中年東北ツアー1回目 090423
機体を替えて準備した去年は東北ツアー向きの条件にならなかった。3月から用意してきたがよりによって明日は結婚20周年記念日というのに西高東低の気圧配置が予想された。
 何とか何とか家内に承諾をもらって前日に長野へ入った。ただ無理はダメよ、まずは750Kでも良いじゃないのありがたいアドバイス付だ。家内には本当に感謝しています。
既に着いていた小澤さんと色々打ち合わせして翌朝4時過ぎに起床の予定で消灯。(実は前日も興奮してよく眠れなかったが今夜も午前3時過ぎにF目覚めてしまった。)
 JA200Aは万場さんのエスコートで2機、3名のツアーとなる。50MBの参加は都合悪くキャンセルとなった。
フライトファイルはこちらにhttp://www3.onlinecontest.org/olc-2.0/gliding/flightinfo.html?flightId=-687561482しばらくはあると思います。


  
 西風と言うよりは北西の成分が強い、その傾向は後半に顕著になるようだ。北アルプスよりは小谷村ポイントか草津が使いやすいと判断した。
ただどう見ても雲が多くてギャップがない状態。無情にも1番バッターとのご指定。行けるだけ北アルプスへ向かおうとウインチで7時前に離陸。(ウインチドライバーの中澤仁さんには2日にわたりお世話になりました、本当にありがとうございました。)
 長野から15K、2波のローターに遭遇してエンジンを止め雲の薄いところを捜して上がろうともがく。飯縄山の方に日射を認めたので変針した。飯縄の西斜面でリッジしながら上げる。
JA200Aから草津方面はギャップもありウェーブコンディションであることの連絡をもらう。JA200Aは滑走路上空で上がりの良いところでエンジンランして草津ウェーブに向かったらしい。
   
こちらも飯縄の斜め西風下の波動で上げて1.2Fどうやら雲上に出た。全く素晴らしい雲海だ。彫刻刀で削ったように草津上空にギャップが観察できたので。220−250で突っ込む。
0802 1.0Fで+に振り切り始めた。12分で1.6Fに達したのでオフサイドコントロールとコンタクトして東進を始める。
 谷川岳、赤城で上げて男体山のウェーブを目指す。
0834 JA200Aは先行していて1.7F位のところで上昇していた。少し上げて高原山の西を通って那須に入る。1.8Fまで上げて0944北上開始。この辺はまだギャップが多いが北の方は全く雲海のように見える。(下左0847  右0948撮影)
 
1040蔵王のウェーブに入る。1.3F−1.6Fまで上げる。その後ギャップのないところは飛び越しながら北上した。
(下左1024  右1033撮影)
  

0954船形山手前でギャップが完全になくなり、ターンする。1.2F。風が強くないせいか山系によってギャップの方向がバラバラだ。蔵王の1波に入れない、雲の縁で上げてどうやら1.9Fまで回復。
1146あだたらの北で1.7Fまで上がる。東京コントロールの指示で1.4Fを維持するように努力して飛ぶが、、、1149西那須野ICを回り再北上する。雲海ではあるがうねっているのでウェーブの位置を推測できた。ギャップがあるときはラインが見えるので楽なのだが、、。
  

 1000Kは1旋回点目で北上できなかったので無理だがせめて750K位は行きたいと思い、西那須野から100K以上北の旋回点までは行くことにする。
午後2時になった。直近の旋回点まで延ばして七宿Pをクリアする。これが失敗で少しでも北の旋回点をと思ってしまい、沈下帯を飛んで廻ったのであだたらの1波に入れない。1波はギャップが閉じているのだ。もう少し高度があれば整流域に横から入れるのだが。しばらく頑張るが0.7Fを切ってしまい(福島空港ローカル)やむを得ず風下の2波に突っ込んでローターで上げ直す。ようやく高度を回復し1波に移って1.5Fまで上げて南下する。結構時間をロスしてしまった。
  

