C JAMSATホームページ掲載アンテナ(500円アンテナ)の検証と改良 2012/12/10  de JA1CPA/中村
   以前掲載していたページがリンク外れで無くなったので再掲示しました               目次に戻る

  このアンテナは、JAMSATホームページ記載のアンテナを、MMANA、及びMMPC を使って検証しています。
  アンテナ・アナライザーはAA-1000 を使っています。 


 下に 「437MHzエレメント位相式6エレメントクロス八木」を作りました。2013/06/08
 
下に改良、その1 2013/6/12  
  下に
改良、その2 2013/6/13
  下に 
 写真追加 2013/6/14
  下に 「435MHzエレメント位相式 6エレメントクロス八木」の軸比(円偏波の程度)測定 2013/06/16
  下に 435MHz エレメント位相式10エレメントセミフォールデットクロス八木  2013/6/19
  下に  435MHz 10エレメントクロス八木(空間位相式?) 2013/7/6
   下に 435MHz 10エレメントクロス八木(空間位相式?)最終調整結果 2013/7/7
   下に↓ エレメント位相式10エレメントクロス八木(50Ω) 2013/7/10
            と思ったら・・・・・・「お化け」が・・・ 2013/7/11


JAMSATホームページに掲載されていて簡単に作れて安定した性能が出るアンテナです。
435MHzについてシミュレーション結果を掲載しました。
シミュレーション・ソフトはMPCQを使いましたが、UHFで使いやすいようにエレメント・スペースの単位を0.001m(1mm)まで
表示されるようにしてもらいました。TNX

MMANAも追加しました。

寸法、作り方はJAMSATホームページのここに掲載されています。              
 原典は、JAMSATホームページのここです。435MHz AMSAT です。

 製作のポイント 2013/02/02
ラジエーターの共振周波数(又はSWR最低周波数)を435.00MHz±1.0MHzにするとSWRも1.2以下になります。
この周波数が435.00MHzから大きくずれているとSWRは低くなりません。
寸法通りに作れば、調整の必要も無いと思います。

 ★MPCQアンテナ・シミュレーションの計算結果  エレメント・スペースはラジエーター基準です。


シミュレーション結果
Freq.=434.65MHz R=18.1Ω jX=0.0Ω Gain=14.65dB/1mH(Gain=8.91dB/free) F/B=25.6dB 
ラジエーターの現物はセミフォールデットダイポールですが、設定が簡単なのでダイポールで計算しています。
セミフォールデットダイポール(詳細はここに)は、インピーダンスがダイポールの3倍(18.1×3=54.3Ω)になり、
50Ω同軸ケーブルが直接 接続できます。

 シミュレーションソフト MMANA による計算結果  2013/02/02

                                        自由空間でGain=8.85dB、11.0dBi、F/B=18.86dB

 ほぼ430.0〜440.0MHzでSWR1.5以下です。
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「437MHzエレメント位相式6エレメントクロス八木」2013/06/08 
このアンテナは、上記のJAMSATホームページ掲載の6エレメント八木(500円で出来る)を
クロス八木にして90°位相を2本のラジエータの長さを変えて実現したものです。

1.シミュレーション(MMANA)




 ラジエーター、リフレクター以外の寸法は、                    SWR特性
 原典(上記、JAMSATホームページ)と同じ。                       

          水平面パターン                      アンテナ正面パターン(楕円偏波)

2.製作


 ブームを木で作ったので、全体の寸法精度が出ない。エレメントもバラバラに向いている。(写真ではまあまあ・・・だが)
 クロス部分の間隔がシミュレーションは1mmとしたが、実際は5mmぐらいになった。(インピーダンスが低くなる)
 437.0MHzで、ほぼ共振しているがインピーダンスが低くなってしまった。
 SWR特性にうねりがある。(ラジエーターの長短の差が大きすぎたか)
 ・対策
 ブームを塩ビ管にして、寸法精度を出す。
 クロス部分の間隔を5mmで再度シミュレーションする。
 ラジエーターの長短の差を小さくして、50Ωに出来るか。(長短差が大きくなるとインピーダンスが高くなる)
 もし、50Ωが実現不可なら、16.7Ωでシミュレーションして、セミフォールデット(16.7×3=50.1Ω)にするか。
 さらにシミュレーションで円偏波にたポイントで、共振やインピーダンスをスタブマッチングさせられるか。
(2013/6/9)



改良、その1 2013/6/12     軸比測定:7.2dB  2013/9/20
改良のポイント
1.ラジエーターとリフレクターの間隔を64mmから120mmにした。 
  理由:JAMSAT原典の64mmでエレメント移相クロスにすると、寸法誤差によりインピーダンスやSWRが大きく変化した
  ので、120mmにする事により小さな変化にした。(これが一番効果的だった模様)
2.クロス部分の間隔をシミュレーションで6mmとした。実際は約4mm。
3.エレメント寸法精度を±0.1mmにした。(Ra±0.1mm、その他寸法±0.5mm)
4.ブームを塩ビ管にして寸法精度を良くした。



