地方大学での単身赴任生活

            伊藤 征一

経済企画庁を離れてから18年になるが、現在は名古屋の郊外
にある星城大学に勤務している。
単身赴任である。以前、新潟市
の環日本経済研究
所に勤務したときも単身赴任だった。歳をとっ
から単身赴任は大変だろうと思われるかもしれないが、実はこ
れが実に快適なのである。

単身赴任を快適に過ごすポイントは、職住接近である。新潟の
ときも今回も、勤務先まで歩いて
3分のところにアパートを借り
た。自転車なら1
分で、クルマもいらない。授業の準備で徹夜を
ることもよくあるが、そんな時も、授業が終われば自宅に直行
して一眠りすることができる。

住居の広さも重要である。仮の宿だからワンルームマンション
でいいなどといわずに、住環境を
充実させることが重要である。
6万円出せば6畳・
6畳・5畳・4畳半のアパートが借りられる。

このような職住接近環境にいると、日常生活と勤務の境目がな
くなってくる。それがいやだとい
う人もあろうが、私はそこが気
に入っている。好
きなだけ仕事をし、眠くなったら風呂に入って
を覚まし、それでも駄目なら万年床に入って寝る。すっきりし
たところでまた仕事をし、必要に応じ
て授業に出かける。昼も夜
もない仙人のような生
活が可能になるのである。

 大学の活動では、昨年の夏休みに学生を連れて中国大連市のソ
フトウェアパークに出かけ、ビジ
ネス・プロセス・アウトソーシ
ングの視察を行っ
てきた。また、授業の一環である外部講師の講
をビデオ撮影し、パワーポイント資料と同期させて大学のサイ
トに載せるなど、面白おかしくやっ
ている。


(経済企画庁OB誌「経友」平成18年5月号より転載)

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