04. 少し本格的な衛星通信用アンテナ 目次に戻る 2013/9/11 de JA1CPA/中村
2013/9/22
436.5MHz 15エレクロス八木/145.9MHz 8エレクロス八木アンテナ 2分配器 記事は随時追加します。
(430MHz 15エレメントクロス八木 & 144MHz 8エレメントクロス八木/2分配器) ~2014/9/22現在も使用中(1周年?)
基本は、JAMSATのホームページに出ている「500円アンテナ」の11エレメントを15エレメントに新規設計製作したものです。
(注意)
クロス八木を支えるスタックブームの影響を調べました。
ブームの中間付近にブームを支えるスタックブームが無い場合は、
R51.6-jX0.4、SWR1.02でしたが、φ30の金属にしてエレメント中
心(ブーム中心)までにすると、R62.2+jX0.45、SWR1.24と悪くなり
ます。(シミュレーションはφ30パイプ無しで計算しているので)
φ30の金属をエレメント中心(ブーム中心)から300mm(約1/2λ)
離すと、R51.82-jX0.62、SWR1.04となり、ほとんど影響しなくなりま
す。
従って430MHz帯のクロス八木は、ブーム中心から金属パイプ等を
1/2λ以上離す必要が有ります。
通常の八木アンテナは、マストをエレメントと90°にすれば全く影響
しません。垂直偏波で垂直マストにすると影響します。
←左写真の右側の435MHzクロス八木は、スタックブームをブーム
から約500mmを塩ビパイプ(H I)にしています。2014/12/17
145MHzアンテナはブームに直接、金属のスタックブームを使っても
影響ありません。
☆☆ 436.5MHz 15エレメントクロス八木のシミュレーションと工作(シミュレーターは MMANA) データー等をリニューアルした。2015/8/14
↑ ラジエーターはシミュレーションをダイポールで行い、実装はセミフォー
ルデットにするので、17.928Ω×3倍=53.78Ωとなる。
注)MMANAは非対
称のラジエーターの
計算は「対称に設定
して線径を0にする」
となっているが正しい
結果が得られないの
で、ダイポールで計
算して3倍する。
クロスアンテナにするために、90°方向にエレメントを付ける。(直交する2本のエレメント等は同じもの)
廣杉計器(株)はここです。
↑ラジエーターはセミフォールデットダイポール(計算値332mmの1.5倍長+2) 組み立ててから周波数調整すること。
ラジエーターは計算値より2mm長くしているので、共振点又はSWR最低点は436.5MHzより低くなるばず。短くして周波数を436.5MHzに合わせる。
↑・左から2分配器、リフレクター、ラジエーター、ディレクターD1
2分配器はここに詳細を。 ・同軸ケーブルは上が1λ長、下が3/4λ長(左、右旋円偏波どちらでも良い)
・ブームとエレメントは、ジュラコン樹脂(φ6×φ3.2×30mm、C-325、廣杉計器)
で絶縁する
・共振周波数はラジエーター長で、インピーダンスはD1を曲げて調整する
・ラジエーターと同軸ケーブルのハンダ付け部分はアクリルラッカースプレー
(透明クリヤー)で防水、絶縁処理する。(効果抜群、アンテナの分解容易)
さらにRTVゴム(KE45W)で補強した。
↓測定は、AA-1000 を使用した。
↑ エレメントA ↑ エレメントB(やや低い) ↑ 2分配器を通した総合特性
436MHz 15エレメントクロス
・コメント
①15エレメントになると正しい共振点以外に周波数の高いところにも共振点(勝手に2次共振、ユウレイと言っている)が出てインピーダンスが
激しく上下する。
本物の共振周波数を的確に捉えて調整する必要が有る。
シミュレーションでは一番低い周波数で-jXから+jXに右上がりで0点通過する周波数が本物の共振周波数である。
共振周波数はラジエーター長を可変して行い、インピーダンス(SWR)はディレクターD1を曲げて、先端をディレクターに近づけたり遠ざけたりし
て調整するが、相互に関係するので何回も丹念に調整する必要が有る。
共振周波数とインピーダンス(50Ω)の組み合わせは、多くあるので如何に希望の周波数でD1の曲げが少なくて良い点を探すこと。
D1を曲げるとインピーダンスは25~80Ωぐらい変化する。(共振周波数も変化する)
なお、ラジエーター及びディレクターD1は少し曲がってもインピーダンスが変化するので、エレメントは真ちゅう等の硬い材質が良い。
②製作誤差は、エレメント長は±0.1mm、エレメント間隔は±0.3mm程度にした。
③エレメントは、ラジエーターはφ3真ちゅうパイプ(内径φ2)、その他は、φ3アルミ棒(A5052B)
④SWR測定には、アンテナ周囲は半径1λ以上、フロントは10λ以上空間が必要。(ゲインの高いアンテナほどフロント空間が必要)
・設置について
①マストがラジエーターに近いので金属だと性能に影響する。
従って、40cmほど塩ビパイプにすると影響しない。
②クロスマウントの影響は少ないが、塩ビのTを使う。
↓H I 塩ビT を加工した
H I 塩ビ管は衝撃に強いとのことなので
