2004年7月25日「GET SPORTS」南原さん出演部分

特に何があったわけでもなかったんですが、4人だけというのも珍しい、ということで。

ニュースコーナーの野球の話題の後

栗山「素晴らしいプレーを選手は見せてくれてるんですけど、署名運動もありました。ちょっとあの、こういろいろ動きがあって。ナンチャン、実際にご覧になって」
南原「いや、ファンの願いはもう、一つですよ」(人差し指をたてて)
栗山「はい」
南原「ファンの声が届くプロ野球」
栗山「あぁ」
中山「うーん」(ほとんど同時)
栗山「そうですね」
南原「はい。ファンの声がそのままストレートに届く、そういうプロ野球になってもらいたいです」
栗山「そういった意味では、あの、月曜日にセパの理事会、そして12球団の実行委員会っていうのがあるんですが、今までこういろんなことを考えすぎて、本当に自分たちのチームはこうしたいっていうのが、なんか会議で話し合われてないような僕は、気がするんですよね。本音で話して欲しいということ。それからあの、元々の野球協約っていうものが昔出来たものなんで、いろいろありますよね。一から、こう、みんなで考え直す。そういったことをやって欲しいですね」
南原「古くなってるかも判らないですしねぇ」



左から、中山アナ、中西さん、南原さん、栗山さんと座っている

南原「さぁ、熱戦が続くアジア杯(カップ)ですけども。日本は今まで2勝ということでね、ま、見てますけども、楽勝ですよね」
(後半から、栗山さんの方だけを向いて)
栗山「そんな感じしますね」
南原「ね? 強くなりましたよね」
中西「ちょっと、ちょっと」
南原「ひさしぶりに」(中西さんの方はみない)
中西「ちょっ、ちょっ、ちょちょちょちょ」(遮ろうとするが、わざと聞かないフリをする2人)
南原(栗山さんと向き合って)「左団扇で」
中西「あのー」(ようやく南原さんが中西さんの方を見る)
中西「そんなことないです」
南原「ないですか?」
中西「今回は本当に難しい大会ですね。で。僕、三つ難しさがあると思うんですけど」
南原「はいはいはい」
中西「まず一つ目は、やっぱりディフェンディング(?)チャンピオン。やっぱりチャレンジャーじゃないとこが難しいです。守らなきゃいけない。前回優勝という地位をね。しかも2002年ワールドカップ以後はじめて迎える大会なんで、ワールドカップで良い成績を日本と韓国、残しましたよね。ものすごいアジアのターゲットになってるわけですよ。そういう意味じゃ、これがまず一つ目の難しさ」
南原「ターゲットされている側」
中西「されている。そして、二つ目。主力選手の不在ですよ。みんな忘れてませんか? 中田選手いないんですよ。稲本選手もいないんですよ。」
(南原さん、大げさに驚いた顔)
中西「高原選手もいないんですよ。そして、オリンピックに小野選手もとられてるでしょ。」
南原「それでこれだけ勝ってるんじゃないですか」
中西「それだけJリーグのレベルが上がっている証明だと思うんですけど。でも、難しいですよ。やっぱり」
中西「で、三つ目は、これ実は曲者なんですけど、中国で反日感情が今、高まっていて」
南原「あぁ」
中西「もう完全アウェイ状態なんですよね。ブーイングの連発」
南原「タイ戦のときもそうでしたね」
中西「重慶がまた、暑いんですよ。暑さが高温多湿。湿度が高いんで、選手たちもね、口々に暑さとの戦いだって言ってます。食欲がやっぱり落ちますから。試合の感覚が難しいですし、短いですしね。それを考えると、この三つの難しさがまずあるな、と。でも、この三つ目。特に。暑さ、湿度っていうのは、僕、ワールドカップ予選に繋がると思ってるんですよ。9月はね」
中山「良いシミュレーションになるのではないかというのが、9月10月に、インド戦、オマーン戦」
中西「そうです」
中山「ここのシミュレーションに今回なるんじゃないか、ということです」
中西「そうです、もう。特にオマーンはね、2月のこの日本との戦いから比べたら、もう格段に強くなってましたね」
南原「何処が変わったんですか? 選手は変わってないですよね?」
中西「ほとんど変わってないです。一人しか変わってなかったですね」
南原「うん」
中西「でもやっぱり日本とあれだけ良い試合をしたという自信ですよ」
南原「ほー」
中西「若いですから、チームが。どんどんどんどん自信をつかまえて、上に行ってるんですよね」
南原「ハートの面ではそれが大きく影響するんですね(自分の心臓を手で押さえて)
中西「イラン相手に前半2−0でしたからね。後半、追いつかれましたけど」
南原「うーん」
中西「強くなってますよ。ただそんな中でね、大活躍、絶好調。中村俊輔選手。」
南原「ねぇ。あのフリーキック、すばらしかったですからね」
中西「あの蹴ったボールも素晴らしかったんですけど、実は中村俊輔選手、あのキックの前にね、素晴らしい準備をしてたんです、実は」
南原「え、その前の準備が」
中西「はい、ちょっとご覧ください」
(試合の映像が流れる)
中西「彼が蹴る前に実は、蹴る真似をして、壁がどういう動きをするか見てるんですよ」
南原「フェイントかけてる」
中西「フェイントかけてます。壁がジャンプする準備をしてるんですけど、ジャンプする壁が。どの選手がジャンプするか、4枚壁がいたんですけど、ジャンプした選手は2人だけだったんですよね。普通フリーキック蹴るときっていうのは、蹴る選手は誰でも必ず蹴る前に、壁に前に出てこないように蹴る真似をする」
南原「ここが大事ということなんですね」
(VTRでちょうどそのシーンが流れる)
中西「これ、今。あの時点で誰がジャンプするか」
南原「あ、ホントだ」
中西「今、2人だけが動いてるんですよ。壁の右から二人目と左端の選手がジャンプしてるんですけども、その両サイドの選手は立ってましたよね。」
南原「立ってましたね」
中西「あの2人はジャンプしないって、あそこで見切ってたんです。で、あそこを通そう・・・」
栗山「飛ばない選手がいるっていうのを狙ったんですか?」
中西「そうです」
栗山「うわぁ」
南原「それも、技術もすごいけども」
中西「そうです」
南原「その前に冷静に誰が飛ばないっていうのをはっきりと見極めるっていう」
中西「だから、中村俊輔選手のフリーキックのすごさっていうのは蹴ることも大事なんですけども、その前の準備。戦術がすばらしいんですよ」
栗山「じゃぁ、左から二番目の選手が跳ばないっていうことを理解しながら」
中西「そうです」
栗山「そこを狙いに」
中西「そうです」
栗山「そうですか」


