2004年6月20日「GET SPORTS」プロ野球合併問題

今更ですが、いつかおこそうと思っていたので

南原「この一週間ね、この新聞紙上とか、いろいろなところでこの合併問題というのがね、出てますけども」
中山「はい」
南原「このホームページに・・・」
中山「そうなんです」
南原「すごく、たくさん意見があって」
中山「番組のホームページにですね、みなさんからたくさんのご意見いただきました。我々も反響の大きさにびっくりしたんですが」
(横においてあった紙の束をだす)
南原「はい」
中山「これ一部です。もう、相当量あるんですよね、実は、見ますと、合併に反対が7割で、賛成は3割」
南原「うん」
中山「すみわけて(?)いくと」
南原「うーん」
中山「反対の意見をまず言っていきますと、経営努力をしたのか、と。いうのがまず、多いですね」
南原「うん」
中山「もう一つは選手やファンを全く無視している」
栗山「そうですね」
中山「あともう一つが、合併したところでこれ、対処療法に過ぎないんじゃないか、と」
南原「根本が変わってないじゃないか」
中山「根本が変わってないじゃないか。この辺りが反対の理由の主だったところです」
南原「あの、ファン不在っていう感じがするのが、なんでね、この時期、急に、一方的な感じでね、この発表してしまったのかっていう、なんでこの時期なんでしょう?」
栗山「そうですよね、あのー近鉄の名前を買ってくれませんか、という問題が一回あって。それが一気に合併というところに来てしまった」
南原「はい」
栗山「これ、選手も説明を受けてなくて。ま、みんながびっくりしたということなんですが」
南原「はい」
栗山「正直いえば、この時期、7月7日ですか。もう一ヶ月も経たないうちにオーナー会議で承認されようとしている。これは、その早い時期に決めないと、来年のオープン戦の日程とか、公式戦の日程とか組まなければいけないわけですね。」
中西「ですよね」
栗山「はい。で、そういうその、非常に根本とは離れた、ドラフト会議の問題とか。ちょっと違った経緯のなかで急いでいるような感じを僕は受けます」
南原「もうギリギリだからやらなきゃっていうことですか。その前にね、たとえばシーズンが、去年のシーズンが終わった時とか、言ってくれれば、もっとファンとかも意見とかいろいろ出せて、世論とかも変わってきたと思うんですけども。この、なんか決まったか決まらないぐらいかの、もう時間がないから決めちゃおうかという感じが、どうもなんかね」
中山「納得いかないとこですよね」
南原「はい」
栗山「納得いかないですね。それは本当にそうですね」
南原「で、その経営ってことですか」
中山「経営努力が足りないんじゃないかっていう」
南原「はい。そのプロ野球が、今、何十億っていう儲かっているところもあれば、儲かっていないところもある。どういう感じで収支が行われているんでしょう。」
栗山「そうですね、あのセリーグの場合っていうのはかなりこの、テレビの放映権っていうものが大きく動きますよね。で、それはやっぱりゴールデンタイムと言われる、19時ぐらいの良い時間帯にやれば」
南原「巨人戦ですよね」
栗山「はい。それが収入が大きいということで、セリーグはそれがすごく大きな部分であります。ところがパリーグはそれがないので、その放映権の部分が少ないということになります。そうするとチケット収入がメインになってきますよね。で、あとは問題なのは、たとえば選手の総年俸っていうのはあがってはきているんですけど、大体10億から、巨人でも50億はいってないわけですね。えー、弱いチームというか少ないチームでは、20億ぐらいなんですけど。でも、考えてみると球場使用料っていうのが大阪ドームでは10億円っていう風に出てるわけですよね。」
中西「年間10億円も払って球場を借りてるって驚きでしたよね」
栗山「ですよね」
中西「はい」
栗山「ですから、東京ドームだと、これは表に出てはいないですけど、僕の感覚ですね、大体東京ドームで、東京ですから、日本ハムなんか去年20億ぐらい。使用料を払っていたんではないのかな。という予想、想像ですけども。まず、そういったところで、かなりお金が払っていかなければいけない。そして、普通、あのただでもお客さんが入ってくれればいろんなもの食べてくれますよね」
南原「そうですね。メジャーリーグだったらね、そこでのグッズとか食べたもののお金」
中西「飲食(?)をしてくれるお金で」
栗山「あの、ただ席、空席はホットドックを食べないという、経営の原則がメジャーリーグには。」
複数「あぁ」
栗山「ただでも良いから、そこに人がいれば、いろんなものを買ってくれるだろうっていうのが、日本の場合というのは、球場を借りてしまっているので、ほとんどロイヤリティだけで、なかなか球団にはお金が入らないシステムになってしまっているんですよ。グッズ収入とか、いろいろなモノを売ったりすることも含めて。その辺のところもいろいろと考えていかないといけないところがあって、なかなか収入源が少なくなってしまってるっていうのが現状ではあると思うんですね。はい。」
南原「じゃあ、それは収入も少なくて、放映権料も少ないから、パリーグは赤字が出るんだということですか。それだけなんですか」
栗山「あの、ま、元々、それまでの経緯として、あのー日本のプロ野球がすごく特別なのが、企業名が表にどんと出てきますね。たとえば皆が、ヤクルト、ヤクルトとか。近鉄、近鉄って。企業名で。これって宣伝効果という風に考えるんであれば、それも企業としてはオッケーな会社も、もちろんあるわけですよね。そういう風に進んできてしまって、細かい、そのフロントでお金の計算とか、そういったものが行われてこなかったというのも事実だと思いますね。」
中西「要するにお金っていうのは全部、その赤字としてではなくて、ようするに広告のお金として計上して」
栗山「そうです。広告宣伝費というような感じですよね」
