26. 437.0MHz 8ele エレメント位相式クロス(PSX)八木アンテナの例        2014/12/9
                                        目次に戻る  de JA1CPA/中村
作る場合は、下記↓を参考にしてください。
 
435MHz 14エレ・エレメント位相式クロスアンテナの製作例(ロングブーム)

 
以下に掲載したアンテナは再現できるか不明です。
このアンテナは、クロスするラジエーターの水平と垂直エレメントの長さを変えて、水平エレメントを共振周波数より
長くして誘導性にし、垂直エレメントを共振周波数より短くして容量性にして、90°近い位相を作り、誘導性と容量性
をほぼ同じにして目的の周波数で共振させで円偏波にし、クロスする部分のインピーダンスを50Ωにするアンテナ
です。
この事によって、マッチングケーブル、位相のためのケーブル等を無くし、円偏波(実際には楕円偏波)アンテナに
50Ω同軸ケーブルを直接接続できる欲張ったアンテナです。

1.シミュレーション結果(MMANAによる)











4列スタック
2列×2段スタック
2列
スタック
1本
1本

                       
 同じ4本使っても2列2段よりも4列の方がゲインが有る
                   自由空間では1.24dBの差がある。(4列のゲインが高い)

 

                                           
 
     ↑↑ ほぼ完全な円偏波 軸比 1dB(EL80°) 

2.各部寸法

        ↑↑クロス中心部分間隙を4mmにした。同軸ケーブル長(5D-FB長は435MHz1/2λ整数倍)

                                    

       ↑ ブームの角から同軸ケーブルを出す

                        ラジエーターは、φ2真ちゅう又は銅棒を149+173=322mmを90°に曲げる


                             ↑アクリルラッカースプレー吹きつけ    ↑ KE-45Wを充填

φ4エレメントは全てφ6スペーサー
(廣杉計器(株) C-420-6)でブームから
絶縁する。

エレメント、スペーサー、ブームは接着
剤で固定する。



       ↑↑ ブームの角から同軸ケーブルを出す  

3.測定データ

           ↑↑  シミュレーションとほぼ同じ傾向  ↑↑                  ↑↑ 最良ポイント

                           ↑↑ 計算中心周波数
4.調 整
1.同軸ケーブルは、(300/435MHz)/2×5=1.7241m×0.777=1.340mとした。
  (宮崎電線の5D-FBは短縮率 = 0.777/435MHz。四国電線の5D-FBは短縮率 = 0.78538/435MHz、かなり違う
   ので実測すること!)
  同軸ケーブルの長さを L とした。
(コネクター先端から編組先端まで)




 
         
↑↑ 1/2λ整数倍                    ↑↑ 1/4λ奇数倍        
                 
↑↑ 何れも同軸ケーブル先端はオープン ↑↑ 
 
2.短エレメント(Rah=149mm)は、中心の同軸ケーブル芯線と編組の長さの分が長くなるので1mmずつ短くして
  SWRが最低になるようにする。(今回は約1mmずつ短くして上記のデータとなった!もう1mm切ってもいいかな)

3.全ての寸法をシミュレーション寸法に正確にするほど、測定値はシミュレーション値になると思われる。
  今回は、全ての寸法出しを600mmのノギスで行ったので±0.2mmは確保出来た模様。

5.製作のポイントは?・・・
1.如何にシミュレーション値に近い寸法に作るか!。
2.同軸ケーブルを1/2λ整数倍の長さにする。
3.同軸ケーブル芯線と編組の長さを意識して、その分のエレメント長を短くする。
4.シミュレーションでは円偏波の軸比が1dBとなった。多エレメントにするほど軸比が悪くなる傾向が有るので8エレ
 程度を2スタック、又は4スタックにしてゲインをアップすることがベストかも!。


(注意)2014/12/17
クロス八木を支えるマストの影響を調べました。(15エレメントクロス八木をMMANAでシミュレーション検証した)
ブームの中間付近にブームを支えるマストが無い場合は、R51.6-jX0.4、SWR1.02でしたが、φ30の金属にしてエレ
メント中心(ブーム中心)までにすると、R62.2+jX0.45、SWR1.24と悪くなります。(φ30パイプ無しで計算しているので)
φ30の金属をエレメント中心(ブーム中心)から300mm(約1/2λ)離すと、R51.82-jX0.62、SWR1.04となり、ほとんど
影響しなくなります。 
従って430MHz帯のクロス八木は、ブーム中心から金属パイプ等を1/2λ以上離す必要が有ります。
通常の八木アンテナは、マストをエレメントと90°にすれば全く影響しません。垂直偏波で垂直マストにすると影響し
ます。

上記の8エレメントクロス八木の場合は、リフレクターの後をブームに取り付けるので、リフレクターから100mm以上
離せば影響はほとんど有りません。50mmだと少し影響する。(アンテナはマストにクロス(45°)させる。


 おわり                  目次に戻る