Xサーバ設定ファイルxorg.confを設定する

Xサーバ設定ファイル

Xサーバとその関連設定ファイルは/etc/X11/ディレクトリ内にあります。
Xサーバ用の設定ファイルは/etc/X11/xorg.confです。

xorg.confの構造

/etc/X11/xorg.confのファイルは、異なるセクションの集まりで構成されています。
各セクションはSection "<section-name>"行で始まり、EndSection行で終了します。

各セクションは複数のエントリ行からなります。
エントリは、オプション名と少なくとも1つのオプション値からなります。

いくつかのオプションはブール値スィッチをとり、これが機能のオンとオフの切り換えをします。
1、on、true、yes オプション機能をオンにします。
0、off、false、no オプション機能をオフにします。

#マークで始まる行はコメントとして使用されます。

ServerFlags

ServerFlagsセクションではグローバルな設定を行います。
このセクションの設定はServerLayoutセクションのオプションで上書きされます。
ServerFlagsセクション内の各エントリは、Optionで始まりその後に2重引用符(")で囲まれたオプションが続きます。

<ServerFlagsセクションの例>
Section "ServerFlags"
Option "DontZap" "true"
EndSection

<ServerFlagsセクションで使用されるエントリ>
"DontZap" "<boolean>"
<boolean>の値が、「true」の場合、X サーバを直ちに停止するような[Ctrl]-[Alt]-[Backspace]キーの使用を禁止ます。

"DontZoom" "<boolean>"
<boolean>の値が、「true」の場合、 [Ctrl]-[Alt]-[Keypad-Plus]キーの 使用と、[Ctrl]-[Alt]-[Keypad-Minus]キーを 使用した、設定済のビデオ解像度を切り換える操作を禁止します。

ServerLayout

ServerLayoutセクションは、Xサーバで制御される入力/出力用のデバイスを定義します。
1つの出力デバイス(スクリーン)と2つの入力デバイス(キーボードとマウス)を指定します。

<ServerLayoutセクションの例>
Section "ServerLayout"
Identifier "Default Layout"
Screen 0 "Screen0" 0 0
InputDevice "Mouse0" "CorePointer"
InputDevice "Keyboard0" "CoreKeyboard"
EndSection

<ServerLayoutセクションで使用されるエントリ>
Identifier
このServerLayoutセクション用の独自の名前を指定します。

Screen
X サーバで使用されるScreenセクションの名前を指定します。
Screenの右の0は、最初のモニタコネクタをScreenセクション識別子"Screen0"で使用することを示しています。
"Screen0"の右の番号0 0は、画面の左上に使うXとYの絶対座標です。

InputDevice
InputDeviceセクションの名前を指定します。
少なくとも2つのInputDeviceエントリが必要です。
1つはデフォルトのマウスで、もう1つはデフォルトのキーボードです。
オプションのCorePointerとCoreKeyboardはこれらが主要なマウスとキーボードであることを示します。

Option "<option-name>"
このセクションのエクストラパラメータを指定するオプションのエントリです。

Files

Filesセクションは、X サーバへのサービス用パスを設定します。

<Filesセクションの例>
Section "Files"
RgbPath "/usr/X11R6/lib/X11/rgb"
FontPath "unix/:7100"
EndSection

<Filesセクションで使用されるエントリ>
RgbPath
RGBカラーデータベースの場所を指定します。

FontPath
X サーバが、xfsフォントサーバからフォントを取り出す場所を指定します。
デフォルトで、FontPathはunix/:7100です。
これは、X サーバに対して、ポート7100にあるIPC(inter-process communication)用の UNIXドメインソケットを使用してフォント情報を得るように指定します。

ModulePath
オプションのパラメータで、X サーバモジュールを保存する代替のディレクトリを指定します。

Module

Moduleは、X サーバがロードする予定の/usr/X11R6/lib/modules/ディレクトリ内のモジュールを指定します。
モジュールはXサーバに追加の機能を与えます。

<Moduleセクションの例>
Section "Module"
Load "dbe"
Load "extmod"
Load "fbdevhw"
Load "glx"
Load "record"
Load "freetype"
Load "type1"
Load "dri"
EndSection

InputDevice

各InputDeviceセクションは X サーバに対して1つの入力デバイスを設定します。
システムには最低でも2つのInputDeviceセクション(キーボードとマウス)が必要です。

