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  ☆アマチュア衛星通信 目次に戻る                              2015/8/17    de JA1CPA/中村

                       必要に応じて随時変更します。
   

(新)サテライト入門(はじめの一歩)       2015/8/17     総 集 編
(アマチュア無線用人工衛星、サテライト通信、衛星通信)       リニューアルしました。
                                衛星追加 2015/9/22

 当局の主な現有設備(衛星通信用)
2016/6/9 

アマチュア無線を始めて、 最初のドキドキは、初QSOでした。
2番目のドキドキが、初オーバーシー(外国局)QSOでした。
3番目のドキドキが、このアマチュア無線用人工衛星によるQSO(衛星通信)でした。
ちょっとマンネリ気味のあなた?!。3番目のドキドキを体験しませんか?。
ここでは、初めの一歩から?として、少し昔の話を織り交ぜて説明していますので興味を持って頂けると思います。
内容は、Q&A方式で記述しています。必要なところを途中から読んでください。


目次
1.この文章を読む人は?

2.サテライトとは?
3.サテライトは何が面白いの? 第3のドキドキ?
4.サテライトをやってみたいが、どうすれば良いか解らない?  周波数は?
 ①サテライト一覧表)  
 ②サテライトはどのように飛んでるの?
 ③何処に? いつ来るの? 軌道は?
5.144/430MHzオールモード機で受信する。(まず受信してみましょう)
 ①AO-73のビーコンを受信する。②FO-29のビーコンを受信する。③HO-68のビーコンを受信する。
 
④その他の衛星を受信する。⑤ SDRでビーコンを受信する。(QSOする時の問題は?)
6.必要なサテライト専門用語は?
 AOL、ME l 、LOS、・・・・・ ?
7.サテライト特有の問題点は?
 ①ドップラー現象が有る    混信が有る   ③自局の送信電波が受信に影響する
8.QSOするための設備は、どんなものが必要なの?
 ①FMハンディ機で ちょっと やってみる・・   
  CALSAT32 を使って・・  少し本格的に
 ③手動操作するには、・・   
9.QSO(運用)はどうやるの?
 ① SSBでループテストする(CALSAT32+SSBの場合)
 ② SSBでQSOする(CALSAT32+SSBの場合)
 ③ SSB/CWで注意してほしいこと
10.QSLカードの書き方は?
 ①書き方  ②サテライト専用アワードについて(国内)
11.参考資料等
12.お願い
13.サテライトをやって感じること

★ I C-9100を使った比較的簡単なサテライトQSOの方法
★  CALSAT32については、ここにダウンロード、インストール、初期設定を詳細に ! ! !


1.この文章を読む人は?。
回答1:アマチュア無線を1年以上経験し、約50局()以上SSB/CWで交信した経験が有り、ちょっとだけやる気の
    有る人。

 従って、無線従事者免許証だけの人は、ちっょと無理かも知れません?。SSBやCWに少しだけ慣れてください。
 (しかし、いきなり衛星通信から始めて、FM/SSB/CWに大活躍している人も、若干1名知っていますが!!)
                    


2.サテライトとは?。(以後、アマチュア無線用人工衛星をサテライト又は衛星と記述します)

回答2:アマチュア無線の世界では、サテライトとはレピーター(無線中継器(トランスポンダ))を搭載したアマチュア無線
 用人工衛星のことを言います。
 地上に有るレピーターが人工衛星に乗って、地球をぐるぐる回っていると思えば良いと思います。
 また、大学等でアマチュア無線の電波を使った衛星も上げられています。これはほとんどがトランスポンダは搭載してい
 ませんが、ビーコン受信やデーターの受信ができます。

 サテライトの第一号は1961年に上げられていて、現在までに約300個以上(2015年現在)が世界各国から上げられて
 います。
 ただし、1、2号はビーコン電波を発射するだけでレピーターは搭載していませんでした。
 日本からも3個、FO-12(1986年),FO-20(1990年),FO-29(1996年)とマチュア無線用人工衛星を上げていて2015年
 現在でも1個(FO-29)が動作して使われています。

  
FOのFは富士山のFUJI(ふじ)のFを取って名付けられました。
 サテライトは、ほぼ南北(又は北南)に地球の周りを周回していて、高度は約400~1,500km。(ほぼ円軌道)~約
 36,000km(楕円軌道)です。
 その寿命は1~5年。~35(AO-7)以上です。 (寿命の主因はバッテリー) 毎年多くの衛星が上げられていますが、
 
現在使えるのは6個(2015/9月現在)で、90~120分ぐらいでほぼ円軌道で地球を周回しています。
 I SS(国際宇宙ステーション)にもレピーターが搭載されていて時々ONされたり、ごくまれに宇宙飛行士が私達とQSOす
 ることも有ります。

 サテライトが使える(QSOできる)時間は、自局からサテライトが見える範囲で5~20分間以下です。
      31965年 FO-12(26面体)1986年

                                     先頭に戻る
3.サテライトは何が面白いの?。第3のドキドキ?。
回答3:アマチュア無線を 始めて、
 最初のドキドキは、初QSOでしょう。
 2番目のドキドキが、初オーバーシー(外国)QSO
でしょう。
 3番目のドキドキが、このサテライトQSOでしょう。(です。でした。)

  ①自分の声が宇宙から聞こえてくる。(これが一番、第一歩)
 ②予定された時刻に短時間で集中できる。(5~15分間)
 
いろいろな知識や技術が学べる。(パソコン関連又は高度な運用テクニック?)
 ④未知の宇宙空間の知識が学べる。(人工衛星は何故飛んでるのか?、知らなくてもOK






 地球半径:約6,370km
 
 サテライト高度:400~1,500km~(地表から)











                                             先頭に戻る 

4.サテライトをやってみたいが、どうすれば良いか解らない?。
回答4:サテライトは、どんなのが有って、周波数やモードは?。何処に、何時来るの?。
 AO-7、FO-29、SO-50、AO-73 は、トランスポンダ(中継器)を搭載して衛星経由でQSOできる
 衛星です。
 HO-68は、現在はビーコンのみ送信中(CW)なので地上ではビーコン受信しかできないがかなり強く受信できます。
 PRISM、 SPROUT、 HORYU-2 は、日本の大学で上げた衛星でビーコンやデータが受信できます。
 その他 ビーコンやデータ送出の衛星は数多くあります。
 また、気象衛星NOAAからのデータも直接受信することもできます。(137MHz帯)
 
