iMac改造コーナー

我が家のメインマシンであり、本人は今だに最新型と思っているiMac(Rev.B)ですが、すでに後継機も何世代も出ており中古市場では50000円以下で売られているのを見ると、ジャンク一歩手前からジャンク突入中ってところかもしれません。しかし、一応はあの最新鋭OSである”おーえすてん”もサポートされているし、ふだん使う分で”遅くて仕方が無い!!”と文句をいってる人に、会ったことがありません。

但し、他のコーナーを見られた方はお分かりかと思いますが、”本体より高いメモリ”などを探さなくて済むのは、まだ対応製品が生産中止になっていない(その上に、在庫処分がかかりはじめている)今くらいが最後のチャンスかも知れません。というわけで、このコーナーでは私がiMacに施した改造(?)を書いていきたいと思います。


1.HARMONi G3にアップグレードする。

いよいよこれで打止めかもしれませんが、今後の円高(日本経済の復活)への期待とあまりの品薄状態から新型iMac(Flat Panel)の購入を取りあえず見送った私は、今後2年間の延命のために、既に購入以来3年半(PCとしては、既に完全に旧型機ですね。)が経とうとしているiMacに大規模投資を実施しました。

以前から買おうと思っていたSonnet TechnologyのHARMONi G3(左写真)によるCPUのパワーアップ(233MHz→500MHz)とFireWireの増設と、既に当初の4GBから20GBに換装していたHDを60GBへの増強です。

60GBのHD(右写真)は近所のDOS/Vパーツ屋で12000円で購入しました。今どきのものとしてはちょっと遅いATA100・5400回転のMaxtorせいですが、元々のiMacの仕様から考えると充分なはずだし電源の容量にも不安はあるし、価格的にもこなれているのでこれにしました。(メモリはその時々で価格の上下がありますが、HDはこれからも安くなる一方だろうと思いますし。)しかし考えてみると、HDって既に充分安いですよね。これからはバックアップメディアなんて不要でHDを入れ替えるほうが安上がりなんでしょうね。

(左写真)写真左側がHARMONiで右側がオリジナル

  

HARMONi G3の方は非常に絶妙な値付けで、43000円で購入しました。秋葉原のどこでも品切れ状態だったのですが、唯一LAOXだけが在庫を持っていたので、次にいつここまで来れるかわからないことを考慮して、ちょっと高いかとも思ったのですが買ってしまいました。別に最新型になる訳でもなくほどほどの性能向上しかしてくれないアップグレードカードなのですが、初代iMacには充分なパワーアップですし、同等な性能を持つ(例えば)iMac DVの中古価格はまだこのカードの価格までは下がっていません。だいいちあのデカい本体はこれ以上欲しくもないし、今までの資産(拡張ボード類も含めて)を有効利用できません。そういう意味では前述したように非常に絶妙な価格設定だと思います。私は爆発的に売れてるのかな、と思っていましたが、秋葉館で聞いたところによると、あんまり買う人もいないし売れるようなものでもないとのこと。元々iMacを買ったような人は、こういうことにあまり興味がないのかも知れません。確かにオリジナルのスペックのままでもインターネット等をOS9ベースで使う分には充分ですが。

FireWireには電源を供給します。(右写真)

    

取り付けは簡単です。今までにメモリの増設等で一回でもバラしたことがあるなら、何の問題もないでしょう。工夫されてるFireWireポートやメザニン・スロットも使えるようになっている交換用のサイドボード等も含めて良く出来てる、と言っていいと思います。

注意点は(実は取扱説明書にも少しだけ書かれているのですが)、今回のようにHDなども入れ替える場合、まずはHDなどのハードウェアをオリジナルのCPUでしっかり立ち上げた後に、HARMONiに入れ替えるべきでしょう。面倒臭がりの私は、もうあんまりiMacの中も開けたくないな(元々改造する事を考慮されていないiMacは分解される想定では作られていないので、何回もバラすのはネジ穴等に負担がかかるような気がします)と思い、取りあえずHDを入れ替えてOS9だけを(CD-ROMから)インストールして、すぐにHARMONiを取り付けてしまったために非常に苦労しました。何に苦労したのか?といえば、

