感想

基本的な感想は、楽しかった、面白かった、綺麗だった。それだけの言葉でも足りてしまいそうな気がします。

とにかく南原さんの動き(所作)が綺麗で。
舞や社交ダンスなどの踊りは勿論ですが、よろよろっと倒れたり、普通に歩いているだけでも、
綺麗だなぁ、と思いながら見てました。

演技の上手下手をどう評価していいのか、よく判りません。
でも、良い舞台を見た、とは思います。理屈じゃなく、感覚で。
狂言とコント。物語と音楽。出演者と登場人物。

真面目な顔のまますっとぼけたことをする南原さん、
わが道を突き進むルー大柴さん、
狂言関係なく、そのままで自由なウドさん。

音楽もコミカルで楽しげで。
自然と拍手が手拍子に変わっていたり。

ギャグ披露や、女装。社交ダンス。そういったものも全部、溶け込んで。
何がかけても出来上がらなかった舞台なんじゃないか、と思う。

「萩大名」で、何を言っているのか細かいところは判らなくても、
言葉の「響き」と「間」、それから「動き」を見れば笑いどころが判る。

同じように最初の挨拶で、
南原さんが「萩代議」の見所を紹介するのに、
「国立能楽堂に」(で、良かったんでしたっけ?)で間をおいて、「ルー大柴」といい、
「連句」の見所として、同じように「ウド」という。

「萩代議」でルー大柴さんが名乗るのに、
「代議士」で間を置いて、「です」と現代の言葉でいうから、
それだけで笑いがおこる。

「萩大名」「萩代議」とジェスチャーで歌を覚えようとして失敗する話があって。
「連句」はジェスチャーから思い浮かんだ言葉をつないだら、
結果的に歌(のようなもの)が出来上がった、という話なんですよね。

現実から逃げて、嘘をついて、「綺麗な言葉」なんかもたない駄目な人たちだけど、
許せてしまう、愛すべきところがある。

確かに、東方朔は、良い“人”と、出会っていた。

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