感想が長くなったので、分割しました。 まずは、舞台に5日間通った全体の感想です。
原作との比較はしてませんので、原作のネタバレはしてません。
原作を最後まで読んで、そのまま舞台化は無理と判っていたので、
どんな風にまとめて舞台にするんだろう、と期待と不安入れ混じっていた初日、
第一幕を見終わった後は、先に原作読むんじゃなかったとかなり落ち込みました。
全体の話の進み方が、原作のぶつ切りのダイジェストしているように見えてしまって。
第二幕の展開が原作とはかなり違って、日向の旦那も大活躍だったんで、
気分は浮上しましたし、楽しかったのは楽しかったんですが、
勿体無いなぁ、というのが初日の正直な感想でした。
4巻まである原作、多種多様で豪華な出演者、それぞれ魅力的なのに、
あれこれ詰め込みすぎて、まとまらなくなっているような印象。
7日と8日も夜公演ならば見にいけたんですが、その気になれず。
南原さんの活躍だけ楽しめれば、それで良いと思って迎えた土曜日の夜公演。
これが、初日が何だったのかと思うぐらい面白かったんですよね。
一度見ていたから、私が展開に慣れてたっていうのもあるかもしれませんが、
明らかに舞台の流れがスムーズになっていて、第一幕のダイジェストな感じが薄れてた。
第二幕も、より盛り上がるようになって。
途中に挟まれる笑いどころも増えていたし、音楽も舞台に馴染んで。
南原さんの殺陣も、初日よりもさらに素敵になってた。
きついことを言ってしまえば、それはやっぱり準備不足でしょうし、
良く言えば、それが舞台の面白さですよね。日々、成長して変わっていく。
その後は、日曜日と月曜日の夜公演、千秋楽と思う存分、楽しませてもらいました。
後ろの席が多かったので、率先して手拍子したり、拍手したり。
双眼鏡で細かいところ観察したり(^^;
一週間、本当にあっという間で、もっと長くみていたかったです。
欲をいえば、ラストのオチがちょっと残念でした。
正吾さんと離れ離れになって寂しいお蝶さんが、
日向の旦那と蘭丸くんに、一緒に暮らして欲しいと願う。
自由気ままに、一人で飄々と暮らしているように見えた日向の旦那が、
思いがけず家族と一緒に暮らせることになって、
お蝶さんからかけられた暖かい言葉に、思わず涙を流す。
情けは人の為ならず、というか。
つらいことがあっても人はお互い助け合って生きていけるとか。
言葉にしてしまうのも野暮ですが、そんなラストだと思うんですけど、
もっと判りやすく、ベタな感じでも良かったのに、と思うんですよね。
笑わすにしても、泣かすにしても。
ほのぼのというには、意味深過ぎて、考えているうちに終わってしまって。
なんかちょっと消化不良な感じが残ってます。
まぁ、物足りないと感じた部分は、これから勝手に妄想させて頂きます(^^;
お蝶さんに、自分の幸せも考えるようにいってたけど、
日向の旦那も、他人のトラブルを放っておけない似たもの同士で。
自分の幸せよりも他人の幸せを優先するというより、
他人が幸せだと自分も幸せな2人。
ある意味、2人揃ったら無敵かもしれません。
兄妹(姉弟?)のように、家族のように、
おつるちゃんや、おせわさん、正吾さんたちと一緒に
あの町で、彼らが助け合いながら生活していく、
その光景をもっと見ていたいと思う、本当に魅力的な舞台でした。
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