第3回 イレウス
イレウスの腹部単純写真がきわめてよく出題されている。診断は、典型的なニボーを伴う、小腸ループの拡大でわかる。問われるのは、患者の治療方針をどうするかが多いようである。
ポイント
解説
通常は、術後の癒着性イレウスが最も多くなる。この場合は、ほとんどが小腸レベルでの閉塞となる。癒着のみでは虚血症状がなく、患者も安定した状態の場合が多い。治療として、絶食と補液をしながらイレウス管を留置して減圧をはかることで改善することが多い。しかし内ヘルニアやクローズドループを形成して、腸間膜が締め付けられると虚血になり腸管の壊死を起こす。こうなると、重篤になるため、緊急手術の適応となる。患者様の一般状態や、腹膜刺激症状、CTでは虚血腸管の壁肥厚や造影不良、腹水の増加などで判断される。
国家試験的には、大腸癌のため生じたイレウスなども出題されることがある。