リングの魂 おこし その2

南原さん、ビデオを既に手に持ってスタンバイ。
立ち上がって、セットに行きながら

南原「さぁ、もうね3時になろうかというんで、ちょっとここら辺で面白VTRを」
大木「良いですねぇ」
南原「リン魂っていう番組を6年間やってまして。橋本真也選手の出演のところがあるんで」
勝俣「あらぁ」
南原「これをちょっとね、見てもらいたいと思います!」

セットして、元の場所へ戻る南原さん。

VTRへ。

*ちょっとすぐに確認できないんですが、これはリン魂のビデオに収録されていたような気がします。
南原さんも出演されてるし、面白いので大雑把におこしました。太字がVTR、他は映像を見ながらの解説です。



94年5月23日OA。「リンたま in 福岡ドーム」の映像。

リングサイドでプロレスを観戦している南原さん。眼鏡をかけて、ヘッドホンをつけている。
何に驚いたのか、手をバンバン叩く。
ナレ「新日本プロレス、福岡ドーム観戦ツアーを決行したリン魂! その試合当日の朝、こんな企画が行われていた!」


南原「この前の日ですよ」

ホテルの廊下。ひそひそ声で話す、南原さん、ラッシャー板前さん、神田トシノリさん
(ですよね? テロップが出ていないのであまり自信がないです)


南原「(ひそひそ声で)プロレスラーの、寝起きを本人の必殺技でおこすという」
若い、という声。

誰かの部屋に入っていくラッシャー板前さん。

南原「これね、寝起きですよ」
勝俣「寝起きドッキリ」

布団に巻きつくように寝ている橋本選手。

蝶野「これ、福岡ですね?」
南原「福岡ですね。完全に寝てます。次の日、試合」
蝶野「パンツ、はいてるんだ」
勝俣「あんまりパンツはかないんですか?」
蝶野「俺ははかないね」

橋本選手に技をかけるラッシャーさん。
むくっと飛び起きる橋本選手に、「おはようございます」と挨拶されると、
うなり声を上げる橋本選手。じっとラッシャーさんを見る。カメラに気づいて照れ笑い。
ラッシャーさんをベットに投げ飛ばす。痛がるラッシャーさん。
南原「橋本選手、ちょっと話を聞かせてください。今日、今日は大変ですね。大一番」
橋本「そうだったですね」
会話中におならをする橋本選手。
テロップ「今朝の大一番」
神田「なんかやるなと思ったら、屁じゃないですか」

ナレ「この後、橋本の提案により、アントニオ猪木の寝起きに挑戦!」
藤原組長(だったと思う)も増えている。


南原「この後、猪木さんのところに行こうっていうことになったんですよ」

南原「(ひそひそ声で)1、2、3」
皆で「ダァー!」としたら、声が大きく、いっせいに逃げ出す。
エレベーターホールまで逃げてきて
南原「誰がでかい声出したんだよ!」
神田さんがラッシャーさんを指差し、南原さんが頭をはたいていると、
ラッシャーさんは橋本選手を指差して、南原さんが橋本選手の腕をはたくと
楽しそうに笑いながら、ラッシャーさんを指差す橋本選手。


蝶野「これぐらいの時からね、バラエティの出演の、会社でね、多分、禁止令が出たんですよ」
笑う南原さん。
勝俣「イメージ的に」
南原「違うだろ、と」



94年2月4日OA「リンたまビデオ大宣伝ツアー」
サングラスして、黒いシャツ、紫色のネクタイをして、光ってる濃い目のシルバーのスーツ。
その上に、羽がいっぱいついた黒のコートを着た南原さん。成金の地上げ屋みたいな格好。
後ろに、のぼりを持った人が続いて歩いてくる。
ナレ「リン魂のビデオ発売をPRするべく、レスラーたちが終結し、大々的な記者会見が行われた!