①サテライト一覧表(2015/9/29月現在) 
No. 衛星名 アップリング
地上から送信する
周波数(MHz)(LSB)
ダウンリング
地上で受信する
周波数(MHz)(USB)
CWビーコン
周波数(MHz)
モード コールサイン
 1 AO-7 145.900±0.05(USB) Aモード∶29.450±0.05 29.502 停波中 Aモード∶CW/SSB
B  
区分で使用不可
動作不安定
 2 FO-29 145.950±0.05 435.850±0.05 435.7964 CW/SSB 8J 1J CS
 3 SO-50 145.850 436.795 --- FM  67.0Hz重畳
 4 AO-73 435.140±0.01 145.960±0.01 (145.935) 1k2,BPSK, CW/SSB
 5 XW-2C
 ビーコンのみ
435.160±0.01 145.805±0.01 145.790 CW/SSB 区分注意 BJ1SD
 6 XW-2D
 ビーコンのみ
435.220±0.01 145.870±0.01 145.855 CW/SSB BJ1SE
 7 XW-2E 停波 435.280±0.01 145.925±0.01 145.910 CW/SSB BJ1SF
 8 XW-2F 435.340±0.01 145.990±0.01 145.975 CW/SSB BJ1SG
a1 HO-68 ----- ----- 435.790 CWビーコンのみ 中国
a2 PRISM ----- 437.425 437.250 AFSK,GMSK,CW JQ1YCX
a3 SPROUT ----- 437.600 437.525 1k2,AFSK,SSTV,CW JQ1ZJQ
a4 HORYU-2 ----- 437.375 437.378
437.372
1k2,FSK,CW JG6YBW
9 AO-85       435.185 145.980 145.980 FM
FM  67.0Hz重畳 (2015/10)
-
 注)XW-2C~Fは2015/9/20に中国から上がった新規衛星、XW-2A、Bは日本ではバンドプラン(使用区分)で
   使えない。XW-2C~F はビーコン確認済み、XW-2D,E,F はアップ/ダウン確認済み。2015/9/21 
   ※XW-2C,Dはアップ/ダウン確認できず。2015/9/28   CAS-3はXW-2に改名された。2015/2/29
     XW-2Eは2015/10/30停波

アマチュア無線周波数でビーコン等を出している衛星は他に多数有り、ここに掲載されています。
また、現在の動作状況は
リアルタイムで、ここに表示されています

 サテライトはどの様に飛んでるの?。

 
中心が日本(東京)として宇宙から地球を見た図です。
 サテライトは、ほぼ南から北に行きます。
 これを北上オービットと言います。
 地球が回転して日本が向こう側に行くと北から南に行きます。
 これを南下オービットと言います。

 
サテライトが地球を1周する間に地球は約20°~30°東に回ります。



 ③何処に? 何時来るの? 軌道は?
     ----- チョットその前に -----
      
パソコンやインターネットが現在のように無い時代には、専門誌(CQ誌、モービルハム誌(現在は廃刊))にオービット表
       (下表/1985年)としてサテライト毎に、日時分、方向、最大仰角等が一覧表で掲載されていました。
       それをボール紙で曲線定規を作って予測していました。

         
 また、C-MOS I Cを40個ぐらいでタイマーを作って、オスカークロックとして表示する装置を作って使ったりして
       いました。(下右写真/1977年、当局が自分で設計製作したものです)

        その後にパソコン(PC-8801/1980年)が出て来て一覧表がベーシックプログラムデーターでJAMSAT(日本アマ
       チュア衛星通信協会)等で提供されるようになって、その表のデーターをグラフィック表示するように自分でBASICで
       プログラムを作って軌道予測を表示したりもしていました。(下左写真/1985年)
       さらに当時のパソコン(PC-8801)に付いていたカセットインターフェイス、と言っても起動、停止するリレー接点
       ですが、これを使ってローテーターをプログラムコントロールしたりしていました。
          当時のモービルハム誌に掲載されていたオーピット表(1985年)
                 
 







   オービット表をデーターにしてN88-BASICで作った画面(PC-8801,カラー)      ↑ オスカークロック(視力2.0)
     AO-10は楕円軌道なので左から来て地球の自転で折り返してます。(1985年)     今でも動きます(1977年製作)
   これを見て地球が自転しているのを実感した。hihi
     
この時代には、アンテナの上下左右、送信周波数、受信周波数、スタンバイ(PTT)等を2本の手と2つの目で操作して
     QSOするには、千手観音
(せんじゅかんのん)状態でした。

   
   ・現在は、インターネットでいろいろな形で、予測表示、操作方法のプログラムが簡単に手に入れる事が出来ます。
   代表的なものは、CALSAT32(JR1HUO作)KSAT(JH3RKB作)等のフリーソフトが有ります。

    これらのソフトはパソコンに入れて使いますが、軌道予測するだけでなくて、アンテナの上下左右やトランシーバー
   の
ドップラー周波数のコントロール等を自動的に行います。
    
これで千手観音(せんじゅかんのん)状態が解決しました。
 
  下の画面はCALSAT32(JR1HUO作)のメイン画面の例です。
    JR1HUO局のホームページからダウンロードしてください。
    
衛星を選ぶと、アンテナ及び周波数が自動制御され、FMモードはマイクを握ってしゃべるだけです。

 
    
まずCALSAT32をJR1HUOのホームページからダウンロードして設定してください
  現在、使えるサテライトの条件はほぼ設定されています。パソコンの時計を正確に合わせます。
  このCALSAT32の説明については、
ヘルプのCALSAT32オンライン利用ガイドを確りと読んでください
  詳細に記述されています。画面上でサテライトが移動するのが解ります。
  これでサテライトがどの様に動くか、だいたい覚えておきましょう。           **
      
CALSAT32については、ここにダウンロード、インストール、初期設定を詳細に
      記述しました。
(衛星通信に限定)  2015/9/2   
                                                        先頭に戻る  

5.144/430MHzオールモード機で受信する。144/430MHz CW/SSBが受信できる無線機まず受信してみましょう。
 初めて受信する場合は、夜の20時以降か日曜日に受信します。この日時以外はFM違法局の混信で受信は難しいでしょう。

 
FMモードのAO-85が上がりました。(2015/10月)しかし、小さなアンテナでは難しいでしょう。下記 8.項参照)
 またSO-50はFMモードですが、QSOしている局が少なく土曜日の夜か日曜日に聞こえることが有ります。 
 