中西「元々、じゃあ赤字のところって結構あったっていうことなんですか」
栗山「多かったと思いますね。」
中西「それで、企業が逆に、そういうお金を使えなくなってきたんで、今回それが一気に表に出て。それはもう駄目だと。健全経営じゃなきゃ駄目だと。でも聞いてて、びっくりしたのが、放映権料が各チームごとばらばらなんですね」
栗山「あのー、これ中西さん、サッカーの場合っていうのは、野球の場合は巨人なら巨人。ヤクルトならヤクルト。近鉄は近鉄という風にこう、折衝するんですけど。」
中西「はい」
栗山「Jリーグは違いますよね」
中西「Jリーグは、Jリーグ自体が交渉して、ま、ある局とやっぱり独占契約を結んで、それを分配金として分配していくシステムなんですよ」
南原「ふーん」
中西「だから、あのそこがプロ野球と違うところだと思いますね。」
栗山「それはある程度一定にJリーグの中で」
中西「はいJ1ならいくら、J2はいくら。J2のチームにも多分、分配されてます。Jリーグですから。アメリカのメジャーリーグもそうですよね?」
栗山「あのすごく判りやすいのが、80年代に本当に苦しくなったときに、あのロサンゼルスオリンピックを民営化で成功させたという、ユベロスという有名な方がいたんですけど、そういうとき、苦しいと本当のプロを呼ぼうっていったときに、メジャーリーグはユベロスをコミッショナーにどんとを呼んで。ユベロス頼む、ということで、各チーム20億から30億ぐらい払えるぐらいの、メジャーリーグ全体で放映権を獲得したんですね。で、分配して、経営を成り立たせたっていう経緯もあるんですけど。今のファンの声を聞いていると、こういう努力をしているのか、と。」
南原「うん」
栗山「そういうものをぜひ見せてください、という思いが多分、強いんじゃないのかなって言う気がしますよね」
中西「やっぱり年俸の高騰っていうのがね、そういうところで、年俸削減っていうのも、みんなね、そういう状態ならみんな強力する可能性はありますよね、選手だって」
栗山「どう? 中西さんはそういう風な状況で説明されたら、俺の給料少し下げてもみんなでやろうよって。」
中西「そういう気持ちに選手もなると思いますよ、やっぱり。プロ野球全体の問題ですからね、おそらく。」
栗山「そうですね。ですからあのーそう考えると、プロ野球の各チームの収入がどれくらいあって。で、その収入に対してどれくらいのパーセンテージが支払われると、その企業、組織が成り立つのかっていうのは、僕らも入団した頃はそんなこと判らなかったし。説明はあまりされてないんですけども。そういったことも、大体、このぐらいのパーセンテージ。よくメジャーで、今、NBAとか55パーセントぐらいですよね。バスケットは。メジャーリーグも55から60パーセントの間で折衝っていうのが行われていますけども、そういったこともどんどん話し合いをして表に出していって話し合いをしないと、わかりにくいことがたくさんあって」
南原「わからないですよ」
中山「それは賛成の人も意見はそういう意見なんです。経営陣は経営の健全化をはかるために当然のことをした。あるいは、身の丈にあった経営をしたほうが良いんじゃないか。それは賛成派。もう一つ、球界の大きな改革になっていくのでは、というようなのも賛成派の意見なんですね。そこで、これ。栗山さんが提唱してらっしゃる」
(球団主義、と書いてあるフリップを出す)
栗山「はい、あのー各球団でモノを考えるといった時代では無いんじゃないかな、と。たとえば勝負が他のスポーツじゃなくて、あの遊園地であったり、映画であったり、いろんなところにあるわけですね。エンターティメントは。やっぱりそれは球団より球界全体で考える問題なので」
(中山アナが、フリップの下半分に張ってあったシールをはがす。球界主義と書いてある)
栗山「出来れば球界主義ということで、今こそ12球団が手をとりあって、向かっていかないとやっぱり根本的な解決っていうのは行われないかなっていう風にはすごく思います。ええ」
南原「球団参加で30億払うっていうのは、あれ何年に出来たんですか?」
栗山「91年ですね。」
南原「91年っていうと、まだバブルがまだ残ってる時期ですよね」
中西「バブルの最後の時期ですよね」
南原「そこから毎年毎年景気も変わってきてるし、世の中動いてるのに、そのまんま同じっていうのも、これもおかしな話ですよね。」
栗山「本当ですね。ですから、あの南海とか阪急が売られたときはそのシステムがなかったわけで。この前、横浜の場合っていうのは元々、株をテレビ局が持っていたということで、まだ払った経緯がないんですよね。ただ、そういった経緯もあまりこう思わしくないというか、入って欲しくない企業は持って欲しくない、みたいな理由ってあると思うんですけど。考えていけば良いですよね。もしかしたらそれがなければ、入ってくれるところがあるかもしれないですね。企業として。そういったことを話し合いした経緯が見られないとか、それがすごいファンの思いじゃないのかなって感じがね」
中西「あの僕、Jリーグが始めからいるんですけど、始まるときに言っていたことなんですけど、やっぱりさっきの球団主義、球界主義じゃないですけど、あのJリーグってもの自体が一つの船に乗った運命共同体なんだぞ、と。だから、みんなで手と手をとりあって、やっぱり進んで行こう、という風に言ってたんですけど。やっぱりそういう風にやっていく。勿論それが全部正しいとは僕も思わないところもありますけど、でもそういう方向っていうのもプロ野球には必要な時期かもしれないですね」
栗山「いや、そうですね。それは選手とかコーチ、現場だけではなくてフロントの方々、オーナーの方々も含めて、みんなで手をつなぐっていうのが必要な時期ですよね。」
中西「ファンも含めてですね」
栗山「そうですね」

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