控え室のような場所。橋本選手を「風大左ェ門」という南原さん。
目の前にあるペットボトルを投げるふりをする橋本選手。

記者会見の様子。
橋本「えー、レスラーというものは、一人一人の自己管理、そして自分のイメージというのを大事にするものなんですけど、この番組はレスラーの悪いとこばかり引き出して」
VTRの中でも外でも笑い
橋本「それをビデオ化しよう、と。かなりの金額を貰わないと合わないと思います。よろしくお願いします。ありがとうございました」




小川選手と再戦する橋本選手を応援するため、大阪ドームへかけつけた勝俣さん。
勝ったら何かください、という勝俣さんに「袈裟切りチョップ」と応える橋本選手。

VTR終わり。

蝶野「でもね、人前に出るときは、ものすごい格好つけたがりやですよ」
南原「割りに、おしゃれとか気を使ってましたよね」
蝶野「おしゃれですよ。
でね、やっぱ、本人は二の線。ただ、でも根が三の線だから、多分、このリングの魂で」
南原「出ちゃった」
蝶野「出ちゃって。新日本からとにかく止めろ、と」
笑い。畳を叩いて笑う南原さん。

蝶野「これ以上、真の橋本真也を出すな、と」
南原「あ、素を出すな、と」
勝俣「
だってチャンピオンですもんね」
南原「このときにね」
蝶野「ものすごい格好つけたがりやですよ」
南原「あ、そうですか。二枚目」
蝶野「二枚目」
勝俣「いつもね、テンガロンハットかぶってね。あの蛇皮のブーツはいて」
南原「でもね、この前ファミレスで、(カメラの方を指差し)加持っていうプロデューサーがいるんですけど、亡くなる前とか行ったときも、ところてんにクリームソーダを頼んでた」
勝俣「ところてんは今、寒天ブームだから?」
南原「そうそう。(手をあげて)“ところてん、あとクリームソーダ”。ファミレスで」
神奈月「ファミレスで」
南原「それ食べてたって」
神奈月「すごい組み合わせですね」
南原「ねぇ」
勝俣「だって、デザートの後に飯食うからね」
南原「逆だろっ」

以下、深夜だからこそのエロトークなので、ちょっとダイジェストになってます(^^;

南原「後ですね、橋本真也選手はすっごい語録をいっぱい残してるんですよ。Rinntamaっていう雑誌を幾つか作ったんですけど」
??「ありましたね」
南原「その中で、名物だったのが、橋本真也破壊王的人生相談ってあったんですよ。橋本真也選手がなんと答えたのか」

胸が小さい→男にもまれろ

南原さんが「ゲラをチェックしてください」「大丈夫ですか」といっても「大丈夫」

60歳にしてランジェリーパブにはまった→それは良いことだ。男は立たなくなったら終わりだ

うつむいてしまった蝶野選手に
南原「どうしました?」
勝俣「三銃士」
南原「盟友!」
蝶野「なんか、こういう番組だとは聞いてなかった」
南原「橋本選手にこういう側面があるってことで。どう、見てて」
大木「さらに好きになりますよ! こういうところも含めて好きでしたから」
南原「IWGPを守ってるときですからね、さらに」
大木「チャンピオンの時ですか?」
蝶野「業界のトップですからね」
南原「この人間のふり幅」
大木「良いですね」
南原「さらにですね」
蝶野「もう止めた方が良いんじゃないの? まだあるの?」
南原「もう1個あります」

太って困っています→○○○が隠れていたらヤバい

勝俣「さすが三銃士」
蝶野「こんな人間ですよ」
神奈月「確かに下ネタ好きでしたよね」
勝俣「好き。その三文字大好きだったよ」
南原「あっけらかんといえるところがね」
蝶野「だけどね、あの、どっかで挨拶とかあるでしょ。偉そうなこと良いますよ。素晴らしいこと、その場に必要なことを要所要所ちゃんとね」
南原「??みたいなことを言える」
蝶野「そこがね、こういうとこ・・・やっぱりマネージャーがついてなきゃ駄目だったね」