1539那須着、関東の方は雲がばらけてきている。男体山で上げて赤城山の風下にパフを観察できたのでウェーブを期待して突っ込む。0.87Fから1.3Fまで上げた。感謝。
まだ日没までは間があるので何とかガソリンを節約して帰りたいと思う。相馬が原タワーとコンタクトして上空を通過する。長野原まで来た。相馬が原のすり鉢ぎりぎりで0.6Fでエンジン始動。1740。浅間牧場ローカルで四阿山を迂回して帰着。菅平以北はまたまた雲海のため少しエンジンをかけ直して長野市街が見えたところでカットした。
1819着陸。北部は雲量が多くギャップがほとんどなかったのとウェーブの方向がまちまちで紛らわしかった。2−3−4波位までしっかりしているウェーブの1波に入り込むよう心がけた。
 コントロールは親切だったがスピーカーが後ろにあり外泊用の荷物を押し込んでいたので180−200Kで飛ばしているときは良く聞こえなかった。呼ばれたような気がしたときは120K位まで減速して応答した。ラジオチェックをされてしまった。
 後で色々検討してみると妻沼に降りることを前提にすれば950K位は行けたようだ。北西の風も巡航速度から考えると悪くないようだ。そのせいか赤城のウェーブも夕方まで生きていて助かった。通信技術を勉強せねばと痛感した(初めは電波が空かなくてなかなか交信すら出来なかった)。トラポンの周波数セットも効率的にしたらもっと楽だったはず。スピーカーの位置も前に持ってくる必要がある。酸素は5Lの半分強残っていたので高度が上がらない場合は3Lボトルでも12時間は持つと思う。バッテリーも増設しておいたが充分持つことが分かった。ガソリンは4L弱使用した。水は1L持っていったが夕方なくなったのでもう少し必要である。防寒つなぎ+オーバーズボンで全く寒くなかった。これ以上は機体のためにも上がらないので今後ともこの仕様で大丈夫と思う。 

夜にトンカツ屋で反省会を開く。生ビールがうまーいのではと注文したが何故かそれほどではなく、食い気が勝っていたようである。トライに出させていただいた皆さんと家内には感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。 ベンタスには−フラップが4つある。今回は270Kまでのネガフラは使用していなかった。もっと条件の良いときに充分使って北を目指したいと思います。

ツァー2回目 090427
23日の夜は小澤さんとクラブハウスに泊まり、翌早朝 2機分のフライトデータによって二人で昨日の飛行を再現、話し合った。グライダーパイロットにとっての至福のひとときを過ごした後に新潟へ向かった。妙高高原は新緑が美しい季節が始まっている。積雲と青空を眺めながら昨日の飛行を叶えてくれた日本の山と風に感謝して来年も又よろしくと帰路についた。
、、、はずだったのだが、会議等仕事をこなして夜に家族から(1000Kはちょっと届かなかったがとりあえず無事帰着の)祝賀会をしてもらった。寝る前に気象予報を見ると23日に飛ぶ前からの予想通り27日は23日ほど悪くなく、等圧線もラインがスムーズになっている。より良い条件のように見える。私の腕でも1000k行けそうな気圧配置になりそうだ。万場さんにメールを打ち、またまた家内に何とかお願いする。この埋め合わせは某所の専門店で何とか、、、で何とか再チャレンジ出来ることとなった。

   
 今回は月曜日になり日曜日は私は当番のため長野へ行っているため、前日からの準備も出来る。母校の妻沼合宿は26日からで降りたら翌日ウインチで上げてもらえるかも知れない。28日ならサーマルで長野へ帰着できそうな条件である。なかなか得難い好条件が重なった。
 26日はだいぶ西風が強く、キャノピーを痛めた機体もあったほどだが、私はこの風が明日売り切れてしまうことを恐れ、気が気でなかった。
夕方02CTを組み、カバーを掛ける。万場さんも来て、CTを見て、505も組むことになった。
ガスアップ、バッテリー4個セット、EDS電池を念のため交換、トラポン周波数を順序よくプリセット、ロガーへのタスクセット、酸素ボトルの交換を行った。酸素ボトルを複数持っているとこんな時便利である。フライトプランも入れて準備は完了である。
 
27日 0415起床。 3時頃からうつらうつらしていたが気分は上々である。5時からカバーを外し発航点にセット。ウインチドライバーは前回同様中澤仁さんである。出社前に上げてもらう。
 北アルプスは前回同様全面雲が厚く、ギャップを示す日射がないと言うか飛んでいくような条件ではない。505はエンジンに仕事をさせて1.0FL位まで上げて雲海を突っ切る作戦だ。こちらは記録狙いなのでスタート地点は出来るだけ西で可能な限り低くのポリシーがある。前回も6000F程度だった。今回も低高度でスタートして何とか雲の隙間で上げたいと思う。
 0600頃505離陸、続いてこちらもウインチで上げてもらう。
 先発の505は高く西へ向かっている。こちらは上がりが悪いので低高度で西へ向かう。しばらく進む内に追い抜いてしまった。高い高度は西風が強いようで、これならギャップがあればウェーブに入れると確信する。
0625 2波(長野から15K西)のローターに当たり5300Fでエンジン格納。回りは雲の壁だ。+2−3Mで上がり出す。しばらくは下しか視認できなかったが雲の上に出られてホッとする。505は北アルプス方面まで行ったがダメだったそうでエンジンランで草津に入ったようだ。
 1.35FLまで上げて0653草津方向へ出発する。四阿山風下にギャップがあり0706そちらで+振り切って9300Fから1.5FLまで上げ草津に移動し1.8FLまで上昇した。前回と同様雲海状態だ、今日は早めにエリアHを出なければ行けない。雲海だが谷川方向にかけてギャップが続いているので尾瀬付近のウェーブラインを使って北東方向へ進む。 
  0708四阿
  0714草津
 0845那須岳着。1.36FLまでしか上がらない。色々探り北側で1.5まで上げて北上開始。しかし今日は整流域に入っても1.3−1.5以上にはべったり雲がかぶっており上がれるのだがインクラウドしてしまうのでやむを得ず日射の全くない(黄泉の国の景色のような)景色の間を使って北上を続ける。
09021122
 船形山をクリアした、1.0FLを切る。今回も1000Kは無理な気象なのでここで折り返し蔵王で雲底の1.3まで戻す。