 回答5:144/430MHzオールモード機で受信する。
 
CWを受信する時も帯域が広いUSBに設定して聞きますが、周波数はビート分(約1kHz)だけ低く設定します。
 
①AO-73等のビーコンを受信する準備をする。
 CALSAT32の初期画面では、AO-73は出てきませんので新規設定する必要があります。
 ・画面の設定(画面とはCALSAT32の画面を云います)以下、オンライン利用ガイドを読んでいるとしています。
 画面では、上左側に「ISS」のみが表示されていて、その右側は空欄になっていると思います。
 また、右下の↑↓←→の上に、Satelite Z-1 と表示されていると思います。(Z-1になっていない時は↑↓でZ-1を出す)
 この状態で、(以下の設定は、CALSAT32オンライン利用ガイドと重複します)
 画面左上の「ファイル」⇒「軌道要素のファイルの更新」をクリック。
 「データ取得」をクリック。⇒ファイル更新⇒「追加更新」をクリック。「OK」「OK」でCALSAT32が消える。
 CALSAT32を再立ち上げする。「ファイル」⇒「衛星グループの設定と変更」をクリック。
 衛星グループの設定と変更の一覧表が表示されるので、左側からAO-73を選んで、リストに追加矢印で右欄に入れる。
 FO-29、SO-50、AO-7、HO-68 をを選んで、リストに追加矢印で右欄に入れる。
 「保存」クリック。
 これで、CALSAT32画面の上欄にAO-73、FO-29、SO-50、AO-7、HO-68 が追加して表示されます。
 画面上には、ISS、AO-73、FO-29、SO-50、AO-7、HO-68 の6つの衛星の軌跡が時間と共に表示されます。
 
・AO-73 のビーコンを受信する。(145MHz帯、強いので聞きやすい)  E l =仰角
 画面上のAO-73と表示された所をクリック。画面下に黄色文字でAO-73の予定表が出ます。ここで中央付近の
 
---Max E l---の下の E l 欄が30.0以上を選んで、その左のJST欄を見ます。





← A~Z

             ↑ ↑ 
            
JST 30.0以上を選ぶ
 これは、AO-73が最大仰角になる時刻が表示されています。
 この時刻±3分ぐらいになったら、受信周波数を145.935±5kHz/USBでダイヤルを可変します。
 すると「びゃー、ぎゅー」と云う音が聞こえてきます。これがビーコンの 1k2,BPSKの音です。かなり強いはずです。
 聞こえる時間はE lによりますが、5~10分間です。
 
②FO-29のビーコンを受信する。(435MHz帯) E l =仰角
 画面上のFO-29と表示された所をクリック。画面下に黄色文字でFO-29の予定表が出ます。ここで中央付近の
 ---Max E l---の下の E l 欄が30.0以上を選んで、その左のJST欄を見ます。
 これは、FO-29が最大仰角になる時刻が表示されています。
 この時刻±3分ぐらいになったら、受信周波数を435.796±10kHz/USBでダイヤルを可変します。
 すると、少し早いCWが聞こえてきます。AO-73に比べると、かなり弱いでしょう。設備によっては聞こえないかもしれ
 ません。
 聞こえる時間はE l によりますが、5~12分間です。
 
③HO-68のビーコンを受信する。(435MHz帯) E l =仰角
 画面上のHO-68と表示された所をクリック。画面下に黄色文字でHO-68の予定表が出ます。ここで中央付近の
 ---Max E l---の下の E l 欄が30.0以上を選んで、その左のJST欄を見ます。
 これは、HO-68が最大仰角になる時刻が表示されています。
 この時刻±3分ぐらいになったら、受信周波数を435.790±10kHz/USBでダイヤルを可変します。
 すると、かなりゆっくりとしたCWが聞こえてきます。FO-29に比べると強いでしょう。
 FO-29と周波数が近いのでドップラーによっては、FO-29とHO-68のビーコンが混信して聞こえることが有りますが
 CWの速さによって区分できます。
 
④その他の衛星を受信する。(435MHz帯)
 PRISMSPROUTHORYU-2 など、大学で上げた衛星もアマチュア無線の周波数でビーコンを出しています。
 AO-73と同じ要領で設定して聞いてください。データー等の受信もできますが、詳細はそれぞれの大学のホームページを
 見てください。周波数やモードの情報は入力されてないのでオンライン利用ガイドに従って設定してください。
 
⑤ SDRでビーコンを受信する。(QSOする時の問題は?) E l =仰角
 設備は、SDRクロスダイポール(435MHz帯)または2バンドクロスアンテナだけで受信してみます。
 ただし、QSOする場合はSDRと同軸ケーブルの間にデュープレクサ(CF-416等)を入れる。
 クロスダイポール(435MHz帯)の場合は、HO-68、FO-29、PRISM、SPROUT、HORYU-2等のビーコンを
 E l 20~30°以上で聞くことができます。ただし信号が弱くて聞こえない場合も有ります。
 2バンドクロスアンテナの場合は、上記の他にAO-73(145MHz帯)のビーコンも聞くことができます。
 ただし、アンテナのゲインが低いのでE l は20°~30°以上でないと聞こえない場合があります。
 ドップラーシフトが有るので、受信周波数を常に低い方に下げていく必要があります。
 (QSOする時の問題は?)別途、詳しく記述したいと思います。
 
アップリンクを通常のアマチュア無線機を使い、ダウンリンクにSDRを使った場合は、ダウンリンクの信号(音声)が
 約0.5~1秒ぐらい遅れて聞こえるので、自分の声を聴きながらQSOすることは難しいです。
 ただし、受信ボリュームを絞って「カサカサ」音程度にすればQSOもできるのではないかと思います。
   
これはアナログ信号をデジタルに変換するのに時間が掛かっていると思われる。携帯電話等も0.1~0.3秒ぐらいの遅れがある模様。
    昔、AO-10が上がった時に楕円軌道で距離が長くなった時も0.3秒ぐらいの遅れが有って聞きながら話すのはむずかしかった。

6.必要なサテライト専門用語は?
回答6:AOSME ILOSAz、アップリング、ダウンリング、送信固定、受信固定、衛星固定 等
  
   AOS(Acquisition of Signal):サテライトが見え始めて信号が聞こえ始めること。(時刻)
  
   ME l (Max Elevetion) :サテライトが最大仰角(高い)に来ること。(角度)
  
   LOS(Loss of Signal):サテライトが見えなくなって信号が聞こえなくなること。(時刻)
  