考 察
1.430〜440MHzは、SWR1.3以下となり、ほぼシミュレーション通りとなった。調整はしていない。
2.シミュレーション周波数を437MHzにしたが、SWRは周波数の高い方が急激に悪化するので438〜439MHzでシミュ
 レーションして作る方が良い。(雨で濡れると全体が低い方にずれるはず!)
3.円偏波の軸比が約10dBと大きく、かなり楕円偏波になっている。これを3dB以内にして円偏波にしたい。
4.ラジエーターをφ3にしたが曲げるのが大変なのでφ2でシミュレーションして作る方が良い。

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改良、その2 2013/6/13  


シミュレーションでラジエーターをφ2、176/157mmとして440MHzに共振させて、円偏波の軸比が4dBとなりました。
このデーターで作ったのですが、共振周波数は430MHz付近になってしまった。
エレメントを切り、171/150mmにしたら上右写真のような状態になった。
SWR的には良いが、円偏波の軸比は不明。

通常はラジエーターを長くすると共振周波数は低くなり、短くすると共振周波数は高くなるが、このアンテナの場合
は、逆になる場合が有り、少しの長さの変化で共振周波数やインピーダンスが上下する。
ポイントは
ラジエーターの太さ、長さ、その長さの差、クロス部分の間隔、エレメントにハンダ付けする部分の同軸ケーブルの
芯線、編組の長さ(短いほど良い、2〜3mm程度)等によってインピーダンス、共振周波数、円偏波の軸比、等々が
変化する模様。
リフレクター、ディレクターの長さ及びエレメント間隔については、あまり敏感ではなく、誤差は±1mm程度有っても
あまり性能に影響しない。この部分はJAMSATアンテナを引き継いでいる模様。
ラジエーター部分は、VP13継ぎ手を使ったが、チョット、パイプ径
が細くてハンダ付けしにくかった。
リフレクター、ディレクター部分は、この継ぎ手に差し込むだけな
ので再利用できてラジエーター部分のみ交換すれば良い。
このラジエーター部分の作り方のさらなる検討が必要。




 このアンテナのデーターです。
写真追加 2013/06/14


 435MHz±5MHzの帯域内のSWRは1.2以下、 帯域が広いので、雨が降っても使える。


      6ele 水平面パターン                   6ele ビーム正面パターン
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435MHzエレメント位相式6エレメントクロス八木」の軸比測定    2013/6/16
アンテナを手で持って回転させたので、正確では無いが、ほぼシミュレーション通りのパターンでした。

6ele八木と6eleエレメント位相式クロス八木は切り替えて測定した 上記の 0〜−0.3dBはケーブルロス含む

                       シミュレーションパターン 

 6eleエレメント位相式クロス八木の正面パターン         6ele八木の正面パターン 

結論:シミュレーションと測定結果はほぼ一致していました。
6ele八木:ピーク 0dB/90°約−36dB
6eleエレメント位相式クロス八木:ピーク 0dB/90°−3〜−4dB
軸比は3dB以下を円偏波と定義しているようなので、ほぼ円偏波となっている。
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435MHz エレメント位相式10エレメントセミフォールデットクロス八木  2013/6/19
 今回は、" おばけ "に惑わされ、チョット手間取りました。別途公開しますhihi



                      ラジエーター(セミフォールデットダイポール)  

インピーダンスがチョット高めですが、435.0MHz±5MHzのSWRが1.5以下に収まっています。
6エレメントの場合は、シミュレーションで50Ωに出来たので50Ω同軸ケーブルを直接接続できたのですが、
10エレメントの場合は最大でも30Ωぐらいにしか出来ないので、シミュレーションで16.7Ωにしてセミフォール
デットで3倍にして50Ω同軸ケーブルを直接接続しました。
シミュレーション:435.0MHz R16.626 jX-1.042 SWR1.06 G13.6dBi F/B22.62dB 軸比4.5dB
エレメント長:169mm/163mm

円偏波の軸比は、シミュレーションで約4.5dB程度です。(6エレメントと同等)
もう少しインピーダンスを低くしてから、データーを公開します。

エレメント調整しました 2013/6/20  

 435MHz±5MHz:SWR1.5以下↑ ↑アンテナ・アナライザーAA-1000の画面↑   ↑


調整後のエレメント長の実測値は、164.5mm/159.7mm となりました。この数値をシミュレーションすと、
                     
 169.5mm/164.7mm
435.0MHz:R13.002 jX-7.822 SWR1.78 G13.61dBi、 442.6MHz:R13.786 jX-0.035 SWR1.21 G13.51dBi

435.0MHz: R15.264 jX1.317 SWR1.12 G13.60 F/B22.14 軸比7.5dB 共振周波数:433.61MHz

共振周波数442.6MHzのパターン、軸比:4.5dB
                                                 目次に戻る