南原「このふり幅ね」
大木「良いなぁ」
勝俣「これでファンになった人、すごいいたんですよ」
大木「いっぱいいます」
南原「これもね、橋本選手にちょっとね、止めてもっと真面目な奴に(といったら橋本選手は)俺はこういうの大好きだ。もっとどんどんやってくれって。名物コーナーになったんです」
大木「乗り気だったんですね」
南原「大乗り気だったんです」

*トーク中、○○○で伏せた単語を読むとき、南原さんはそれを全て最初の一文字を抜かして読んでました(^^;
文章の流れでわかるかと思いますが、チで始まり、ポで終わる三文字です。

南原「僕、橋本選手と話しててね、真面目な話になったんですよね。プロレス界についてね。いろいろアイディアがあるんだけど、聞いてくれるかって。橋本選手が車を運転しながらね。で、ちゃんこやさんに言ったわけですよ。なんすかって聞いたら、俺はねプロレス界を大きくしたいんだって。だからね、ナンチャンとかさ、アイドルとか一緒にCD出そうよ、CD」
勝俣「言ってたよね」
南原「これでプロレス界、変わると思うんだよ。(困って話を変えようと?)ちゃんこお替りしていいですかって」
勝俣「we are the worldみたいなね」
南原「we are the worldやりたかった」
勝俣「アイドルと」
笑い
南原「あと、
高島礼子さん、あれ何とかならないか」
(伏せるほどではないのかもしれませんが、一応。女優さんです)
拍手して喜んでいる大木さんと勝俣さん。
蝶野「(笑いながら)ほどほどに、ほどほどに」
笑いながら頭を下げる南原さん。
大木「良いなぁ!」
南原「ホントね、次から次に出てくる」

CM

南原「ね、ふり幅の大きい橋本選手ですけども、橋本選手はでも、あと、強かった。とにかく」
勝俣「はい」
大木「強かった」
南原「えー、強いっていうね、判りやすさがありましたよね」
勝俣「IWGPが頂点だっていうのを見せてくれましたよね」
南原「防衛記録も
最初、一番最初、長かったですよね」
蝶野「長かったですよね」
南原「あの時、どうだったんですか。橋本選手、こう」
蝶野「あの当時は誰が行っても勝てなかったでしょうね。もうね、パワーはある、スピードもある。見た目はあんな見た目だけどね。ものすごい、だから外人選手も
みんな怖がってたし」
南原「当たるの、嫌だったんですか」
蝶野「怖がってたんですよ」
勝俣「壊しちゃうから破壊王なんですもんね、相手を」
蝶野「そうそう」
南原「さぁ、そのIWGPをダイジェストで」

いつの間にか、手にはビデオテープ。ビデオデッキへ。
(見終わったビデオテープが別の山に分けられている。細かい)

南原「あまりにもね、いろんな名シーンがあるんで、紹介したいんですけど、多いんで。ダイジェストを見せて(?)頂きます。どうぞ」

VTRへ

ナレ「新日本プロレスの至宝、IWGP王座に輝くこと三度、通算20回の防衛を成し遂げたミスターIWGP、橋本真也。IWGP激闘の系譜編。防衛戦、全20試合を一挙公開!」

ここの会話はほとんど次のトークでもう一度話しているので省略します

VTR終わり

南原「いやいやいや、改めてみると強いですねー」
勝俣「強い」
蝶野「やっぱり遠慮がないですよね」
南原「遠慮がない」
蝶野「先輩、後輩関係なくね」
南原「あの山崎戦の時に、脳天のとき、(蝶野選手が)うわぁーって言ってましたから」
蝶野「うん」
南原「危険な角度ですか、あれは」
蝶野「うん」
南原「DDT(橋本選手の決め技? 抱えあげて頭から直滑降で落とす)食らうときは、手を離さないんですか?」
蝶野「離さないから、逃げようがないんですよね。本当にもう、そのまま首から突っ込んじゃうというか」
大木「うわぁ」
南原「あらぁ」
勝俣「刺さってるもんね、みんな」
蝶野「そうですよね」
南原「あと、器用だったんですか?」

