受信なし。
  信号は弱いがAz330あたのまで時々受信。LOS Az336。聞こえ方は、ほぼパターン通りの模様。
  1/2λクロスダイポールエレメント位相式に比べて強く聞こえたが少しQSBを感じた。
  ・AO-73の145.935MHzのPSKビーコンはS2まで振ってきた。
  ・AO-85のビーコンアナウンスも、EL20~30で聞こえる。QSOのメリットはR1~2。
  このアンテナにローテータを付けて、水平方向だけ追尾させれば簡単に衛星通信ができるかも知れない。
  (天頂方向のゲイン低下は約3dB)
  ・FO-29ビーコン、2015/11/20 1301AOS154、MEL57、LOS352は、EL15~57~15まで比較的安定して聞こえていた。
  ・ダイヤモンドのSG9700, 144MHz 3.0dBi, 430MHz 5.8dBi, 1.07mを横にして上げました。ただし430MHzは1/4λのラジ
   アルを1本付けました。FO-29ビーコンはEL5~10でもビーコンが聞こえますが、あまり強くない。
   あまり指向性も強くない感じ。
   継続して検証を続ける。

6.考 察(もう少し受信してからにしたいが解っている範囲、推測できる範囲) 工事中
  このアンテナは、436.5MHzでは高調波アンテナである。(1/2λ×3)
  通常の高調波アンテナは中心部の1/2λの両端の1/2λ部分は互いに打ち消しあってゲインはほぼダイポール
  と同じと云われている。                        
  下表のNo.1は、このアンテナの特性で有るが、No.2は補正エレメントを取り外した特性で有り、通常の高調波アンテ
  ナになっている。(少しゲインは有るが) またその下左のパターン図も高調波アンテナ特有の四つ葉になっている。
  
  
  上右写真のパターンは、このアンテナを垂直にした時のパターンで、わずかに右側のゲインが低下している、これは
  補正エレメントの無い方向で約1.8dB低下している。
  従って、わずかにゲインが有るアンテナになっている模様で有る。
  結論としては、
  1. 高調波アンテナに補正エレメントを付けてインピーダンスを補正(50Ωにするため)すると、水平パターンは四つ葉が
   変形して2方向にビーム状になり、約6dBi 程度のゲインとなる。ダイポールの8字パターンが細くなった感じ。
  2. アンテナを垂直にした水平パターンは、わずかに変形するが約6dBi のゲインとなる。 
  3. 直線偏波には、円偏波アンテナに比べて3dBの低下が無いので有効か?。ただしQSBの影響は不明。
  4. フェージングスタブの無いコリニア・モドキアンテナになっている感じである。(このアンテナは構造が簡単)
  なお、垂直にして四方にこの補正エレメントを付ければ、水平面の変形が無くなって、もっとゲインが増えるのではと思っ
  たが?。(チョット、シミュレーションしたがNG!)
  さらに、145.9MHzの1.5λ(約3m)にすると、435MHzはどのうなるか?。(チョット、シミュレーションしたがNG!)
  ハイゲインのモービルGP 1本(又は2本をダイポール風に)を水平にして、ローテータで追尾すれば結構使えるのではない
  か、仰角ローテータ不要のシステムとして有効か。誰かやっているかも?。ただし1本場合は車体が無いので何らかのラジ
  アルを付ける必要が有るかもしれない。
  (2015/11/21 エレメント名等を変更した)        つづく            目次に戻る


★ 2エレメント(435MHz補正用エレメント付き)436.5MHz 1.5λ、145.9MHz 1/2λアンテナ    2015/11/25

1. シミュレーション(MMANAによる)
 1.1.データー
  アンテナ形状
    

  
                                          6mHでは、かなりゲインが有る
   
                               仰角90° 
   
                               仰角45° 
   

 1.2.外観寸法図                              2.加工、組立
   
     ↑ 補正用エレメントを曲げてSWRを調整した




3..測定、調整
 3.1.測定(AA-1000で測定)
   

4.仕上げ
 4.1.防水処理
  エレメント、木部、同軸ケーブルにアクリルラッカースプレー(クリヤー)を2~3回吹き付けた。
  
5.使ってみる  工事中
 指向性は南北に設置した。 
 ・FO-29∶Az180EL5からビーコン受信した。Az190EL20ではかなり強い。CWでQSOしているのが強く受信できた。
  EL20~30以上ではSSBでもQSOできると思われる。2015/11/25      
 ・AO-85∶EL75、わずかにQSOしているのが聞こえた程度でキャリアはほとんど感じない?


              おわり            目次に戻る