<マウス用InputDeviceの例>
Section "InputDevice"
Identifier "Mouse0"
Driver "mouse"
Option "Protocol" "IMPS/2"
Option "Device" "/dev/input/mice"
Option "Emulate3Buttons" "no"
EndSection

<InputDeviceセクションで使用されるエントリ>
Identifier
InputDeviceセクションの独自の名前を指定します。

Driver
デバイス用にX ロードする必要のあるデバイスドライバの名前を指定します。

Option
そのデバイスに関係する必要なオプションを指定します。
マウスには次のようなオプションが必要になります。

Protocol
IMPS/2など、マウスで使用するプロトコルを指定します。

Device
物理デバイスの場所を指定します。

Emulate3Buttons
2つのマウスボタンを同時に押した時に3ボタンマウスのように動作させるかどうか指定します。

Monitor

各Monitorセクションでシステムによって使用されるモニタのタイプを1つ設定します。

<Monitorセクションの例>
Section "Monitor"
Identifier "Monitor0"
VendorName "Monitor Vendor"
ModelName "Monitor Model Name"
DisplaySize 320 240
HorizSync 30.0 - 70.0
VertRefresh 50.0 - 180.0
EndSection

<Monitorセクション使用されるエントリ>
Identifier
このMonitorセクションを識別させるための名前を指定します。

VendorName
モニタのベンダを指定するオプションのパラメータです。

ModelName
モニタのモデル名を指定するオプションのパラメータです。

DisplaySize
モニタの表示面積をミリメータで指定するオプションのパラメータです。

HorizSync
モニタの水平同期周波数の幅をkHz単位で指定します。

VertRefresh
モニタでサポートされている垂直リフレッシュ周波数の幅をkHz単位で指定します。

Device

各Deviceセクションでシステム上のビデオカード1つを設定します。

<Deviceセクションの例>
Section "Device"
Identifier "Videocard0"
Driver "mga"
VendorName "Videocard vendor"
BoardName "Videocard Name"
VideoRam 8192
Option "dpms"
EndSection

<Deviceセクションで使用されるエントリ>
Identifier
このDeviceセクション用の独自の名前を指定します。

Driver
ビデオカードを使用するためにX サーバがロードする必要のあるドライバを指定します。
hwdataパッケージでインストールしてある/usr/X11R6/lib/X11/Cardsの中にドライバの一覧があります。

VendorName
ビデオカードのベンダを指定するオプションのパラメータです。

BoardName
ビデオカードの名前を指定するオプションのパラメータです。

VideoRam
ビデオカード上で利用できる RAMの容量をキロバイトで指定するオプションのパラメータです。

BusID
ビデオカードバスの位置を指定するオプションのパラメータです。

Screen

Deviceセクションが設定するビデオカード上のモニタコネクタを指定するオプションのエントリです。

Option "<option-name>"
このセクションのエクストラパラメータを指定するオプションのエントリです。
一般的なオプションの1つは"dpms"で、モニタのService Star省電力規定機能を起動させます。

Screen
各Screenセクションでは、1つのビデオカードを、DeviceセクションとMonitorセクションを参照することにより1つのモニタに結合します。

<Screenセクションの例>
Section "Screen"
Identifier "Screen0"
Device "Videocard0"
Monitor "Monitor0"
DefaultDepth 16
SubSection "Display"
Depth 24
Modes "1280x1024" "1280x960" "1152x864" "1024x768" "800x600" "640x480"
EndSubSection
SubSection "Display"
Depth 16
Modes "1152x864" "1024x768" "800x600" "640x480"
EndSubSection
EndSection

<Screenセクションの エントリ>
Identifier
このScreenセクションを識別するための名前を指定します。

Device
Deviceセクションの識別名を指定します。

Monitor
Monitorセクションの識別名を指定します。

DefaultDepth
デフォルトの色の深さをビットで指定します。

SubSection "Display"
特定の色の深さで利用できるスクリーンモードを指定します。
Screenセクションは複数のDisplayサブセクションを使用できます。
DefaultDepthエントリで指定した色の深さ用に1つのDisplayサブセクションが必要になります。

DRI

オプションのDRIセクションは、DRI(Direct Rendering Infrastructure)用のパラメータを指定します。

<DRIセクションの例>
Section "DRI"
Group 0
Mode 0666
EndSection

2008.03.21