(VTR中に橋本選手は器用だったという話が、蝶野選手から出ていた)

蝶野「器用ですよ。あのね、寝技なんかでも足だけで相手をきめちゃったりとかね。あの、ホントに器用だった。手先の方も起用だったですよ。料理とかすご
好きだったし」
南原「えぇ?」
神奈月「してました、そういえば。遊びに行ったときに、家に。自分でおにぎりとか作ったりして、みんなに配ってました」
勝俣「ちゃんことかうまいです」
神奈月「ちゃんことか、うまいですよね」
蝶野「うまいですよ」
南原「そうなんですか」
蝶野「だから、そういう、あの、試合で
ものすごいがぁーっと行くけども、その後で全然違った、その皆でふれあいもったりとかね、そういうところがあるから、余計こう、この野郎って言ってるんだけど、それがなんかこううまく和らげちゃうっていうかね。かわされちゃうっていうかね」
南原「レスラー仲間から、橋本さんのことで悪く言う人っていないですよね」
蝶野「いないですよね」
南原「先輩からも、後輩からも」
蝶野「でも、ああはなりたくないな」
笑い
南原「なりたくはないけども」
蝶野「あんまり関わりたくないなって(神奈月さんを指差して)武藤さんといっつも話してた」
笑い
南原「独特の空気があってね。でもやっぱり、こうやって
改めていろいろと話が出来るってことは、やっぱり強さが核にありますからね」
勝俣「そう」
南原「これが弱いと、いろんな話しても笑い飛ばせないんですよ。でも強いから。えー、説得力ありますもんね。やっぱりやりづらかったですか? やりたくなかったですか?」
蝶野「いや、でも逆にこっちも思いっきり出来るから。それはもう、全然関係なく」
南原「蝶野さんにとって、橋本真也選手はどんな存在だった
ですか。若手の時からずっと長いことね、入門の時からいますけども」
蝶野「うーん、やっぱりライバルですね。やっぱりライバル・・・誰かが落ち込んでたりとかしてるとき、誰か、橋本
真也選手がガァーっと頑張ってる、と。そしたらそれが目標になって頑張れるし。橋本真也がどこかでこう、少し落ち込んでるとき、俺なんかが頑張ってると、またそれを目指してくるっていう、そういう関係だったですよ。あと、その3人の中で誰かがトップ張っていってるときに、それを妬むとかそういうのもなかったですね」
南原「そうですか」
蝶野「それはまずなかったです」
南原「それが不思議な関係ですね」
蝶野「そう。多分、それぞれが自信があるんだと思いますよね」
南原「それぞれカラーが違いますからね」
蝶野「そう
ですね」
南原「団体のそれぞれトップになって、お互いに助け合ったりとかして、これからプロレス界をって時にこうなってしまいましたけど、来年の7月には」
蝶野「そうですね。もう一周忌かなんかでね、そういう記念的なことはやっぱり、プロレス界に残していきたいなと思ってますね」
南原「はい。このことをね、また前進
(全身?)に受け止めないといけないですよね」
蝶野「武藤さんも、ちゃんとやる気あるのかないのか聞かないと」
南原「(神奈月さんに)武藤さん、どうですか」
神奈月「まぁ、俺はもう、いつでもさ」
似ているのか、笑っている蝶野選手。
神奈月「蝶野さんが仕切ってくれればやるよ」
蝶野「いつも、いつも、自分でやろうとしないからな」
(実際の武藤選手が言いそうなことだったらしい)
南原「そこまで似てんのかよ!」
神奈月「だって、めんどくさいこと嫌い
だからさもん
南原「そこまで・・・」
勝俣「でも、僕らプロレスファンは三銃士に仕切って欲しいですね」
南原「ね。橋本選手のそういう」
蝶野「ねぇ」
南原「まぁ、ね。これからやることも大きいと思いますけども、(神奈月さんに)武藤さんも連絡を取り合って頑張ってもらいたいと思います」
蝶野「ちょっと後でミーティングしますよ。武藤選手と。ねぇ。まだ49日も終わってないんだからね」
神奈月「そうだねぇ(?)」
蝶野「あんまりキャラクター壊さないでね、三銃士の」
神奈月「判った、判った」