1.OS Xをインストールできない。当たり前かも知れませんが、OS Xはサードパーティのアップグレードカードをサポートしてません。結局、MacPower3月号に載っていた裏技(?)を使って、元のHDから(OS X 10.1.3)コピーしましたが、それでもどうも調子が悪い(カーネルパニックなんて初めて見ました)みたいなので、再度OS X 10.1.3のアップデーターをかけて今のところ様子見の段階です。

2.中途半端にOS9.2もインストールしているので、従来のアプリケーションが動かない場合がある。どちらにせよ、今までのデータはHDごと置いているので、全然致命的ではないんですが。

3.結局、他の拡張ボード(SCSIカードやシリアルポート)を増設しているために、OSの方で機種を判定できないみたいです。そのせいで、OS9も含めて不安定ぎみです。OS XはiBook(Late2001)のものをコピーすることによって何とかなりそうです。それと懸念しているのは、そんなこんなで電源容量が不足してきているのではないか?ということです。

取りあえず、付けてみた感じとしては少しは早くなったかな?という感じで、それほどのインパクトはありません。但し、FireWireは完璧に動くようです。それだけでも嬉しいんですが、特にiBookと組み合わせることで”ターゲットディスクモード(昔のSCSIディスクモード)”が可能になったので、データのやり取りが簡単になりました。Ethernet標準装備の今のMacにはあまり必要とは思われない機能ですが、やっぱり昔からのMacならではの便利な機能で使いやすいんですよ。しかもFireWireだけに抜き差し自由だし、Ethernetよりも早いし。 

気になる速度向上について、まずは最近あんまり当てにならないんじゃないか、とも思ってますが、一応はNorton先生の診断から・・・。

iMac(HARMONi)というのが今回の判定です。iset's iMacというのが従来のものですから約50%の能力アップとなりました。気になるのはディスク性能が低下している理由ですが、やはり2次キャッシュが半減(512MB→256MB)しているのが効いているのではないか、と思われます。

続いては、起動時間の比較です。HDを載せ換えてからCPUカードを付け替えて比較してみました。ほぼプレーンなシステムでの比較なので、実際にはもっと時間がかかるでしょう。それと、OS Xでの時間がオリジナルで短いのは再起動を繰り返した後のデータだからと思われます。まぁ、それなりの改善と言えるでしょうか?

iTunesの変換については、オリジナルでは再生しながらの読み込みでは平均1.4〜1.7倍くらいだったのですが、HARMONi搭載後は2.5倍以下になることはありません(CDから直接読み込む場合)。iBook(Late2001)に比べるとやはり遅い(iBookの場合、4倍くらい出ます)ですが、満足出来るレベルです。もちろん、HDを交換させているのも貢献しているのでしょうが。

*ところで、残念ながらOS X(Ver.10.1.5までの段階では)との相性は、あちこちで話題にはなっているようですがあまり良くありません。起動に失敗するケースが頻繁です。それも、OSを読み込む前、読み込んで、デスクトップを表示する前、表示が済んでもちゃんと動かない等症状も様々です。再起動を繰り返すときちんと立ち上がる場合もあり、そうすれば結構安定しています。上記のようにOS Xが上手くインストールできなかったので、イレギュラーな方法でインストールしたせいかも知れませんが、どうも増設したFireWireが悪いのかも知れません。色々ネットで調べてみても、どうも原因がハッキリしないようです(電源不足や熱対策などの可能性もある)。

*結局OS X10.2.3まで我慢しましたが、どうも調子が悪いままなのでカードを交換してもらいました。それ以降、まったく不具合がありません。輸入代理店に聞いたところ、初期不良品が結構多かったとのこと。Sonnet製品の特徴かもしれませんが、特に製品が出たばかりの時に入手していまだに不具合に悩まされている方は、是非交換することをお勧めします。


2.iSubを接続する。

本来は、スロットローディング型iMac専用として作られたウーハーユニットであるiSubですが、Y氏の近所で有名パソコン店がオープンセールとして投げ売りしていたので、Rev.B iMacでは使えないことを承知の上で買ってもらいました。