強度も有るのかな?。ただし耐紫外線はVP管と同じようなので、ビニールテープを巻いて保護するが、効果のほどは不明。
右から、2分配器、リフレクター、ラジエーター、ディレクターD1、D2、
コネクター接続部は、融着テープで処理してからアクリルラッカースプレー(透明クリヤー)
を吹き付けておくと安心。2分配器はここに詳細を。
H I塩ビTとH I塩ビパイプで40cm以上横に出してマスト(金属)から離す。
☆☆ 145MHz 8エレメントクロス八木のシミュレーションと工作 (シミュレーターは MMPC を使用した)
↑ラジエーターはダイポールで計算した ↑ラジエーター以外のエレメントはφ3アルミ棒
↑ブームは20角×2m+15角×1mアルミバイブ
↑ラジエーターはセミフォールデットダイポール(右旋円偏波)
直角になっている2本のラジエーターは接触していない(ブーム方向に約6mmずれている)
↑ 巻き付けてハンダ付けする。
↑ブームとエレメントは、ジュラコン樹脂、スペーサー(φ6×φ3.2×30mm、C-325、廣杉計器)で絶縁する
エレメント中心をφ3タッピングねじで固定する。そのあとでエレメント、スペーサー、ブームを接着剤で固定する。
仮設で調整した。
・コメント
①アンテナ周囲は、半径1λ以上、フロントは3λ以上空間が必要。
②上記の寸法通りでディレクターD1を少し曲げてSWRを
調整した。(2013/9/12)
③エレメントは、ラジエーターはφ3真ちゅうパイプ(内径φ2)、
その他は、φ3アルミ棒(A5052B)、純アルミは曲がってしまう。
すべて、φ3真ちゅう棒でも良い。(少し重くなる)
④ラジエーターに同軸ケーブルの芯線、編組共に巻き付けて
半田付けする。エレメントが風で振動して剥がれやすい。
⑤左写真:2分配器に接続された上側の同軸ケーブルが2λ長、
下側の同軸ケーブルが2λ+1/4λ長。
(1λと1λ+1/4λでも良かったかも、チョット長すぎか)
←2分配器
↓測定は、AA-1000 を使用した。
↑145MHz 8エレメントシングルA ↑145MHz 8エレメントシングルB ↑2分配器を通した総合特性
145MHz 8エレメントクロス
☆☆ 設置工事 2013/9/23
設置する前に15エレメントクロス八木の軸比を測定しました。2013/9/20
2階に15エレメントクロス八木をやや下向きに設置し送信した。
地上で6ele八木で受けて回転させて最大値、最小値をチェックし、最大値を最小値になるようにアッテネーターを入れた。
測定結果:軸比 3.2dB
3dB以内を円偏波と言ってます。同軸ケーブルで正確に1/4λにしたのですが、3dB以内にするのは結構難しいようです。
2013/9/21 AM8~10:HF(3ele)/50(2ele)を下ろす。仰角ローテーター設置。 エレメントが細い(φ3)ので写真写りが悪い!
2013/9/22 AM7~8:準備。AM8~11:30:145MHz8ele/435MHz15ele、その他設置。
8エレと15エレの間隔は、2.4m。15エレ側はVP25×40cm(金属では特性に影響するので、VP管にしたが強度が弱い)
デュープレクサーを2つ通しています。
SWRは、デュープレクサー1つ通ると0.1
~0.2ぐらい悪化します。
SWRは無線機入り口で、
145.9MHz/SWR:2.2
435MHz/SWR:1.5
145.9MHzがチョット悪くなっています。
設置するときにエレメントが何度も引っか
かって曲がって修正したのですが!
10%ぐらいロスすることになりますが、
アンテナゲインが有るのでしばらくこのまま使います。 重量は、測っていませんが1本が 2~3kgではと思います。
FO-29,VO-52でループテストしました。2Wでも十分ですが、当面は10Wぐらいで運用します。(50Wでは完全にオーバーパワーです!)
なお、回り込みは、50Wでもまったく有りません。 SO-50/VO-52/FO-29/AO-7等の現在の衛星は、まったく問題無くQSO出来ます。
最近のAO-85(FM)、XW-2(SSB)でも十分に使えます。2015/11/6
このアンテナを使ったシステム全体は、ここに掲載しています。
☆☆ 2分配器を使った理由(Qマッチによる)
通常は、左写真上図のように50Ω同軸ケーブルと
75同軸ケーブルのQマッチは直接ハンダ付けする
場合が多く、アンテナ調整とQマッチ調整が一緒に
なって調整に苦心する。
今回は、電気的には同じだが、Qマッチを2分配器
としてコネクターで分離して、アンテナとQマッチを
個別に調整できるようにした。
Qマッチに50Ωダミーを繫いでSWRを確認する。
アンテナを個別に50Ωに調整する。
後は繫ぐだけ。
☆☆ 2分配器の工作
435MHzはN-Rコネクター
145MHzはM-Rコネクター
(145MHzはM型でもOK)
注1)切り口で芯線と編組がショート
しないようにする。
注2)絶縁防水は、アクリルラッカー
スプレー及びRTVゴム(KE45W)を
使った。
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おわり