トントン、と神奈月さんの方を向いて笑っていた南原さんの肩を叩いて、
蝶野「ナンチャンも」
南原「判りました、判りました。三銃士の」
蝶野「じゃ、ちょっとミーティング、します」
南原「もう時間なんでね、はい。蝶野さん、一端」
蝶野「俺だけ?」
南原「え?」
神奈月「俺も行こうか?」
蝶野「あんまり三銃士のキャラ(崩すと?)、殺されるよ」
神奈月「それじゃ・・・ちょっと行こうか」
(脅かされて、ちょっとびびり気味に物真似)
南原「探り探りするなよ!」

2人、立ち上がってセットの外へ。
南原「ありがとうございました!」
蝶野「あと、頼んだからね(?)」

お辞儀で見送る南原さん。スタッフからも拍手。

南原「ねぇ、さぁ、いろいろとこう、話は尽きないんですけども、続いてはですね、見ますか。橋本選手が、まぁね、世間に一番インパクトを与えたというか」
勝俣「ゴールデンでやりましたからね」
南原「ねぇ。引退をかけて臨んだ試合を。小川直也戦ですね。これをノーカットで!」
蝶野選手の座っていた場所は座椅子をよけて、膝ですべってビデオに向かう南原さん。
大木「やったー!」
南原「見せたいと思います」
勝俣「マジで?」
南原「はい」
大木「これ、東京ドーム観にいきましたよ」
勝俣「思い出すなぁ、これ」

VTRへ

ナレ「運命に導かれた二人の男。元柔道世界王者、小川直也。プロデビュー戦。迎え撃つは時のIWGP王者、橋本真也。小川の秘密兵器STOに苦しめられた橋本は、まさかの敗北。小川にプロ初勝利を献上。リベンジに燃える橋本はIWGP王座をかけて対戦。前回同様、柔道技に苦しむも、最後は小川陣営のタオル投入により橋本が雪辱。見事、王者の面目を保った。しかし・・・運命の第三戦、小川の暴走ファイトに橋本は防戦一方。無効試合となったものの、事実上は橋本の完全KOという衝撃的な結末に終わった。再起をかけた、第4戦。もう後がない橋本はどんな手を使ってでも、必ず勝たなければならなかった。しかし、小川のSTOが橋本の希望を三度粉砕。王者の面目、自分を信じてくれたファン、全てを失った橋本。そんな橋本に残された唯一のもの、自らの人生、つまり引退をかけて最後の一戦に臨むこととなる。ゴールデンタイム生放送で、瞬間最高視聴率24パーセントを越えた伝説の一戦。ノーカットでご覧ください!」

2000年4月7日 東京ドーム 小川直也VS橋本真也
(約20分ほど、ノーカットで放送。南原さんたちの声も入ってません)

