WinCVSを使う

ソースコードなどのバージョン管理をWindowsで行うためのソフトウェアWinCVSをインストールします。

WinCVS のダウンロード

WinCVS 1.2を日本語化した「WinCVSごった煮版」wincvs120-sjis_gottani.20020227.exeをダウンロードします。

http://www.mikamama.com/CVSBook/src/WinCvs/wincvs120-sjis_gottani.20020227.exe
wincvs120-sjis_gottani.20020227.exe

WinCVSのインストール

ダウンロードしたファイルwincvs120-sjis_gottani.20020227.exeをダブルクリックしインストールします。
C:\Program Files\Gnu\WinCVS1.2_JPにインストールされます。

WinCVSの設定

CVS を利用するために WinCVS の設定を行います。

設定ダイアログの表示

・ wincvs.exeを実行します。
・ メニューの「管理(A)」→「設定(E)」を選択し設定ダイアログを表示させます。

全般

全般タブをクリックします。

CVSROOT(CVSリポジトリの場所)を入力(C):
[例] C:\cvs_repositorys

CVS で管理されているソースが格納された「リポジトリを指定」します。
新規にリポジトリを作成する場合は、作成するリポジトリまでのパスを指定します。

認証方法(A):
[例] ローカルに接続されたディレクトリ

特に CVS サーバは立てず、Windows のファイル共有で行うので、「ローカルに接続されたディレクトリ」を選択します。

CVSのバージョン(V):
cvs 1.10 (標準)

共通設定

WinCVS がリポジトリとやり取りするための項目について設定します。

・ 「共通設定」タブをクリックします。
・ ソースの参照しかしない場合:
「読み込み専用でチェックアウト」にチェックをつけます。
・ ソースの修正をする場合:
「読み込み専用でチェックアウト」のチェックを外します。
・ 「Dirtyファイルサポート」にチェックします。
・ 「ファイルを追加するときに編集可能に」にチェックします。
・ 「空のディレクトリを削除」にチェックします。

ポート指定

CVS サーバと通信するためのポートに関する設定を行います。

・ ポート指定タブをクリックします。
・ 何も設定しません。

プロキシ

リポジトリがあるホストと使用PCの間にプロキシサーバがある場合に設定します。

・ プロキシタブをクリックします。
・ LAN 内での使用となるため設定の必要はありません。

WinCvs

WinCVS 固有の項目について設定します。

ファイルを開く時に使用する標準のエディタ(V):
WinCVS から、直接ソースファイルを参照する場合にエディタを指定します。
[例] C:\Program Files\Hidemaru\Hidemaru.exe

HOMEフォルダ(CVS パスワードの格納に利用)(H):
チェックアウトしたソースファイルを格納するディレクトリを指定します。
[例]C:\cvs_checout

ごった煮

ごった煮(日本語版)に固有の項目について設定を行います。

次の項目にチェックします。(デフォルト設定)
更新ログを日本語EUCで記録
表示時に更新ログをShift-JISに変換
「更新の問い合わせ」時にメッセージを抑制する
 日付の表示形式を変更する
システム標準の書式を使わない
設定されたタイムゾーンで表示する

ビューの変更

WinCVSのモジュールビューを変更します。
(デフォルトではC: ドライブを表示するようになっています。)

・ 双眼鏡マークをクリックします。
・ 「WinCvs」で指定したHOMEフォルダが表示されるようにフォルダを選択します。
[例] c:\cvs_checout

リポジトリの作成

リポジトリを作成します。

CVS でソースの管理を行うには、ソースを一元的に保管・管理する場所であるリポジトリが必要となります。

(注)
既にリポジトリが作成してある場合は、この作業は行いません。

リポジトリ初期化ダイアログの表示

メニューの「作成(C)」→「新しいリポジトリの作成(C)」を選択しリポジトリ初期化ダイアログを表示します。

場所の指定

「全般」タグを開き、作成するリポジトリ(フォルダ)までのパスを指定します。

・ testというリポジトリを作成します。
CVSROOT(CVSリポジトリの場所)を入力(C):
[例] C:\cvs_repositorys\test
・ 認証方法(A):
「ローカルに接続されたディレクトリ」を選択します。
・ CVSのバージョン(V):
「cvs 1.10(標準)」を選択します。

リポジトリの初期化

リポジトリ初期化タグで、「強制的にCVSROOTの設定を利用する(F)」にチェックします。
「OK」をクリックすればサーバにリポジトリ(フォルダ)が作成されます。

CVS コマンド
cvs -d :local:c:\cvs_repositorys\test init
が実行され、サーバに対してリポジトリの作成を行います。

「*****CVS はコード 0 で終了しました*****」と表示されれば、処理が正常に終了しています。

リポジトリの確認

リポジトリが正しく作成されたかを確認します。

・ エクスプローラで作成したリポジトリ(フォルダ)を開きます。
・ 作成されたリポジトリの配下に「CVSROOT」というフォルダが作成されていることを確認します。
[例] C:\cvs_repositorys\test\CVSROOT

(注)
CVSROOTにはソースの管理情報等が格納されています。削除することはできません。

CVSへのインポート

CVSでソースを管理する場合、管理対象をCVSへ登録(インポート)する必要があります。

CVSで管理するファイル

CVSでJavaのソースを管理します。

Javaのソースファイルは以下のような構造になっています。
+ HelloWorld
  ├ + bin
  │   └ HelloJava.class
  ├ + src
  │   └ HelloJava.java
  ├ .classpath
  └ .project

インポート

新規にソースファイルをCVSに登録します。

インポートフォルダの選択

・ メニューの「作成(C)」→「インポート(Import)...」を選択します。
・ 「フォルダの参照」ダイアログでインポートするフォルダを選択します。
[例] + HelloWorld

