2.オーディオ用パワーアンプ(LM386)で作った連続可変型ローパスフィルター。 2008/12/23
FRプリアンプー1個入れた効果がある?かも de JA1CPA/中村 201112/27再掲
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☆作った目的
通信機用オーディオフィルターは、一般的にスピカーボックスに内臓されて、
ハイカット、ローカットが3段階に変えられるものが市販されています。(左写真)
電源を必要としないのは良いのですが、連続可変では無いのであまり実用的
ではありません。一番メリットが有る所(好み)に出来ない。
特にサテライトのV/UHFの受信ではS/N比が0dB付近の信号を聞く場合が有り
一番明瞭度の上がるところにする必要があります。
このポイントは個人差が有り連続可変型のローパスフィルターが必要になります。
もちろん適度な高音は明瞭度に必要とされていますが、V/UHFの受信の場合は
1000〜1500Hz以上をカットして、中音域の500〜1000Hzの音声を聞く方が明瞭
度が向上します。
そのためにカットオフ周波数を400〜2500Hzまで可変できる連続可変型ローパス
フィルターを作りました。
さらに通常は、フィルターをオペアンプで作って、その出力をパワーアンプに入れるのですが、パワーアンプをオペアンプとして使うことに
よって 1個のIC ( L M 3 8 6 ) で特性を出すこと ができました。
あるOMに言わせると、RFプリアンプ1個分の効果が有ると評価されています。
☆回り込みについて、
このフィルターを作った人から、回り込みが有って困っていると連絡が有りました。
通常のQSOでは、送信と受信が交互なので問題は無いのですが、サテライトの場合は、送信しながら受信しますので、送信音声が、
このフィルターを通して回り込んで聞こえることが有ります。
このフィルターの電源と送信機の電源を別にすると、回り込みが無くなります。
電源が、送信機と同じ場合は別のACアダプター(出来ればトランス式)にすると無くなる場合が有ります。
また、赤外線等のワイヤレスヘッドホンを使う場合は、ベッドホン側のゲインを抑え気味にして受信機側のボリュームを大きくして使うと
軽減されます。
☆回路図
下記の回路図のH・HONESはHEADPHONES
(ヘッドホン)です。
音声の中域をしっかりと出したいので低域だけ
少し減衰させました。
特性図の横目盛りは一番左側が100Hz、
一番右側が10,000Hz、真ん中が1,000Hzです。
縦目盛りは、1目盛りが10dBです。
周波数特性は5Ωの抵抗器負荷です。100Hz付近
までなだらかに低下しています。ヘッドホンは、ほぼ
この特性で聞けるはずです。
周波数特性の赤線はボリューム最大で最もカットオフ
周波数が高い位置。
黒一点鎖線はボリュームが2時の方向の時の特性。
周波数特性の青点線はボリューム最小で最もカット
オフ周波数が低い位置(ここまでやる必要は無いが)。
一般にモービル通信機用として市販されている50Φ〜60Φ程度のスピーカーはfoが300〜450Hzなので、これを使うとfo付近で、ボンボン
した音になって非常に聞きにくい音になってしまいます。(安い通信機用はこれが多い)
口径が8cm以上のスピーカーを使うと良いと思います。
また、サテライトの場合はヘッドホンを使いますが、これも安物は低域が出ず、LPFを使った効果が半減されてしまいます。
従って、音楽用のFBなヘッドホンを使うと良いと思います。
ただし、あまり低音(100Hz以下)が出すぎるのも耳障りになります。
入力はRXのヘッドホン端子から取りますが、RXによっては入力が大きすぎる場合がありますので、適度に分割して入力してください。
一般に通信機用として、300〜3000Hzを再生するスピーカーやヘッドホンが良いと言われてきたと思いますが、通常の音声の明瞭度よりも
ノイズに埋もれた音声を聞き取るためには、むしろ音声の中域(500〜1000Hz)を強調して聞くほうが疲れないと思っています。
なお、この音声は男性の声を対象に考えています。
☆実装図
連続可変型LPFの部品面 連続可変型LPFの半田面 完成品、
連続可変のLPFは非常に効果的です。使った人でないと分かりません。 φ45/φ50塩ビ管継手/キャップに入れた
某OMに言わせるとプリアンプ1個分の能力が有る。と。 通常は3時の位置で使用中
スピーカーは音の良い物を使う
半田面実装図 2008/12/23
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おわり