ミニ授業書<電気と電子> 9ページ
[問題5]では、アルミはくに帯電板を近づけたり遠ざけたりする時に、人とアルミはくの間に置いた蛍光灯が光りました。つまり、人とアルミはくの間でも電子が行き来したわけです。
[問題7]で、アルミはくから帯電板を遠ざけた後で、人とアルミはくに蛍光灯を接触させた時、アルミはくの方は光りしたが、人の指は光りませんでした。
[問題3]のアルミはく(B)と同じように、人でも蛍光灯を光らせることはできないのでしょうか?
アルミはくの下には、発泡スチロールの板があります。実は、人も発泡スチロールの上に乗って[問題7]の実験をすると、蛍光灯を光らせることができます。実験して確かめてみましょう。
アルミはくに帯電板を近づけると、アルミはくのなかの電子は、帯電板から遠ざかろうとします。そこで電子は、蛍光灯を通って人の体に移動します。しかし、人の体に移動してきた電子は、手から胴、足や靴へと移動して、さらに床、壁、土台、地球へと移動していきます。人の体には電子が余分にたまっていないので、蛍光灯は光らなかったのです。
発泡スチロールの板を使って人と床(地球までつながっている)の間を絶縁すると、人の体にも余分の電子をためることができます。
地面(地球)とものとの間を、電子をよく移動させるものでつないで、ものに電子が余分にたまったり不足したりしないようにすることを「アースする」と言います。
日本語では「接地(せっち)」とか「地絡(ちらく)」と言いますが、ふつうは英語の「アース」という言葉を使っています。電子レンジなどの電気器具の説明書には「必ずアースして下さい」と書いてあります。
英語では「earth(アース)」と書きます。もともと「earth」は「地球」という意味の言葉です。電子を地球とやり取りすることも「アース」と言うわけです。
普通のものは、何もしなくても「アース」されているので、電子の出入りがあっても、地球と電子のやり取りをします。その結果、電子が余分にたまったり不足したりしないのです。特に、空気が湿っているときは、人の体も床や壁も電子をよく移動させます。
しかし、空気が乾燥していると「アース」が悪くなります。冬になると空気が乾燥するので、電子が色々なものにたまりやすくなります。金属製のドアにさわったとたん、「ビリッ」ときたことはありませんか? 経験がある人はみんなに教えてあげましょう。
ものに電子が余分にある ・・・ |
マイナスの電気を帯びている |
ものに電子が不足する ・・・ |
プラスの電気を帯びている |
電子が余分でも不足でもない・・・ |
電気的に中性 |
[研究問題]
プラス人間やマイナス人間になってみませんか?