   Az( Azimuth):サテライトの方位。北を0°として右回り360°で元の北(南は180°)
  
   アップリング:自局からサテライトに向けて送信すること。(送信信号)
  
   ダウンリング:サテライトから自局に向けた信号。(受信信号)
  
   ドップラー現象:サテライトからの信号の受信周波数が変化する現象。(下記7.に詳細記述)
     送信固定:アップリング(送信周波数)を固定して通信する方法。(受信周波数が変化する)
  
   受信固定:ダウンリング(受信周波数)が固定するようにして通信する方法。(送信周波数を可変する)
  
   衛星固定:アップリング(送信周波数)周波数を可変してサテライトに中心周波数になるようにして、ダウンリング
    (受信周波数)周波数は可変して受信する。

                                                          
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7.サテライト特有の問題点は?
回答7:ドップラー現象が有る。そして、混信が有る。
 
   ドップラー現象が有る。
 
サテライトの移動速度が電波の速度に対して無視できないほど速い(約7.5km/sec)ので、地上では受信周波数が変化して
 聞こえます。
 受信周波数はサテライトが自局に近づいてくる時は、サテライトの送信周波数より高く聞こえ、遠ざかって行く時はサテラ
 イトの送信周波数より低く聞こえます。

 
その変化する量は、145MHzで±3kHz435MHzで±9kHz位になります。
 
従って、435MHzを受信する場合はAOSでは最大9kHz高く聞えてきて、時間と共にだんだん低くなり ME Iで±0にな
 り、LOSでは最大9kHz低く聞こえます。
 ただし、その変化量は通るコースによって変わって、ME lが頭上(90°)になるコースの時が約±9kHzとなります。
   
A:衛星軌道上、
B
:頭上を通過する衛星の場合、 
C:遠くを通過する衛星の場合

たとえば、HO-68のビーコン周波数が435.790MHzなので
AOSでは+9~+3kHz高く聞こえ始めて、だんだん低くなってMEl
で435.790MHzに、それからさらに低くなって、LOS近くでは
-9~-3kHzになります。MElが高いほど±が大きくなります。
たとえば、サテライトが東京上空(東京でMEL)の時は、福岡市で
聞くと中心周波数より低く聞こえ、北海道では中心周波数より高く
聞こえます。
従って、同じ時刻では福岡市と北海道では違った周波数で聞こえる
ことになります。
 そのためも有って、互いに1kHzぐらいはずれて聞こえて、ずれてQSOすることになります。
 なお、このドップラーは、周波数に比例するので145MHzを受信する場合はドップラー量は435MHzに比べて約1/3にな
 ります。
 
 混信が有る。
 FMの場合は、地上のレピーターと同じように周波数は1(1チャンネル)なので、誰かが使っていたりキャリアを出した
 りすれば、他の人は使えません。

 
日本では、145.80MHz146.00MHz435.00MHz438.00MHzがサテライト専用周波数に指定されています。
 しかし、残念ながらこの周波数もトラックなどの移動局がサテライト通信以外の目的で使っています。
 その為にサテライトからの信号が抑圧されたり、マスクされたりして聞こえなくなる場合が多々あります。
 また、その電波がサテライトを経由して日本中(近隣諸国にも)に中継された状態になっています。
 さらに、日本だけで無く近隣諸国の電波も中継されて聞こえる場合も多くあります。
 
その間隙をぬってQSOすることになります。
 SSB/CWの場合も混信の状況は変わりませんが、サテライトの周波数がバンド幅動作しますので、混信の無い周波数の所
 を選んで出来ますのでFMよりは影響は減少します。
 
月曜日から土曜日までの5時から15時は特に混信がひどくなっています。日曜日や夜間はかなり混信は無くなりますので、
 最初は日曜日か夜間(20時以降)にQRVすると良いと思います。



白抜きの矢印が混信にな
ります


直接の混信の他にサテラ
イト経由で混信(サテラ
イト特有)が発生します。







 
 自局の送信電波が受信に影響する。
  サテライトでは、送信しながらその自局のダウン信号を受信します。
 たとえば、FO-29の場合は145.950MHzでアップリンク(送信)すると435.850MHzにダウンリンク(受信)しま
 す。
 サテライトの場合は、送信すれば確実に信号がダウンしてくるとは限りません。
 もしこの確認が出来ないと、呼んでも応答が無いばかりか無駄な送信を続けることになります。
 従って、自局のダウンを聞きながらQSOする必要が有ります。
 送信と受信周波数が約3倍違いますが、送信と受信のアンテナが接近しているので、145MHz又は435MHzの基本波が
 435MHz又は145MHzの受信に影響して、抑圧を受けたり高調波やスプリアスや基本はが受信側に入って、ガリガリ言
 ったり受信出来なくなる事が有ります。
 そのために、435MHz及び145MHzにフイルター(デュープレクサで代用している)を入れたりプリアンプを入れて対
 策をする必要が有ります。
                              先頭に戻る

8.QSOするための設備は、どんなものが必要なの?。
回答8:装置は(受信機、送信機、アンテナ、その他何が(パソコン、ソフト?))、出力は?。
 
   FMハンディ機で ちょっと やってみる。
 
FMモードのAO-85が上がりました。(2015/10月)2015/10/28
 FMハンディ機(5W)でQSOするには少し大きなアンテナが必要でしょう。
 
下図のアンテナ程度にすればQSOできるかも知れません。(未確認)
 
SO-50はFMモードですが、FMハンディ機(5W)では難しいでしょう。

    CALSAT32を使ってアンテナや無線機をパソコンで自動制御する。少し本格的に。
 
・構成図例  
 
下記で指定されている機器は、具体的な例です。これ以外でも使えます。
 下表のシステム0~4は、仰角が固定なので衛星通信は制約されます。


 
注0)145MHzと435MHzのアンテナ間が狭いと送信波が受信に回り込んで「ガサガサ」と入ることがあります。
 
注1)プリアンプの電源が同軸ケーブル重畳式の場合は、無線機とプリアンプの間にデュープレクサが有ると電源が
   供給されない場合が有ります。その場合は無線機からプリアンプまで別途 電源供給とスタンバイ制御をして
   ください。CF-416は430MHz帯側は導通が有りません
2015/10/8
 注2)デュープレクサの目的は、送信波と受信波を分離するもので、受信だけで使用する場合は不要です。2015/10/8
 
 ・
構成機器一覧表  下記のシステムは全てを動作確認しているわけてはありません。 
 下記の表を見て、"わ~っ大変だ "と思わないでください。どれか一つのシステムに着目して見てください。
 (たとえばシステム2を見る) ↓ ↓
    