追加分

南原「あとなんか、あの、芸術的な」
栗山「前の試合の、オマーン戦の。中西さん、外側の、この(蹴る真似)シュート。すごかった」
中西「あれね」
南原「足、くじきそうなシュートでしたよね」
中西「いやでも、ホントこれ素晴らしかったんですけどね、あの抜いて、左手のアウトサイド(早口でわかりません)」
中西「普通ね、右足で蹴るんですよ。左足で蹴った方が実はキーパーも読みにくいんですが。実演させてもらいたいです。それくらい、僕、素晴らしいゴールだと思うんで。ちょっと見てもらいたいんですけども」
南原「はい、お願いします」
(中西さん、立ち上がって中央へ)
南原「スピードボールでしたよねぇ」
栗山「良いシュートでしたよね、なんか」
中西「僕、あの、こちらのカメラに向かってボールを蹴りますので」
南原「はい、わかりました」
中西「普通右足で蹴ると。子どもの頃、体育の授業で習いましたよね、軸足は蹴る方向に向けろ」
南原「そうですね」
中西「それ、サッカーの基本ですから、右足で蹴ると軸足の左足がこっち向きますから、キーパー来るの判りますよ。こっち行きますってわかります。でも、左のアウトでけると、軸足こっち向くんですよね。こっちに向いて、こう蹴ってるんです」
(中西さん、熱弁されてるんですが、さっぱり判らないので補足ができません・・・。要は予想されたのと逆に蹴った、と)
中西「キーパーがこっちにくるって読みづらいじゃないですか」
南原「角度でいうと80度ぐらい・・・」
中西「全然違うんですよね。」
南原「それで向こうに蹴る」
中西「こっちに踏み込んで、こっちに蹴ってる。こういう回転のボール」
南原「キーパーは軸足を見て大体の予想をするのが」
中西「基本的に、本能的にそうしてると思うんです。」
南原「なるほど」
中西「あともう一つ、実は左で蹴ることによってモーションが小さくなってたんです。右足で蹴ると、実は踏み込んだときに、踏み込んだ後にモーションが大きくなるんです。もう一回いきましょう」
中西「ここから踏み込んで、ここまでかかるんですよ。でも左アウトで蹴ると、踏み込んだ後、これだけで良いんです
南原「それで球が転がる」
中西「小さいモーションで早いボールが蹴れるんです。左のアウトは。これだけで。膝がした(?)だけで」
南原「ほぉー」
中西「じゃあ、もう一回みてもらいましょうか。このゴールを見ると判るんですけど、やっぱりね、小さいモーションで大きい、この強いボールが蹴れるんです」」
南原「予想しづらくなる、余計に」
中西「予想しづらくなるんですけど。まずこの踏み込み位置をみてください。右足。スタンドの方を向いてますよね」
南原「ねぇ」
中西「こっち向いてますよね。全然、違う方を向いてますよね」
??「ほんとだ」
栗山「あっち向いてほいみたいな感じに見えましたよね」
中西「そうなんです」
栗山「そうか、そういうことなんですか」
中西「で、この膝下だけで蹴ってることによって、モーションが小さい」
栗山「(?)だけでぱん、と」
南原「(声も無く感心)」
中西「これをね、出しえてる理由が一つあって、中村選手、ずっと怪我してたんですよね。怪我をしていて、いつもテーピングを巻かないと試合できない状態になってたんです、足首に」
南原「足首」
中西「でも彼は、テーピングを巻くと、柔軟性がなくなるんじゃないか、とそれを嫌がってたんですけど、実は今年に入って、5月ぐらいまで。やっとそれが取れて、試合を出来るようになってたんですよ」
南原「キレキレって奴ですか?」
中西「キレキレです。今はもうキレキレです
(笑う)
南原「中村選手の活躍次第で、日本が」(手のひらを水平にして上げる)
中西「上がっていくんですけど、ただもう一個、実はあるんですね。次はイラン戦なんですけど」