VTR終わり

VTRが終わっても、真剣な顔のまま固まっている南原さんと勝俣さん。

南原「まぁ、ちょっと今見ても、ドキドキするねぇ」
勝俣「うん」
南原「どうでした、カッチャン」
勝俣「あのね、やっぱりね、これはもう橋本選手の生き様なんでしょうけど、あくまでもフェアで勝利をおさめようってしてるわけですよ」
南原「今、冷静になってみると、勝機が何回かありましたね」
勝俣「あります。プロレスはカウント4までやって良いわけですよ、反則をね。でもね、ホント、クリーンに、あの勝利を掴もうとするのがね、見えるんですよね」
南原「ねぇ」
勝俣「そこ行けば、勝てるってシーンいっぱいあったんですよ」
南原「あった」
勝俣「常に汚いことはしないって、キレイに勝つって言う、あれ、やっぱ彼の生き様ですよね」
南原「あくまでもプロレスで、お客さんをぐっと掴んで」
勝俣「そうです」
南原「勝ちたいっていうのが、それがプロレスラーなんでしょうけどね。そこのところで、本当のわずかな差だったっていうか、そこの差だけだったですね。今見るとね。うん。でも、この作品というか、この戦いを残してくれたのは、何年後になってもドキドキします。すごい、素晴らしい戦いですよ。どうでした?」
神奈月「今見てもね、思い出しますもんね。当時の。DDTが決まったとき、やった!、とか。もう一瞬一瞬、気持ちが揺らぎましたもんね」
南原「だから時代を経て、時間が経ってもそのまま残ってるっていうのが」
勝俣「熱が冷めてないよね」
南原「
ういう戦いは珍しい。橋本真也選手の生き様を、カッチャンが言ったように、それがこう、際立った試合だったと思うんですけど、さぁ、この後ですね、橋本真也選手はいろいろ紆余曲折ありまして」
勝俣「はい」
南原「ゼロワンを旗揚げしたんです。このゼロワン、我々も観にいきましたけども」
勝俣「初戦ね!」
南原「初戦」
勝俣「これはもう、最高の祭りでしたよね!」
大木「すごかったですね、旗揚げ戦は」
南原「橋本真也色が出た、これをですね、スカパーさんがご協力してもらって」
大木・勝俣「ありがとうございます」
南原「破格の値段で借りることができました。少しだけですけどもね。皆さんと一緒の時間を楽しみたいと思います。
お願いします。どうぞ・・・あ、ビデオだ」

普通にVTRのフリをしてしまい、慌ててテレビに向かうが先にVTRスタート

VTR

ナレ「引退した橋本を再びリングへと向かわせたものは、ファンから届いた復帰を願う100万羽の折り鶴であった」

東京ドームでの復帰戦のVTR

ナレ「こうしてファンの力によって再びリングに立てることとなった橋本は、その後、自らの理想を追い求め、新団体ゼロワンを設立。その旗揚げ戦は、それまでのプロレス界の常識を覆す、衝撃的な試合となった。」

ZERO-ONE 旗揚げ戦のVTR

(VTR中、何か話をしているようのが映っているんですが、試合が白熱していて全然聞こえません)

VTR終わり

少しスタジオが移って、CMへ

南原「さ、改めてね、我々は今夜はプロレスを楽しんでますね」
勝俣「はい」
大木「楽しんでますよ」
南原「今夜、流す試合は後一つだけになってしまいました」
神奈月「えぇ?」
南原「はい、時間が時間なんでね」
神奈月「本当に?」
南原「すみません、武藤さん」
神奈月「なんだよ、せっかく来たのに。見たいよ、もっと」
南原「一試合だけ。でも、これもノーカットで行きます」
勝俣「見たい試合ありますよね。でも、まだね」
南原「僕も一番好きな試合ですけどもね、橋本選手もですね、当時ですよ、これがベストワンだと」
大木「自分の?」
南原「自分のベストワンだと言ってました。さぁ、それは何でしょうか」
ビデオを取りに、体を半分後ろにずらしながら
南原「これです。(ビデオを手にして正面に戻って)高田延彦戦!」
叫びながら拍手する勝俣さん。
南原「ドームが沸きにわいた、これを行きたいと思います。お願いします。どうぞ!」

VTRへ

1996年4月29日 東京ドーム IWGPヘビー級選手権試合 高田延彦VS橋本真也
(約20分の試合をノーカットで放送)