    無線機は、ここに示した以外に「衛星モード」の無い144/430MHzオールモード機を2台使って
     衛星通信することも出来ます。








 この表は具体的な例です。これでなければ衛星通信は出来ないと云うものではありません。
 ①システム0は、主にCWで運用できます。SSBはやや難しいかも?。しかし、E l(仰角)30°以上ではQSOできます。
 CWに習熟している人は、プリアンプが無くてもQSO可能でしょう。
 JAMSAT発行のニューズレターNo.278に具体例が記載されています。問い合わせ先はここです。
 ②システム1~4は、仰角が固定なので衛星通信は制約されます。(E l (仰角)20°~80°ぐらいか?)
 ③システム1~4とシステム5、6の 主な違いはアンテナおよび仰角ローテータです。
 ④システム5、6は、本格的に衛星通信を行う場合のシステムです。
 ⑤ I/F2はCALSAT32のマニュアルに書いてありますが、PIC IC出力をトランジスタで出力変換するものです。
 (新)PICNICのときは、これが使えると思います。(ただし当局は未確認です)
 ⑥ I/F3のCT-17は、アイコム社のIC-9100のオプション品ですが、当局はオークションで互換品を買って使っていま
  す。(無線機のドップラー制御に使います)
 ⑦I/F4は、BSUSRC06、 USBシリアルケーブル(バッファロー)
 ⑧コネクター類について、
 145MHz帯はM型、435MHz帯はN型が望ましい。(435MHz帯でM型を使うとSWRが0.3~ぐらい悪くなる)
 アンテナ---プリアンプ---デュープレクサ---デュープレクサ---無線機 のルートをN型またはM型で統一すると良い。
 ⑨G-800DXA(方位)またはG-5500(方位、仰角)はリモート端子付きですが、リモート端子が無いローテータの場
 合は、コントローラーを改造すれば使えます。
 当局は、G-450A/G-550(いずれもリモート端子無)を改造して使っていたことも有ります。現在は、G-1000DXA
 (リモート端子付き)/G-550(改造)で使っています。一例をここに。 
 また、クリエイトのローテータは、ここに一例を。
 
⑩デュープレクサ間を1本の同軸ケーブルで接続していますが、145MHzと435MHzを別にして2本の同軸ケーブルで接
 続することも可能ですが、その時はデュープレクサはフィルターとしてそのまま入れて使います

 ⑪無線機は、ここに示した以外に「衛星モード」の無い144/430MHzオールモード機を2台使って衛星通信することも
 出来ます。
 ⑫ヘッドホンは、SSBの場合は必ず必要ですが、CWの場合は無くても良いです。
  安いものが良い。
(当局はJVC HA-S200-BR 密閉型ヘッドホン 折りたたみ式 Y1,254.-
 ⑬
プリアンプの電源が同軸ケーブル重畳式の場合は、無線機とプリアンプの間にデュープレクサが有ると電源が供給され
  ない場合が有ります。その場合は無線機からプリアンプまで別途 電源供給とスタンバイ制御をしてください。
2015/10/8
   CF-416は430MHz帯側は導通が有りません。 
 ⑭プリアンプのゲインは、同軸ケーブルの長さにもよるが435MHzで15dB、145MHzで10dB程度にしてください。
  同軸ケーブルが10m以下の場合はプリアンプは不要です。
2016/6/8 

 
PICNICキット(秋月電子)
 リレーを付けて完成           基板部分の完成状態

 
 今は、NEW PIC-NIC にバージョンアップされています。
 (上記一覧表では(新)PICINC と表記しています)
 このPICNICの設定については、PICNIC添付の説明書及びCALSAT32のヘルプのCALSAT32オンライン利用ガイドを
 見てください。詳細に記述されています。

USB-FSIO
PICマイコン付き(PICマイコンのソフト
(ファームウェア)は入っています)
Km2 Net社 で通販しています。 
(2011年時点で2,000円)
安い!


 USB-FSIOについては、CALSAT32のヘルプのCALSAT32オンライン利用ガイドを見てください。
ここにも書いてい
 ます。
 注1)NEW PIC-NIC または USB-FSIO でアンテナコントロールすると、途中で止まったり、CALSAT32
  の指示とアンテナの方向が一致しなくなることが度々有ります。
  その時は "あわてず "①コントローラーの電源を切る。②LANまたはUSBケーブルを抜きさしする。③CALSA
  T32を閉じて再立ち上げする。④コントローラーの電源をONする。

 注2)ローテータの回転スピードが速いとNEW PIC-NIC または USB-FSIOでコントロールした時にコント
  ローラーの指示(アンテナも)が安定しない場合があります。(指示値を通り過ぎたり戻ったりを繰り返す)

  
この時は、アンテナをコントローラーの手動のスイッチで指示方向に合わせてからNEW PIC-NIC または US
   B-FSIOで自動コントロールするようにしてください。

 以上の他にもいろいろと有りますが、プロの完成品を使うわけでは無いので、これを一つ一つ解決しながら進めるのが
 アマチュア無線の大きな楽しみです。
hihi

 アンテナの例(当局の例、2010/4現在)2015/7現在では変更しています。

145/435MHzアンテナ例
高さ4m、仰角30°固定、

仰角固定なので低ゲインのアンテナを横に配置して上下はブロードに
してゲインアップしています。
 
HB9CVスタック(HBMスタック)
2ele垂直×2(145MHz)
3ele水平×2(435MHz)

145/435MHzのアンテナが接近しているので、回り込みが有りま
す。



2015/8 現在使用中

145MHz 8エレクロス八木。
435MHz 15エレクロス八木。
 
アンテナ直下にプリアンプ。
仰角ローテータはG-550。
デュープレクサで同軸ケーブルを1本にして室内の無線機へ。
無線機直前でデュープレクサで145MHz/435MHzを分離して接続している。
エレメント間隔は約2m、地上高10m。

衛星通信では十分すぎるぐらいのアンテナ。
(出力2W(SSB)でも十分にダウンリンクします)


 手動操作で衛星通信するには。アンテナや2台の無線機を手動操作する場合。
 1)アンテナ:145MHz帯用は3又は5eleシングル、435MHz帯用は68eleシングル。
 2)無線機:145MHzオールモード機、435MHzオールモード機 各1台
 