中山「こちらですね」(手にしていた日程表のフリップが映る)
中西「イラン戦がね、非常に、僕、鍵になってくるかな、と。っていうのは」
中山「こちらをごらんください」(フリップをトーナメント表に交換)
中西「こっちなんですよ」
中山「韓国はやっぱり宿敵だと思うんですが」
南原「はい」
中山「お互いにその組で一位で通過すると、決勝まで当たらないんですが、どちらかが2位になってしまうといきなりあたるということで、これは微妙ですね。」
中西「日本がもしこれでイランに負けて2位になってしまって、韓国が1位でくると、ここ(一回線)で当たってしまう」
中山「ここでいきなり当たっちゃうんですよ」
中西「これは避けたいですよね、さすがに」
南原「まぁ、ねぇ。日程(?)がいろいろありますからね、ちょっとでも楽な日程でやりたいですよね」
中西「そういう中で、今年に入って日本代表システムが変わってきたんですけど」
南原「はい」
中西「最初4−4−2だったんですよ。ジーコ監督になってからは」
南原「4−4−2」
中西「今は、3−5−2。このシステムですよ。3−5−2のシステムになって、この方が選手がやりやすいってこともあるんですけどね。これが非常にフィットして、チームが非常によくなってきた。で、実はですね、この間のタイ戦のときに前半はこれでやってたんですけど、後半4−4−2に変えたんです。でで、スリーバックを1人、田中選手を外して、後ろをフォーバック。就任当初の。そして、ここに小笠原選手を入れて、田村(?)選手を変えて、本山選手を入れた。本山選手とこの3人は元鹿島アントラーズコンビ。今は鹿島アントラーズですけど(?)。コンビでして。所属チームでのコンビネーションを重視した感じでした。フォーバックで良いんですけど、実はタイ戦ではこれを進化させたツーバックっていうシステムにしてたんですよ」
南原「ツーバック? 2人しか守らないってことですか」
中西「っていうのは、相手がもうひいて守ってますから、フォワードほとんど1人ぐらいしか残ってないんですよ。」
南原「うん、まぁ」
中西「1人しか残ってないのに、3人も4人もいたら(?)、勿体無いじゃないですか。後衛に(?)人数かけられないんで。ということで、後ろはほぼ2枚にして両サイドバックを叩いていたのが、ツーバックシステムです」
南原「ほぉー」
中西「これは、実は98年のフランスワールドカップのときに、フランス代表がこういう形で攻撃してる場面があったんですよ。」
南原「え?」
中西「ヨーロッパでは、ツーバックってシステムが98年のときに実はあったんですよ」
南原「相手がどんな場合に有効なんですか?」
中西「相手が弱いチームですね」
南原「弱いチーム」
中西「攻撃的にいきたいときですよ」
南原「引いてるチームってことですよね」
中西「そういう状態の時には、今やった3−5−2と、これを比較した(ひかした?)4−4−2。そして、この攻撃的なツーバックっていうシステムを上手くバリエーションをもたしていくことによって、ワールドカップ優勝あるかもしれない。あ、アジア杯(カップ)の優勝があるかもしれない」
南原「アジアカップのね。これで点、とりましたからね」
中西「で、そんな中で僕、もう一つ優勝するためのポイントがあると思うんです。」
南原「はい」
中西「途中交代の選手ですよ。」
南原「はい」
中西「で、本山選手、小笠原選手入りましたけど、僕は彼らはホント素晴らしいんですけど、藤田選手。」
南原「うん」
中西「藤田選手は実はですね、僕、どの選手とやってもうまくマッチする選手なんですよ。で、自分を生かすことも殺すこともしながら、他の選手を活かせる選手。彼が、今回のアジアカップ、そしてワールドカップの鍵を握っていると思います。」
(中西さんの藤田選手へのインタビューへ)


