若くて元気な国モンゴル

                                                          99.9.6
                                                                               伊藤 征一
 

   7月の下旬にモンゴルのウランバートルに一週間ほど滞在した。その間、
現地の人々と話をしたり、街の中を歩いたりしているうちに、モンゴルに対
する認識が変わってきた。

    いくつかの企業や研究機関を訪れて気付いたことは、女性が重要な地
位についているということである。どの訪問先でも、話をしててくれたのは
女性のディレクターだった。

   日本の企業が大半の出資をしている携帯電話の会社でも、女性のディ
レクターが、「この会社には日本人は一人もおらず、設立当初からモンゴ
ル人が自力でやってきた」と胸を張って説明してくれた。申し込みカウンタ
ーも若い人でにぎわっていた[写真:携帯電話の申込みカウンター]

   何時間か街の中を歩いてみたが、その間に、インターネットが体験でき
る「インターネット・カフェ」なるものを2軒見つけた。その一つに入ってみた
が、数台あるパソコンを若者たちが熱心に使っていた。自宅からインターネ
ットにアクセスするには金がかかりすぎるため、一時間200円くらいでイン
ターネットを体験できるこのような場所は人気があるようだ。

   帰国の前夜、街で知り合った若者が、日本の情報を知りたいということ
で、日本語のできる数人の仲間と一緒に訪ねてきた。夜中まで飲みなが
ら話をしたが、大学を出て何年も経っていない若者たちが、大きな仕事を
任されてはりきって働いている様子がよくわかった。

   今回、現地の人々の高い知性と穏やかな人柄に接して、モンゴルに対し
てますます親しみを感じるようになった。また、若者のエネルギーと女性の
活躍ぶりにも強い感銘を受け、新たな国造りを目ざして、生き生きと躍動
するモンゴルの前途に、大きな期待感がわいてきた。
 

(新潟日報  99.9.6  環日本海情報ライン 「エリナ・レター」  より)
 


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