 那須着1130 1.0FLを切る。しばらくはローターのみで整流域にうまく入れなく厳しいが風が弱くなったのと低減率が良いためではないかと思った。荒れたサーマルモードと考えれば高々度である。この付近は日射も平野部はあるのでローターのパフで上げつつ西那須野ICを1211折り返す、8400F。そういえば那須の東でニンバス4DMが下を飛んでいました。他のグライダーを見かけてちょっと嬉しかったです。
12281407
 1340雲の切れ間に飯坂空港を確認した。これで板倉着でも750Kにはなるので折り返す。南部は雲がばらけていてウェーブも期待できない。男体山付近にはコンバージェンスの雲が見えるが那須で上がるウェーブはなさそうに思えたので雲の残る那須岳西側の山の+を期待して変針した。これが失敗で−が続き、這々の体で那須の東斜面を滑り降り平野部のパフに滑り込んだ。+も3程度振るときもありローターに間違いないが整流域にスムースに入りきれない。上空の風とのシフトが原因かと思うが1.0以上上がらないので男体山方面へ果敢に攻めて南下する。 足尾も探るがぱっとしないので(後で聞くと午後しばらくはウェーブがあったようで505はここで上げて帰着した)やむを得ずに赤城山を目指し草木湖で低くなりつつも+で繋ぎ西へ向かう。
 草木湖のダムをこんなに大きく見たのは初めてである。赤城の直前で安全のため1605エンジン始動、ここでジグザグタスクは800Kで終了した。少し赤城に向かう、とたんに赤城のウェーブに入ってしまい苦笑い。でもその頃は「もうローターなんてうんざり」のへとへとモードになっていました。
 1426
 赤城で+3〜4,1.0F以上上がりエリアHの北側を迂回していく。湯沢の町の南を抜け、谷川岳の南を西へ向かい草津の町まで+で繋いでいく。なかなかスリリングなレグであった。硫黄の臭いは嗅いだが23日の200Aのようなウェーブはなく山を越えられない。1742ここでエンジン始動し帰着した。

 四阿山を迂回したくなかったので鞍部を抜けようとしたが非力なエンジンのため越えられず浅間牧場ローカルでガストに翻弄されながら菅平を超えて長野盆地に入った。
無線を聞いて中澤さん、万場さん、小川さん、中野さんが滑走路に来てくれた。大感謝。またまた日没直前まで飛んでしまった。今日は本当に疲れた。疲れて食欲も感じないほどだった。
フライトのログはこちらです。http://www3.onlinecontest.org/olc-2.0/gliding/flightinfo.html?dsId=789277

今回はスピーカー位置を変えたので東京コントロールの指示もよく聞こえ、他のIFR機やVHR機とのクリアランスもとれ、安全に飛ばせてもらえ、リスクがなかった。トラポンの周波数も順序が良かったので非常にスムーズに変更できた。(皆さんは既にやっておられると思いますが、、、)
水は1.5Lと増量したが大体足りた。
私の予想通り上層の風は昼前から弱まり1−1.3のバンドでしか飛行できなかった。後半は風向も変位し、荒れたローターを使って飛行した。+アベ1.9M、150−200Kの速度域でした。
 最終レグで那須の西を飛ぶ過ちをせずにスタックを回避して、男体山のコンバージェンスが6時頃まで使えたとしたら3レグで蔵王の北まで延ばして妻沼へファイナルをかけてこの悪条件でもジグザグ950Kは飛べたと思う。こんなしょぽい悪条件でも750K以上飛べたのは早出させてもらったおかげでした。今回2日とも800K飛べたので、次回は確実に1000k飛びたいと思います。 又、バロを見ると今回のはとてもウェーブ主体とは思えないようなノコギリ状態となっている。23日と比べても顕著である。サーマル主体でも国内1000Kが可能ではないかという期待を抱かせるフライトでもありました。サーマルによる1000Kはちょっとかっこいいと思いませんか。

2日の航跡を重ねてみると27日の方がより西側スタート出来、北へも進出できている。27日の赤城をうまく繋げられればおもしろい展開になったと思う。