確かにOS9.Xでは鳴らないのですが、OS Xではちゃんと鳴ってくれます。写真では新iBookと写してますが、もちろんiBookでも対応外のはずですが、同様に鳴ってくれます。iMac自体のボリュームを上げ過ぎると、出るはずのない高音が歪みます(この原因が、正規対応品でもなのか、OS Xのドライバーのせいなのかは不明です)が、下にある外部スピーカーと組み合わせてボリュームの調整をすると、なかなかの音になります。OS Xでのみというのが気に入りませんが、何にせよ以前買ったものが有効利用できるようになったというのは、気分がいいものです。

どうしても、OS9でこのデザインを使いたいという方にはこんなやり方もあるにはあります。

*追記:OS X10.2以降はちゃんと低音のみが出力されるようになりました。


3.CD-R/RWを増設する。

別項でも触れていますが、私がiTunesにハマった理由の一つにCD1枚にうんざりするほどの曲数が収められるというのがあります。例えば、車に持っていくCDが1枚で済むというのはCDチェンジャーを持っている人でも魅力的でしょ?ましてやそんなものを持っていない私にとっては言わずもがなです。そんなわけで、MP3/CDプレーヤーを物色しているうちに見つけたのがこのSONYのCRX10Uです。これが実に日本人的な発想の傑作で、普段はUSB接続タイプのCD-R/RWドライブ(4倍速)なんですが、なんとなればポータブルMP3/CDプレーヤーとしても使えるというものです。一般的なポータブルCD-R/RWドライブがPCとの接続を前提としてバッテリーなどが内蔵されていないことを考えると、いかに革新的かというのがお分かりかと思います。たまたま安く(通常のMP3/CD専用のプレーヤーより少し高いくらい)売られていたので、思わず買ってしまいました。買ってから良かったと思ったことはApple純正のDisc Burnerにも対応しているので何もしなくてもiTunesで直接CD-R/RWに焼けるたりCD-ROMとして使えることと、内蔵バッテリーだけでCD-R/RWドライブとして機能することです。但し、欠点はそのDisc Burnerでの書き込みが今イチ安定しない(USBだから?)のと、バッテリーの時間が短かめなこと(その上、乾電池は使えない)です。ただ、ポータブルのMP3/CDプレーヤーの機能+αとしては充分すぎるほどです。今のところこれで焼いたMP3のCD-Rを余っていたアンプ内蔵のスピーカーに繋いで居間で聞いています。これからの心配はSONY製だけにすぐに潰れるんじゃないか?ということです。


4.iMacでテレビを見る。

昔のPerfomaシリーズでは”Macでテレビが見れる”ってのがウリの一つでした。よく考えてみると、パソコンでテレビを見れるってことに大した意味は無いと思うのですが、それでも、”パソコンが置いてある部屋にはテレビが無いけど、サッカーが気になる。でもメールもチェックしたい!”という様な人もいるかも知れません。そこで登場するのが、この機器(左)です。USB接続でテレビが見れる機器で、日本ではNOVACというところが、”CATCH TV”という商品名で売っていますが、元々アメリカで”LifeView TV”と言う名前で売っているもので、DOS/Y部品店などで6000円位で売っているのを見ました(私自身はそれよりも高い中古品を買いましたが。)ドライバーがHPにあるので、対応機種(一般にWin専用としているものが多いが、装置は共通なので)に関係無く安いものを買うべきです。

一応、映像の取込みなども出来るようですが、気になる画質はUSB接続ということもあって、あまり良くありません。但し、取りあえずテレビを見るくらいの用途なら別に支障は無いでしょう。我家の場合、USBハブを2つカマしている(基本的に電源はUSBから供給されるので、あまり電気を食いそうな機器と同じハブで共用するのは不可能)ので、Macに写し出される映像と本体から出される音声に時差が生じるのと、最新のドライバーを使わない(NOVACのHPに置いてあるのはダメ)とうまく動かなかったことなどがありましたが、使ってみると結構重宝します。