インポート対象ファイルの決定

インポート対象フォルダを指定すると、「インポートフィルタ」ダイアログが表示されます。
フォルダに含まれるファイルの種類(拡張子)が表示されます。
それぞれの拡張子(説明)と種類が合っているか確認します。
もし、合っていない場合は、該当するファイル種類をダブルクリックするか、選択した状態で「編集(E)」をクリックします。

[例]
classファイルをCVSの管理対象外とします。
・ *.classをインポートする必要がないため編集します。
・ ファイルの種類で、「無視(インポートしない)(-I)」を選択し「OK」をクリックします。
・ 「続行(O)」をクリックします。

インポート先の指定

「インポート」ダイアログが表示されます。

リポジトリ内のモジュール名又はパス(M):
リポジトリに登録する名前(モジュール名)を指定します。
[例] HelloWorld

(注)
インポートするフォルダの名前と必ずしも同じである必要はありません。
チェックアウトはこの名前で行うことになります。

初期ベンダータグ・リリースタグ:
デフォルト(avendeorとarelease)のままとします。

更新ログ(L):
リポジトリに対して更新した場合に、ここに書かれている内容がログとして記録されます。
[例] リポジトリに登録

インポート先のリポジトリは「WinCVSの設定」で指定したリポジトリ(c:\cvs_repositorys\test)となります。
変更する場合は、「WinCVSの設定」→「全般」タブよりリポジトリを指定します。

インポートの完了

*****CVSはコード 0 で終了しました*****
が表示されれば、CVSへの登録は完了です。

CVSからのチェックアウト

CVSにインポートしたファイルを自分のパソコンの作業フォルダ(C:\cvs_checout)にチェックアウトします。

チェックアウト先フォルダの指定

CVSで管理されているフォルダは、左上のウインドウに表示されているフォルダ(cvs_checout)にチェックアウトされます。

(注)
チェックアウト先がウィンドウに表示されていない場合は変更します。

チェックアウトダイアログ

メニューの「作成(C)」→「チェックアウト( checkout)...」を選択し「チェックアウト」ダイアログを表示します。

チェックアウト対象の指定

モジュールの名前又はサーバ上のパスを入力(N):
リポジトリに登録されている名前(モジュール名)を指定します。
[例] HelloWorld

ローカルディスク上のチェックアウト先(F):
チェックアウトする自分の PC のフォルダを指定します。
デフォルトでビューに指定されているフォルダが表示されます。
[例] C:\cvs_checout

チェックアウトの完了

cvs checkout -P HelloWorld (ディレクトリ C:\cvs_checout 内)
cvs checkout: Updating HelloWorld
U HelloWorld/.classpath
U HelloWorld/.project
cvs checkout: Updating HelloWorld/bin
cvs checkout: Updating HelloWorld/src
U HelloWorld/src/HelloWorld.java

*****CVS はコード 0 で終了しました*****
が表示されれば、CVSからのチェックアウトは完了です。

チェックアウトファイルの確認

チェックアウトしたファイルを確認します。

ビューの更新

WinCVS のビューを更新します。
作業フォルダを右クリックして、「最新の情報に更新(E)」を選択します。

ファイルがバージョン管理されていることが確認できます。

(注)
チェックアウトしたファイルの取り扱いに関し注意する必要があります。

チェックアウトした各フォルダの配下にCVSというフォルダが作成されます。
このフォルダには管理情報が格納されています。削除しないように注意する必要があります。

リポジトリとの同期化

チェックアウトしたソースを修正した場合、これをCVSのリポジトリに反映(コミット)させる必要があります。

チェックアウトファイルの修正

チェックアウトした Javaのソースファイルを修正します。

WinCVSで見てみると修正したソースのアイコンが赤くなっているのが確認できます。
リポジトリと同期が取れていないファイルはこのように赤いアイコンで表示されます。

ほかの人による修正を取り込み(更新)、リポジトリと手持ちのバージョンを「比較」して、変更点を確認します。

修正内容の確認後、コミットします。

・ 対象ファイルを右クリックし「格納(coMmit)」を選択します。
・ 「更新ログ」に適切な変更理由を入力し「OK」をクリックします。

リビジョンがアップされ、アイコンの色が赤から白に変わり、修正がリポジトリに反映されます。

ファイルの追加

チェックアウトしたJavaのソースに新たにテストクラスを追加します。

・ 追加するファイルを作成します。
・ CVSで管理されていないファイルのアイコンが「?」になっていることを確認します。

また、CVSで管理されていないフォルダは、チェックマークが付いていません。

・ まず最初に、フォルダをCVSに追加します。
・ 追加したいフォルダ(folder)を選択して、右上の「追加」アイコンをクリックします。
・ 次に、追加したいファイルを選択し「追加」アイコンをクリックします。

この段階では、CVS管理対象として追加されただけであって、内容がリポジトリに反映されてはいません。(追加したファイルのアイコンは「赤」になっています。)
追加をリポジトリに反映させるために変更内容をコミットします。

・ 対象ファイルを右クリックし「格納(coMmit)」を選択します。
・ 「更新ログ」に適切な変更理由を入力し「OK」をクリックします。

更新

同じモジュールを他の人が変更した場合、自分のローカルにある作業フォルダにその変更内容を反映させることができます。

変更されたファイルの確認

・ 更新内容を確認したい、モジュールを右クリックして「更新の問い合わせ(Q)」を選択します。

下側のウインドウに差分のあるファイルが表示されます。

変更された内容を取り込む

・ 変更を取り込みたいモジュールを右クリックして「更新(Update)」を選択します。

リポジトリに新規に追加されているファイルを取り込みます。
・ 「リポジトリにあってローカルに存在しないディレクトリを作成(M)」にチェックします。
・ 「OK」をクリックします。

2009.12.09