3)145MHzデュープレクサー/435MHzデュープレクサー(フィルターの代用)
 4)145MHz用アンテナ直下プリアンプ/435MHzアンテナ直下プリアンプ基本波の回り込み対策にもなります。
 
5)同軸ケーブル:145MHz5D-FB以上×10m以下、435MHz8D-FB以上×10m以下
 
6)ローテーター(水平方向)
 仰角ローテーターが無い場合はアンテナを仰角30°に固定する。
 
7)パソコン(WinXP/Vista/7)
 
8)CALSAT32ソフト(JR1HUOのホームページからダウンロード)
 
9)ヘッドフォン(絶対に必要です)   
 10)
出力は10W20W50W
 
 ・
構成図


 CALSAT32を見ながら、ヘッドフォンを付けて、
1)アンテナ方向、2)送信周波数、3)受信周波数、4)PTTを操作します。
(ヘッドセットを使って、VOXにしてPTTは送信状態にしたままでもかまいません) 

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9.QSO(運用)はどうやるの?
回答9:5~15分程度の時間に出来るだけ多くのQSOをすることを基本にしていますので、QSOは必要最小限度の内容に
 します。コンテストに近いやりかたです。

 SSBの場合は、受信には必ずヘッドフォンを使ってください。(自分のダウンリンクでハウリングする)
 以下の例は1つの方法を示すもので、これでなくてはならないと言うものではありません。
 混信の無い日曜日か夜間(20時以降)に行います。
 FO-29/SSBで行います。出力は50Wまたは20Wにします。
 
   SSBでループテストする。CALSAT32+SSBの場合)SSB経験の無い人は難しいかも。
  SSBの場合は、アンテナだけをCALSAT32で制御します。
 周波数もCALSAT32でコントロールできますが、最初は使わない方が簡単だと思います。
 各設定(送信はLSB/受信はUSB等)を確認し、アンテナがサテライト方向を追尾して変化をしている事を確認します。
 ME l が40°~60°ぐらいのサテライトを狙います。
 送信周波数と受信周波数が逆になるので慣れないと難しいので、その差が少ないME I 付近で行います。
 FO-29の場合は、中心周波数がアップリング145..950MHz/ダウンリング435.850MHzです。
 まず、ビーコンを受信します。435.795MHz+9~5kHzを受信して確認します。
 次にサテライトがME I 付近に来たら受信周波数の中心付近(435.850MHz/USB)より少し高い435.853MHz/USBを受
 信しCWやSSBで誰も出ていない事を確認します。
 送信周波数を送信周波数の中心付近(145.950MHz/LSB)にして「テスト+自局コール」の電波を出しながら、送信周波
 数を±5kHzぐらい可変して受信周波数は固定して自分の声が聞こえるところを探します。
 出力20Wではアンテナにもよりますが、かなり弱いので注意深く受信します。
 (送信周波数を可変して)
一端 自分の送信(声)が聞こえたら、送信周波数は固定して、受信周波数を受信ダイヤルまた
 はリットを可変して自分の声を追いかけます。
  もし最初から送信周波数を固定して受信周波数を可変して自分の信号を確認する方法を行うと、最初はその送信周波数のダ
 ウンリングが受信出来ていないので、受信周波数で誰かが出ている可能性が有ります。
 
これで自分の声が聞こえれば、サテライト経由でループテストは成功したことになります。
 宇宙からの自分の声を聴いた感じはどうですか?。 
 第3のドキドキ?。
 SSBの方が宇宙からの声に聞こえると思います?。

 
これをループテストと言います。
    SSBでQSOする。CALSAT32+SSBの場合)
 QSOイメージは、下図の通りです。
 


               
 ① ② ③ の順でQSOします。C局が自局だとします。
 A局とB局のQSOが終わったのを確認して、C局①をアップリンクします。
 サテライトからA局に①がダウンリンクします。
 A局は②をアップリンクします。
 C局に②がダウンリンクします。
 C局は③をアップリンクします。
 A局に③がダウンリンクします。これでQSO完了です。
 これは、最小限度のQSOで、これ以外にQTH、QRA、その他の会話をしても、もちろんかまいません。
 最初にAとB局のどちらを呼ぶかは決まっていません。HF帯のようにチャンネルを持っている側(最初にCQ
 を出した局)を呼ぶ習慣は有りません。(それを確認している時間が無い)

 基本的には、送信固定でQSOします。(アップリンク周波数固定)
 「この送信固定は」40年ぐらい前に衛星通信を始めたころからの慣習と言うよりJAMSATの研修会等で教育されたので
 すが、最近は、パソコンでドップラーが補正できるので「受信固定」が多いかも知れません。

 相手を呼ぶ場合:「相手コールサイン1回+自局コールサイン2回+59」(1stQSOの時は自局コールサインは2回)
 SSBの場合は「相手コール」を言いながら送信周波数を可変して、相手の声(受信周波数)に被せて呼びます。
 正確に合わせなくても相手が合わせてくれます。(受信側で合わせる)

 「相手コール1回+自局コール1回(フォネティクを使って)+59」を送る。

 相手が自局の信号を確認したと思ったら、お互いに送信周波数は固定にしたままにします。
 
特にQSOに入ったら絶対に送信周波数は可変しないでください。ただしCALSAT32で受信固定に設定した場合は自動的
 に送信周波数が変化して受信周波数は変化しません。
 
応答する場合
 (相手局):「了解+相手コール1回+自局コール1回(フォネティクを使って)+59」
  (自局):「了解しました」「73」
 SSBの場合は、相手局とドップラー現象が同じでは無い場合が有るので、最初にお互いに同じ受信周波数でもQSO中に
 だんだんずれる場合が有り、常に相手の声が明瞭に聞こえるように受信周波数を合わせます。自局の声は周波数がずれて
 聞こえなくなることも有ります。
 従って、少し長く(5秒も)送信して、相手が送信を始めると受信周波数が大きくずれてしまっている場合が有ります。
 このとは、受信ダイヤルまたはリットで追いかけます。2~3秒の繰り返しが良いと思います。
 同時通話の電話の要領です。2~3秒の繰り返し数は多くなっても良いのではないかと思います。

