GET SPORTS 8月29日「日の丸の真実」

今までにあちこちで流れた、南原さん大喜び映像集。

ナレ「聖なる地に風は吹いた。アテネオリンピック、日本は日の丸旋風とも言える、怒涛のメダルラッシュを展開。ここまで金16個、銀9個、銅12個の合計37個のメダルを獲得。なんとこれは、84年ロサンゼルス大会を超えて、史上最多となる快挙」

スタジアム(?)を栗山さんと歩く南原さんの映像。

ナレ「その舞台、アテネで南原清隆と栗山英樹が精力的に取材」

野球の中村選手(?)とがっちり握手をする栗山さん。
記者会見終わって帰る選手と両手で握手をする南原さんの映像。

ナレ「そこで、衝撃ともいえる数々の光景を目の当たりにした」

何かに驚いて拍手をする南原さん。

ナレ「日本メダルラッシュの立役者となったのは、なんといっても8つのメダルを獲得するなど、王国復活へ気をはいた(?)競泳チーム」

帽子かぶって、競泳を観戦する南原さんの映像
南原「よっしゃー」

ナレ「そして、南原清隆。人生初の金メダル目撃となったのが」

北島選手が一位でゴールした瞬間の映像
南原「いえーい」(手を振り上げる)

ナレ「100メートル平泳ぎ、北島康介」

表彰式の北島選手。それをスタジオから見つめる南原さんの映像。

ナレ「君が代に思わず胸が熱くなる」

南原さんの潤んだ目のアップ。

南原さんと北島選手がインタビュー前に握手する映像

ナレ「北島がこんなことを言っていたのが印象的だった」

北島「苦しさに耐えてるんだから、絶対、金獲るぞってね」
南原「うん」
北島「気持ちだけはもう、負けないで」

ナレ「苦しみを乗り越えての、喜び」

金メダルと銅メダルを触らせてもらう南原さん
南原「あれ、重い」

ナレ「メダルにはさまざまな思いが秘められていた」

男子体操の映像
ナレ「新たな感動もあった」

メダル決まって、喜ぶ選手たちの映像
南原「いえーい」(両手を大きく広げて万歳。そして、大きく拍手)

鞍馬、吊り輪の映像

ナレ「最後まで諦めない姿勢が生んだ、大逆転劇」

表彰式の映像
南原「出会ったね。大きなものに出会ったよ」

井上康生選手の試合の映像。

ナレ「その一方で、信じられない光景も目の当たりにした」

顔をしかめて試合を見守る南原さんの映像。
井上選手が負けてしまい、放心状態でおでこに手をあてる。

女子ソフト。ゲームセット。
栗山さんと一緒に試合を観戦する南原さん。暗い表情(うまく表せない。がっかりも微妙に違う。仕方ない・・・かな)