   435MHz 10エレメントクロス八木(空間位相式?) 2013/7/6
435MHzエレメント位相式10エレメントクロス八木を作っていましたが、シミュレーション値と調整値に大きな違
いが生じて解決できませんでした。
また、調整も微妙で一般的ではありませんでしたので、中止しました。
なお、6エレメントはシミュレーション値と実際が一致して製作も容易でした。
そこで、50Ω同軸ケーブルを直接接続する方法をあきらめて、
JAMSATのホームページにも記述が有る2本
のアンテナを空間的に1/4λ前後に位置をずらせて設置し、50Ω2本のアンテナをQマッチでマッチングする
方法を検討しました。
この方式は、以前に2本スタックにしたアンテナを前後に1/4λずらして、互いに90°にして運用したことが
あります。
この時は、2本のスタック間隔は約1mでしたが、今回は1本のブームで空間的に1/4λを前後にずらした物
です。
とりあえず、空間位相式としておきます。
なお、エレメントは、ラジエーター以外はエレメント位相式と共通(同じ)です。
                                                     


        
Qマッチと給電部拡大
 





 とりあえずJAMSATの10エレメント八木の寸法どおりで、1/4λ(172mm)と90°ずらして作り、5C-FBで
1/4λQマッチを作って5D-FBをつないでアンテナ・アナライザー(AA-1000)で測定しました。
SWRは、かなり低い周波数(423MHz)で最低(1.2)になっています。単独で低いのか、Qマッチの問題か?。
単独での測定をして、それからQマッチをやります。
Qマッチは435MHzの場合は1/4λ×3倍ぐらいでやらないと作成誤差が大きな割合になります。
しかし、長くなるので何とか1/4λでやりたいのですが!。
なおJAMSATホームページには、「大きなものは完全にテストしていません」となっているのが気になります。

クロスしている片方のエレメントを取って、ジングルで測定し調整しました。 2013/7/6

やはの低い周波数で共しています。
ラジエーターの片側の直線部分のエレメントを切って、165mmを156mmとしました。
SWR最低点1.35。インピーダンスも60Ω付近になりました。
このアンテナは、ラジエーターを指定の330mm(165+165+165)にした場合は、6エレメント、8エレメント、
10エレメントがすべてで共振周波数は、427〜429MHz付近になることが分かりました。
従って、前出のエレメント位相式も基本的に同じ状態になるようです。
指定のラジエーター寸法の330mmは、調整する前提で長くしているようです。


元のクロス状態にして、前回のQマッチを付けて測定しました。 2013/7/6

Qマッチの長さ、
110mm        115mm             120mm




                                                目次に戻る


435MHz 10エレメントクロス八木(空間位相式?)              
                             最 終 調 整 結 果  2013/7/7



       各シングルでもう一度再調整(ラジエーターを1〜2mm長くした) ↑
          各シングルを同じに作ったが、同じ特性にはならなかった。



      クロス八木の最終調整状態 ↑ (Qマッチは、115mmを使用した) 
給電は、5D-FB(約2m/435MHz×4λ電気長、測定済み)+NPコネクター
Qマッチは、1/4λ×1は難しく、1/4λ×3が適している感じです。
結果的には、調整後の性能は、エレメント位相式が安定している感じがします。
やはり50Ω同軸ケーブル直接接続が簡単ですが、ラジエーターのクロスする部分のハンダ付けを改善する
必要が有ります。(工作的には簡単ではない)


おまけ    3C-2Vを1/4λ×3(電気長)でやりました。中心周波数を436.5MHzにするとチョット良いかな?


                                                    目次に戻る


エレメント位相式10エレメントクロス八木(50Ω)  2013/7/10
435MHzエレメント位相式10エレメン
トクロス八木で、何とか50Ωにシミュ
レーションしました。
これが出来ると、50Ω同軸ケーブル
を直接つなぐことが出来ます。
ラジエーターはφ2ですが、その他
のエレメントはφ4です。
クロス部分と同軸ケーブルの接続
部分の構造を検討中です

















 「お化け」が出ました〜 hihi      2013/7/11
実は昨日の435MHzエレメント位相式10エレメントクロス八木のデーター(上写真)が違っていました。
シミュレーションをしていると、時々「お化け」にだまされます。今回もその典型でした。
下写真の赤線はリアクタンス(jX)を示しますが右側で上下して0点を2回通過しています。
これは共振周波数が2つ有ることを示しています。
しかし、実在する共振周波数は左側の低い周波数だけです。ここは401MHz(本物)です。右側は435MHz
(お化け)でした。忘れた頃にだまされます。hi
まだ作っていませんが!。 
再検討です。


 広い周波数範囲を見て、共振周波数が2つ以上有る場合は、一番低い共振周波数が本物です!!
                                         (右上がり)
つづく


さらに改良中!


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    おわり