(女子ソフトボールのVTRの後)
栗山さんと南原さんが向き合って立っている
南原「まぁ、我々も初めてシドニーでね、ソフトボールを見たんですけども、野球と違った魅力があるっていうか、一つのミスが確実に点数に繋がる怖さ」
栗山「怖いですよね」
南原「なんかピリピリした、胃がキリキリキリしますよねぇ」
栗山「ですから、ナンチャン。ある意味この金メダルへの差っていうのは、ある意味、この自分たちのことがきちっとできる、というか。その辺にありそうですよね」
南原「うーん」
栗山「で、あの今回、ナンチャン、ソフトボールの場合は、ピッチャーの距離も変わったんですけど」
南原「はい」
栗山「外野の幅も20フィートですから、約6メートルぐらいですか。広くなるという意味では、多分その自分たちのことをきちっとやることとともにですね、スピード。足のスピードっていうのはかなり要求されるのかなって感じもするんですよ」
南原「打球が変わってくるわけです」
栗山「ですから、バッターとすれば今まで反応で打っていたものが、かなり間が取れてきちっと打つので、打球が早くなってくると思うんですよね」
南原「なるほど」
栗山「はい。だから、そのあたり宇津木監督も考えてチーム構成をしていると思うので、ポイントはスピードというのが要求されるのかな、という感じですね」
南原「またシドニーとは違った課題ができてきて。でもなんかね、プレートと投球間の距離が違うっていうね。アメリカやったんですけども」
栗山「勝つためにですね」
南原「勝つために」
栗山「スポーツが変わってしまう感じがするんですが、金メダル(?)ですね」
南原「我々もアテネでね、そこのところを見届けたいと思います。頑張ってもらいたいですね
栗山「はい」

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