ナレ「4年前の雪辱を果たすことは出来ず」

4年前。シドニーで雨の中、決勝でアメリカに負けた瞬間。

アテネ。さっきよりもカメラが寄っている。言葉がでない、という感じ。

ナレ「改めて、世界で戦うことの厳しさを痛感した」

試合終了後、礼をする女子ソフト選手。

スタジアム。栗山さんがフェンスを挟んで、中畑監督代行と話している
中畑監督代行「クリ、寝れないよ」
日の丸の「3」を手のひらで触る高橋選手。

ナレ「特別な思いを持って望んだドリームチームでさえ」

ゲームセット。
どこか遠くを見るような栗山さん。口が開いたまま、言葉のでない南原さん。

ナレ「オリンピックの魔物には打ち勝つことができなかった」

痛みをこらえるような表情の2人。

ナレ「2人の目の前で起きた、数々のドラマ」

試合会場から帰っていく鈴木桂治選手。
「桂治、おめでとう!」という声(南原さん?)にピースサインで答える

ナレ「メダルラッシュの陰にあった栄光と、そして、挫折」

うなだれて会場から帰る(?)井上康生選手。
大きな日の丸を広げている、体操チーム。

ナレ「日の丸の明暗を分けたものとは?」

目の前を通る、マラソンの野口選手に手を振って、拍手をする南原さん。
南原「お疲れさん!」



GTALK
いつもの階段状のセットに座る3人。中西さんが一段下。隣に南原さん、栗山さん。

中西「さぁ、ということで僕は日本でアテネオリンピックを伝えていたんですが、お二人は」
南原「はい」
中西「羨ましいことになんと、アテネから帰ってきたばかりですか?」
南原「すみません。昨日帰ってきました」
頭を下げる南原さんと栗山さん。
中西「お疲れ様でした」
再び、2人して礼。
南原「いやいや」
中西「昨日っていうことは、ほとんど全部もうメダルはみたってことですか?」
南原「そうですね。今日、室伏選手が金になったことで、僕は10個金メダルをみました」
中西「10個!」
南原「すみません。申し訳ないです」
さらに、2人で礼。
中西「じゃあ、アテネオリンピックの醍醐味を向こうで堪能してきた」
南原「そうですね。いろいろ、こう考えさせれることも多かったですけども」
中西「どうでした?」
南原「うーん。僕、行く前はメダルをとるとか、金メダルになるっていうのはほとんど奇跡かな、と思ってたんですけど、やっぱりそれにはちゃんとした理由があるんだなっと改めて気づきましたね」
中西「どういうことですか、具体的にいうと」
南原「メダルに近い人、金メダルを取る人とかは、世界基準で戦うことが出来る人」
中西「世界基準で戦うことが出来る人。たとえばどういうことですか?」
南原「たとえば、水泳界でいうと、北島選手もそうですけど、毎年大きな大会がありますよね。日本で行われたり、去年、世界水泳でバルセロナで行われたり。海外を転戦して、海外で戦うこと自体になれてるんですよ」
中西「世界で戦うことが当たり前になってるってことですか?」
南原「そうですね。世界で戦うっていう環境が当たり前だし、実は今回、北島選手は体重が1.2キロ落ちたんですよ。大会前に」
中西「それはなんでですか?」
南原「なんでですかって話を聞いたら、正直、選手村の食事があわなかった。合わないんで、スタッフが作ってくれたおにぎりを食べたりとか、あとファーストフード、ハンバーガーみたいなのをおかずがわりに食べてて」
中西「それでですか?」
南原「それで大丈夫なんですか? “大丈夫です”っていうぐらい、タフなんですよ」
中西「たくましいですね」
南原「ええ。条件が変わっても自分をそれにあわせられる、順応力。タフさがあるっていう。これが世界基準。しかも、他の選手、一緒に泳ぐ選手が、普段からトップレベルと一緒に泳いでますから、世界で」
中西「じゃあ、毎年、オリンピックは4年に1度ですけど(?)、そこにむけて準備するんじゃなくて。毎年世界大会に向けて準備してることによって、いつも戦っている相手が回りにいると」
南原「そうそう」
中西「それが非・日常じゃないわけですね」
南原「そうです、そうです。“あいつ、今回どうだろうな”とか。終わった後とか必ず握手とかするわけですよ」
中西「あ、そうなんですか」
南原「それぐらいにお互いのことを分かり合えている。それが大きな大会っていうか、それがオリンピックに変わったっていう感じなんですよ。だから、“わー、オリンピック”っていうより、毎年毎年、国際試合を重ねていった先に、オリンピックがあった、と。北島選手はもう、やっぱり毎年毎年の積み重ねが一番大事だったと。そういうことをコーチがわかっていたってことですよね。選手が集中できるように。コーチがデータをとったりとかして、本番前にレースに集中できるように作戦を細かく練ってた」