 SSBでCQを出す場合も送信固定で、自局のダウンを聞きながら「CQサテライト+自局コール×2回(フォネティクを使
 って
)」+2~3秒送信停止(受信はしたまま)、を繰り返すと良いと思います。
 自局のコールが1回だと相手がSSBに合わせ込む時間が足りないと思います。
 呼ぶ場合は、そのCQ停止の2~3秒の間か、CQに被せて呼びます。
 呼ばれた場合は、相手コールは1回しか言わない場合があるので、素早く聞き取る訓練は必要です。
 聞き取れない場合は、何度でもQRZを出してください。
 呼ばれる場合は、1kHz位ずれて呼ばれる事も有ります。カサカサとサイドが聞こえたら自局を呼んできた可能性が有りま
 すので、QRZを出して再び呼んでもらって、素早く受信ダイヤルまたはリットを合わせてください。
 
③ SSB/CWで注意してほしいこと。
 
CQだけを何回も連続で出して、自局コールをなかなか言わない局が時々いますがサテライトがいなくなってしまいま
 す hi。厳禁です。(7MHzとは違います)

 ・SSB
は受信中心周波数から上側で、CWは受信中心周波数より下側で出すようにすると、お互いに混信することが少な
 くなると思います。CWとSSBの区分は、はっきりした決まりは無い)
 ・SSB/CWはアップリングが強すぎる場合が有ります。特にCWが強すぎるとキーの断続に合わせてサテライトのAGCが
 働いて周波数が離れていてもSSBが強弱に変化して聞きにくくなったり音声が断続して了解できなくなります。強すぎる
 のは厳禁です。
 ・SSBも含めて強すぎないようにしましょう。FMに比べれば長っ話が出来ると思います。
 
自局の受信の強さは、送信出力を調節してビーコンと同じかそれ以下の強さが基本と言われてきましたが、それより強くな
 っているのが現状です。(地上間FM違法局の混信等も有るので)
 全てのアマチュア無線に共通ですが、送信能力より受信能力を向上させましょう。

 なお、CWなどは超々スピード(150文字/分ぐらい?)QSOしているのを聴きますが、SSBにしても何回もQSOしてい
 る局の場合は声や音調を聴いただけで誰だか解るようになっています。
 オーバーシー局(外国局)は、BY(中国),HL(韓国),9M(マレーシア),UA(ロシア),その他,等の局が出ています。
 また、AO-7ではVK(オーストラリア)ともQSOできることが有ります。
 ここまで出来れば、後は局数をこなして慣れるだけです。
                                        先頭に戻る

10.QSLカードの書き方は?
回答10.サテライト名を書きます。周波数の書き方が少し違います。
 ①書き方
     
 
1)使用したサテライト名を書く(上記例  Via VO-52)
 2)周波数欄は アップリング(送信周波数)/ダウンリング(受信周波数) と書く

 3)周波数表記は、144 は 145、430 は 435又は436と書きます。
 その他は一般のQSLカードと同じです。アンテナは出来るだけ書くようにしましょう。
 QSLカードの発行について:全てのサテライトQSOにカードを発行している人も居ますが、その必要はないと思います。
 1stQSOだけで十分です。ただしサテライト名やモードが違ったり、時間が長く経過した場合は出しましょう。
 
②サテライト専用アワードについて(国内)
 サテライト専用のアワードが有ります。(外国で発行しているアワードは除く)
 1)「JAMSAT 五衛星交信賞」
 発行元:JAMSAT(日本アマチュア衛星通信協会)
 主な要件:5個の衛星を使用して、それぞれ5局、異なる合計25局との交信を行う。
 QSLカードが必要。詳細はJAMSATのホームページ:http://www.jamsat.or.jp/
         


大きさはA4版






 2)「ふじ」アワード
 発行元:JARL(日本アマチュア無線連盟)
 主な要件:FO-12/20/29 衛星を使って異なる10局と交信しQSLカードを得る。
 詳細はJARLのホームページ: http://www.jarl.or.jp/
         



 大きさはB4版





 以上で説明は
おわり です。あなたも 第3のドキドキ を体験しませんか?  
                                         先頭に戻る

11.参考資料 等(参考になるホームページ等)
次の資料を参考にしました。また、一部を使わせて頂きました。
書籍:アマチュアの衛星通信、日本AMSAT1974年発行(時々amazonで中古本有り)
書籍 : 君にもできる 衛星通信、飯島進著 1989年発行(時々amazonで中古本有り)

CALSAT32:JR1HUO のホームページ:http://homepage1.nifty.com/aida/
(社)日本アマチュア無線連盟、各資料、ホームページ:
http://www.jarl.or.jp/
JAMSAT(日本アマチュア衛星通信協会)のホームページ :http://www.jamsat.or.jp/
AMSAT(アマチュア衛星通信協会、アメリカ)のホームページ : http://www.amsat.org/amsat-new/index.php
JAXSA(宇宙航空研究開発機構)のホームページ:http://www.jaxa.jp/ 
アマチュア衛星通信初心者のためのWikihttp://wiki.livedoor.jp/amateursatellites/d/FrontPage
ドイツのマイクさんのホームページ http://www.dk3wn.info/p/?page_id=29535
「アマチュア衛星通信」(2014/3/16 JARL栃木県支部 ハムの集い、講演資料)
JA1CPAのホームページ:http://www.ne.jp/asahi/ja1cpa/ja1cpa/index.html(このサイト)

12.お願い
この文章はサテライトを出来るだけ身近に感じて興味を持って頂ければと思って書きました。
サテライトは、生もの?です。日々変化していますので、ここに掲載した文章通りで無い場合があります。
内容に思い違いや間違いが有るかも知れません。その時はご連絡頂けると助かります。
また、質問等が有りましたら出来る範囲でお答えしたいと思います。
連絡は
、ja1cpa(アットマーク)jamsat.or.jp 又は ja1cpa(アットマーク)jarl.com でお願い致します。
なお、実施については全て自己責任でお願い致します。
                                     先頭に戻る

13.サテライトをやっていて感じること
その1
当局がサテライト(当時はオスカーと言っていた)で初めてQSOしたのは、1976/7/8、AO-7 でJH4の局とでした。
その後10年間ほどQRVしましたが、それから20年ほど中断してました。そして 2008/1 に再びサテライトを始めまし
た。(HFのコンディションが悪いこともあります!)
中断前までは、高度1,000~1,500km(円軌道)~35,000km(楕円軌道)のサテライトが多く、信号も弱く受信に苦労
しました。
再開してみると、500~600kmの比較的低軌道のサテライトが大部分になってました。
そのためも有って、簡単なアンテナて比較的簡単にQSOできるようになりました。
また、その間に受信機の性能も格段に進歩しているように思います。
たとえば、当局が最初にQSOしたサテライトは AO-7 ですが、Aモードの29MHzのダウン信号を受信するのに大変苦労
した記憶が有ります。
2eleHB9CV にプリアンプを2段付けて、やっと受信できたと思います。ノイズレベルより信号が高かった記憶は有りませ
ん。ノイズレベルを超えてSメーターは振れてこなかったと記憶してます。
今回、再開して驚いたのは 3eleトライバンダーでプリアンプ無しで AO-7の29MHzを受信してますが、強いときはS3
(ノイズレベルS1)を振って来ます。(受信機の進歩 !)