VTR終わり

南原「今見ても、素晴らしい試合です」
勝俣「いーやー、良いですね」
南原「うーん、あの、やっぱりね、改めて、やっぱりプロレス面白いよ」
勝俣「うん」
南原「ね。橋本選手がいなくなったっていうのは大きな損失ですけども、こういうのを見てると、あ、こういうプロレスを見たいんだっていうのを改めて示してくれてると思いますよね。えー、どうですか?」
大木「いや、興奮しますね。やっぱりリングを降りると
ああいうおちゃめな一面がありますけど、一度リング上がるとあの強さじゃないですか」
南原「ねぇ」
大木「そのギャップがやっぱり良いですね」
南原「カッチャン、どうですか?」
勝俣「やっぱね、素晴らしいプロレスラーってね、花道歩かせたら判りますね。花道がもつんですよ」
南原「もつねぇ」
勝俣「やっぱ、あの橋本の花道の美しさってのは、ちょっと他の選手にはないですね」
南原「ねぇ。武藤さん、どうですか?」
神奈月「橋本もプロレスラブだったね」
笑い
南原「ラブですねぇ」
神奈月「最後、関節できめてくれたところが嬉しいよ」
南原「武藤さんがあって、勝ったんですよ」
神奈月「俺、前フリみたいなもんだよ」
南原「そうかも判りませんけども、ストーリーですからプロレスは」
勝俣「そう」
南原「改めて、このストーリーの主役だった橋本選手、ね。凄かった。主役はるだけのやっぱりスター選手ですよ。ねぇ」

CM

立っている南原さん。橋本選手への手紙朗読。

橋本真也選手へ。

笑顔のあなた、いたずらなあなた、
エッチな話が好きなあなた、物事をシンプルに考えるあなた、
強いあなた、負けたときのあなた、
そして何より、プロレスを愛していたあなた。
なんだか妙に曲がってしまった世の中で、
あなたの変わらぬまっすぐさは
我々をいつも痛快な気持ちにさせてくれました。
今、あなたは天高い世界にいると思います。
どうか、その世界からプロレスを、我々をまっすぐに見守っていてください。

橋本さん、ありがとう。
心より、ご冥福をお祈りいたします。

2005年8月21日 リングの魂代表 南原清隆

少し長めの礼。
大木さん、勝俣さん、神奈月さんも立ち上がる。

南原「と、言ったことでね」
勝俣「はい」
大木「ありがとうございました」
南原「ま、橋本選手は、我々の(ところに?)いますよね?」
勝俣「うん」
南原「そばに」
大木「はい、いますよ」
南原「ね」
大木「今、そこにいそうな感じですもんね。VTR見てても」
南原「どうですか、カッチャン」
勝俣「やっぱり、
この橋本イズムをね、僕らがちゃんと受け継いで、僕らなりの表現で、皆に見せていけば良いと思います」
南原「忘れないでいこう! 橋本さん、ありがとう!」

(最後、スタッフの手が映る。VTR切り替えの合図?)

画面が切り替わる。
テロップ「橋本が個人で借りてる某倉庫・・・」

屋外。青空の下、トラックの荷台のような倉庫が積み重なっている。
その一つが開くと、中にたくさんのダンボール。

テロップ「大量のダンボール箱が・・・」

その一つを開くと、ぎっしりとつまった折り鶴が入っている。

テロップ「あの100万羽鶴を大切に保管・・・」

橋本選手が泣いている映像。

テロップ「ファンへの感謝の気持ち」

映像が変わる。
復帰戦での入場場面。テーマソングがかかり、橋本選手が登場。

スタジオで映像に合わせて「はっしもと!」と手を叩きながらコールする4人。笑顔。

スタッフロールにあわせて、画面は名場面集へ変わるが、コールは続く。

徐々にコールの声が小さくなっていく。

リングに上がった橋本選手の映像。
リングアナウンサー(?)「橋本真也!」

画面が切り替わり、画面いっぱいに折り鶴が吊るされている。

テロップ「テレビ朝日アトリウム」

カメラが移動しながら、全ての折り鶴を映していく。
床にも、一面の折り鶴。
折り鶴の中には、メッセージが書き込まれたり、手紙付きのものも。

ファンによる橋本コールがかかり
テロップ「ありがとう 橋本真也・・・」

CM

テーマソングがかかり、橋本選手の名場面集が流れながら、提供テロップ。
ナレーションは田畑祐一アナウンサーでした。

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