GRUBを活用してマルチブート環境を作る

GRUB

GNU GRUB を活用して、Windows、 Linux、 FreeBSD をパソコン起動時にメニューから選択して起動できるようにします。 GNU GRUB は、多機能で、使いやすく、そして安全にマルチOSのブート環境を構築できます。

GRUB を入手する

ftp://alpha.gnu.org/gnu/grub/から grub-0.5.96.1.tar.gz をダウンロードします。

<GRUB 関連サイト>
http://www.gnu.org/software/grub/

GRUBをインストールする

● Linux でダウンロードしたファイルを解凍します
# tar zxvf grub-0.5.96.1.tar.gz

● コンパイル、インストールします
# cd grub-0.5.96.1
# ./configure
# make
(注)すべての操作を root 権限で行います。

GRUB ファイルをFDにコピーする

● FD に /boot/grub というディレクトリを作ります
# mount -t vfat /dev/fd0 /mnt/floppy
# mkdir /mnt/floppy/boot
# mkdir /mnt/floppy/boot/grub
● GRUB ファイルをコピーします
grub-0.5.96.1 ディレクトリの下の3つのファイルを FD 内の /boot/grub/ にコピーします。
1) stage1/stage1
2) stage2/stage2
3) docs/menu.lst
# cd grub-0.5.96.1/
# cp stage1/stage1 stage2/stage2 docs/menu.lst /mnt/floppy/boot/grub/

FDを起動ディスクにする

GRUB ファイルをFDの最初のセクタに書きこみ起動ディスクにします。
● GRUB を実行します
# cd grub/
# ./grub

●FD を起動ディスクにします
grub > root (fd0)
grub > setup (fd0)
grub > quit

GRUBを起動させる

・GRUB の起動ディスクを入れたままパソコンを再起動すると、 GRUB が起動し、メニューが表示されます。
・ここで、"c"を押して、コマンドモードに移動します。(ESCキーで元のメニューに戻ります。)

GRUBをテストする

● Windows を起動させます
1番目の HDD の1番目のパーティションに Windows がインストールされています。
grub > root (hd0,0)
grub > makeactive
grub > chainloader +1
grub > boot
● Linux を起動させます
1番目の HDD の4番目のパーティションに Linux がインストールされています。
grub > root (hd0,3)
grub > kernel /boot/vmlinuz root=/dev/hda4
grub > boot
● FreeBSD を起動させます
1番目の HDD の3番目のパーティションに FreeBSD がインストールされています。
grub > root (hd0,2,a)
grub > kernel /boot/loader
grub > boot

(注) 下記の表の左側の文字を入力するとき、キーボードの表記と異なることがあります。その場合は、右側の文字を入力するようにします。
(
 shift+9
)
 shift+0
=
 ^
+
 shift+^

Windows、Linux、FreeBSDを選択して起動できるようにする

●起動メニューコンフィギュレーションファイルを作成します
・FD の boot -> grub -> menu.lst を編集し、起動メニューコンフィギュレーションファイルを作成します。
・GRUB のテストのときに入力したコマンドを並べれば完成する。boot コマンドは省略できます。
#
# Boot menu configuration file
#
color 9 25
timeout 20
default 0
fallback 1

# For booting Windows
title Windows Me
rootnoverify (hd0,0)
makeactive
chainloader +1

# For booting Linux
title Red Hat Linux 7.2
root (hd0,3)
kernel /boot/vmlinuz root=/dev/hda4

# For booting FreeBSD
title FreeBSD 4.2R
root (hd0,2,a)
kernel /boot/loader
●GRUB起動ディスクで起動します
GRUB起動ディスクを入れたまま パソコンを起動させると、Windows、Linux、FreeBSD を選択するメニューが表示されます。カーソルキーでメニューを選択し、リターンキーを押すと選択した OS が起動されます。

GRUBをHDDのMBRに書き込む

●MBRにGRUBを書き込みOSを選択できるようにします
・FD に作成した GRUB の起動ディスクの内容を HDD の MBR に書き込み、FDを使用しないで選択した OS を起動できるようにします。
・Linux を起動し、FD の grub ディレクトリを /(root) の下にある boot ディレクトリにコピーします。
# mount -t vfat /dev/fd0 /mnt/floppy
# cp -r /mnt/floppy/boot/grub /boot
・GRUB を起動して、Grub ディレクトリを MBR に書き込みます。
FD の GRUB 起動ディスクで、GRUB を起動させ、メニューが表示されたところで、"c"を押してコマンドモードにします。
grub > root (hd0,3)
grub > setup (hd0)
・これで、FD の GRUB 起動ディスクがなくても、希望する OS を選択して起動できるようになります。

2002.04.01