1985年頃のアンテナ
オスカーハンター(WHS-32N)
(145(12eleクロス)/435MHz(20eleクロス))
モービルハム誌のモニターで貰ったもの

自作BH9CV(29MHz)
水平・仰角 ローテーター付き(15mH)





AO-7は、あれから約40年以上経過しているので出力が弱くなっていることは有っても強くなっている事はないと思いま
す。
従って受信機が格段に進歩したものと実感しています。
  




当時のバイブル?。「アマチュアの衛星通信」日本AMSAT編1974年発行
amazonで中古本を追加購入しました。





その2

衛星周波数に出て来る衛星通信目的以外の通信による混信については、いわゆるトラッカーと称する違法局として対策する
必要が有ります。
特に衛星の周波数で日曜日以外の5時~16時はほとんど違法局と思われる局に100%使われています。
我々が出来る対策は80条報告を出すことです。当局は2006年ごろから80条報告を出しています。通算で200通以上です。
これは実際にサテライト通信を行うときに強力な混信を受けたものの一部です。
また、監査指導委員としてガイダンス局の運用等でガイダンスを流していますが、なかなか効果が有りません。
そんな中で、2009/7月に「総務省・電波適正利用推進員協議会」から「アマチュア無線運用ワンポイントアドバイス」の
表題でパンフレットが発行されていました。
概要は、144MHzと430MHz帯に特化した「周波数の使用区別」(区分図)が書かれたものです。
この中で、「通常FM変調等で通信が可能な周波数」として「広帯域の電話・電信・画像」の欄に「
(FM変調等)」が追加
されていました。(B4 二つ折り)
  
    
表紙部分              見開きの内部
何年か前から、4級の講習会では、「アマチュアバンドの使用区分図」が配布されています。しかしその講習会で説明する
かどうかは講師に任されています。(配布について講師に説明は無い)
また、説明しても「広帯域・・・」と「全電波型式」だけが FM で出られるところ。と説明してもなじみのない用語なので
全く理解してもらえす、記憶もして貰えませんでした。
そのような意味では、上記のパンフレットは「FM」と云う文字は知って貰う効果は有るのではないかと思います。
このパンフレットを講習会はもとより、再免許の時に免許状に同封することで周知できると思います。
当局も今までの提案の中でFM併記を訴えていました。提案したからだとは思いませんが、違法局問題はあきらめることなく
建設的な提案を出し続けたいと思っています。
現在の当局の考えは、ここに書いてます(80条報告関連)
当局は、長年 養成課程講習会(受講生1000名ぐらい)の講師をしていましたが、マッチポンプ状態(講習生の90%はト
ラッカー)なのと、体力の限界(講習によっては6時間連続講義も!、また受講生の我まま等)で数年前に引退しました。

その3

素朴な疑問として、
サテライトの費用は誰が負担しているの?。(時々聞かれます)
人工衛星ともなれば、100万や200万
エンではないでしょう?。オク単位のお金がかかるのでは?。
当局も詳しくは知りませんが、日本から上げたFO-12(停止中)やFO-29は人工衛星本体はJARLが負担してメーカーで作
ってもらったと記憶していますが、トランスポンダはアマチュアが作ったと聞いています。
FO-12の前のAO-8(1978年)はアメリカで作られましたが、トランスポンダの通信ユニットの一部は日本(JAMSAT)でア
マチュア(と言っても素人ではありません)が作って提供したと聞いています。
この時に聞いた話ですが、プリント基板の銅箔を金メッキしてアメリカに持っていったら、「剥がしなさい」と言われたよ
うです。銅箔が一番安定しているとの理由です。
また、フィルターなども提供したと記憶しています。外国では衛星本体も含めて全てアマチュアが作っている場合が多いよ
うです。
打ち上げは試験ロケットに
無料で搭載して貰っています。(最近は有料でも上げているようです?)
従って、試験ロケットなので打ち上げの保証や保険は有りません。失敗したら
ゴメンだけです。
日本の大学で上げている衛星は、JAXAが気象衛星等を上げるときに副衛星として無料で上げています。
またJAXA関連では、衛星設計コンテストも行われています。上位入賞すれば無料で上げてもらえるようです。
人工衛星は
「最も高価な消耗品」と言われていますし、その効果を継続するには、「高価な消耗品」を上げ続けるしかない
のですね。この「高価な消耗品」をもっともっと使いましょう。

その4 2016/6/9
当局の主な現有設備(衛星通信用)
2013/9~2016/4まで
・アンテナ(地上高8m)
435MHz 15eleクロス八木(同軸ケーブル1/4λ位相)Nコネクター
145MHz  8eleクロス八木(同軸ケーブル1/4λ位相)Mコネクター
・受信機
FT-847又はIC-9100
・プリアンプ
435MHz アンテンGRA-720
145MHz アンテンGRA-2020 
・同軸ケーブル
12D-FSA+10D-FB 20m Nコネクター
・デュープレクサ CF-416 2個 
・その他 ローテータ 八重洲G-1000DXA, G-500 CALSAT32 USB-FSIOキット+リレー等

2016/6~
・アンテナ(地上高3.5m)
435MHz 6eleクロス八木×2(エレメント位相式)Nコネクター
145MHz 6eleクロス八木(エレメント位相式)Mコネクター
・受信機
IC-9100
・プリアンプ
435MHz アンテンGRA-720
145MHz アンテンGRA-2020 
・同軸ケーブル
12D-FSA+10D-FB(中古) 20m Nコネクター
・デュープレクサ CF-416 2個 
・その他 ローテータ 八重洲G-450A, G-500 CALSAT32 USB-FSIOキット+リレー等
地上高が自宅の屋根(7m)と同じ高さが欲しいが、アンテナゲインとしては十分にSSB運用できます。
当初、プリアンプを川越無線の007(10dB)/010(15dB)にしたが、435/145MHzのかぶりが少し有りました。
プリアンプをアンテンのGRA720/2020にしたらかぶりは完全に除去されました。


 おわり