中西「僕はね、体操の団体のメダル。あれがすんごく嬉しかったんですけど」
南原「僕も目の前で見させてもらったんですが」
中西「目の前でみたんですか!?」
南原「目の前でみました。えー。これはね、もう消耗戦というか。ルーマニア、中国、アメリカ、日本というこの四強がいったりきたり、こうしてたんですけども、この精神力、どっからくるんだろうと思ったんですが」
中西「僕ね、最後の3人がよくあのプレッシャーの中で、あんな大技をどんどんどんどん決めたな、と思ったんですけど」
南原「実はですね、コーチが選手にあらかじめ、点数を教えてなかったんです」
中西「え、点数、知らなかったんですか?」
南原「自分たちの点数も知らないし、相手の点数も教えてない。君たちはとにかく自分の演技に集中しなさい」
中西「自分の点数も知らないんですか?」
南原「自分の点数も知らないです」
中西「・・・じゃあ、それコーチがうまいんですかね」
南原「で、最後に、富田選手に “富田、一個だけ技を外そうか。あと、その通りやってくれ”」
中西「どれだけやれば抜くとか、そういうこと何も考えてないわけですね」
南原「そうですね、いい意味で選手が他を気にせずに自分たちに集中できた。それは、出来て、出来るかどうかはまた選手の力量で大きく変わるってくるんですけど、そういう周りの環境も世界基準だったといえるんですけどもね」
中西「栗さんはどうでした?」
栗山「そうですね、その世界基準という意味では、まぁ、あの、ヤワラちゃんの金メダルに始まって、結婚してから女性がそういう形で活躍するっていうのが、すごく意味が、これからのスポーツ界に意味があると思って。そこから入ったんですね。感動から。ただ、あの、今、ナンチャンが言われたとおり、世界基準ということであれば、本当に、たとえば野球に関してはね、選手たちの必死さというのは見ている方も感じていただいたと思いますが、ただ戦いというものだけを冷静に考えてみると、世界基準というものをやっぱり考えなければいけないのかな。ということをすごく感じたという部分よいうのがあったんですね。たとえば、あれだけディゲームが続くということをずっと言われていたわけですが、あの、ジャイアンツ上原投手なんかはプロに入ってから一回もディゲームで投げたことがないんですね。公式戦に」
中西「あ、そうだったんですか」
栗山「ということは、あれだけ水泳にしても体操にしても柔道にしても、みんな4年間、そこに合わせて準備をしてくるわけですね。っていうことは、そこの準備っていうものは、ペナントレースがあるので出来ない部分があって」
中西「そうですね」
栗山「苦しい状況になったときの選手の判断が、暑さっていうのは全く誰も話をしてないんですけど、ずっと見てるとね、苦しくて体の疲れっていうのは、僕は思考にでてくると思うんですよ。考え方に。このケースでこっちを選手が選ぶのかどうかは、結果的に敗れたということを考えると、そういうディゲームで、すごく暑くなって苦しいっていうものも何か関係性というのがもしかしたらあるのかな、とすごく今、思っていて。そういうことも含めて、世界基準に対する準備っていうのはきっちりしなければいけないというのをね、改めて感じましたね」
中西「野球はすごい残念な結果になりましたが、これ、北京に向けて良い教訓もたくさんあったってことですよね」
栗山「そうですね。あの、僕、よく言ってるんですけど、野球に関しては、オリンピック、新人ですから。ですから、全てが今回は歴史として勉強しなければいけないことなんですね」
中西「でも、全体見てみるとね、やっぱり水泳のね、頭でガンガンガンとメダルが来たのがすごく大きかったですよね」
南原「はい。まぁ、あのシドニーが結果的には、自分たちの中では惨敗したと、上野監督がですね、そこで自分たちが思って。そこから4年間どう埋めていったのか。これをきっちりとですね、この番組で検証するために今、VTRを作って、取材してますんで、これを19日に発表したいと思います」
中西「9月ですか?」
南原「9月19日です」
中西「まだ3週間もあるんですけど」
南原「はい、すみません。待ってください」
中西・栗山「(笑い)」

小さく南原さんの、「今、一生懸命・・・」という声が聞こえながら、次のVTRへ

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