*ついでに、ジャンクで売っていたこともあって、これに付けれるカラーCCDカメラを買いました。画素数とかは不明ですが、あまりきれいな画像ではありません(右の通り、但し実サイズは320×240)が、ビデオとして見ればなんとか許せる範囲です。ドライバーは上記の分でO.Kなので、取込み等は簡単です。まぁiVisit(Mac用テレビ電話?ソフト)でもしようかな。ちょっと紙芝居っぽくなるのかも知れないけど。

  


5.メモリの増設

上記のほか色々なところで書いているように、うちのiMacには”OS X”がインストールされてますが、メモリについては、2年半前に購入した時に128MB(64MB×2)にメモリを増設(標準は32MBだったはず)したきりでした。クラシック環境(OS X上でOS9.1のソフトを動かす環境)を起動しなければ、まぁ遅いながらも使える、という感じだったのですが、クラシック環境を立ち上げて何か(例えば、このHPの製作)をしてみて、こりゃ使えん、という結論に至りました。雑誌などを見ると、OS Xは今までと桁違いにメモリを使うらしく、タイミング良くメモリも値下がりしているので、なにはともあれメモリを増設してみることにしました。御存じのようにiMacのメモリスロットは2つしか無いので64MBが1枚無駄になりますが、128MBの新品・メーカー品のメモリが5000円で買えるのはこれが最後かも知れないと思って決断しました。

取り出したiMacのロジックボード部です。一般的な増設や改造はこの部分でしか行われない、と思います。ロジックボード部分を取り出したり入れたりするのは、ちょっと面倒臭い上に、あまり頻繁に行うのは、匡体の材質の強度を考えると問題があるかも知れません。

メモリ交換は右上の網の部分をはずしてCPUボード部分を露出させて取り付けます。

メモリ自体は一般的な144pin SDRAM S.O.DIMMのもの(DOS/Vノートでも良く使われている)なので、入手は容易なはずです。ただし、いわゆるバルク品でも大丈夫かどうかは不明です。

結論としては、OS Xのクラシック環境でも”なんとか使える”レベルにはなりました。CPUはG3/233MHzのままなのですが、メモリが64MB増えただけで、ジニーアクション等も滑らかに動くようになります。つまり、OS X導入を考えている人(勧めるわけではありませんが)は、最低192MBのメモリが必要だと思っている方がいいかも知れません。(しかし、昔からMacはメモリを食うコンピューターだったわけですが、このOS Xはちょっと異常ですね。メモリが安くなったから良い、という問題では無いと思います。今後のバージョンアップで必要メモリが少なくなる方向(未だかつてそんなバージョンアップは聞いたことが無いですが)に行ってくれませんかね。)

滅多に見ることの無いCPUボードの裏側です。(メモリーを交換するにしても、普通は表側を換えるでしょうから。)

上記のメモリー増設の後でさらに格安のメモリ(128MB)を購入したので、裏側も交換して、一応Appleで保証している最大メモリまで増設しました(計256MB)。本当は512MBまで増設することが可能らしいのですが、ちょっと触ってみたところでは、前回の様なOS X環境でのスピードアップが感じられなかったので、もういいかな、と言う感じです。大体、既にカラクラに標準搭載されていたハードディスクよりもメモリの容量が大きくなってると考えると、感動的(?)ですよね。

後日談:この項を書いてから1年と少し経ちましたが、ようやく納得いく値段(4000円/枚 但しPC100)で256MBのメモリを手に入れることができたので、2枚買ってきて増設してみました。これで最大限メモリ(計512MB)を積んだわけですが、効果としては、(ちょっと触ってみた感じでは)OS Xが少し早くなったかな?という程度のモノで、それより余った128MB×2枚のメモリをどうするのかの方が気になっています。


6.レガシーポートの増設

2項で開腹したついでに、iMacにシリアルポートを増設することにしました。以前に”スティルス・iMac”という内蔵モデムの代わりに取り付けるものを1000円(まさに投げ売り!)で買っていたのですが、ADSLにしたお陰でモデムが不要になったので付けてみることにしたわけです。USBとの変換アダプターも売っていますが、それに比べて、1.MIDI機器が使える 2.AppleTalkが使える 3.もちろんシリアルポート接続のプリンター等は当たり前、というメリットがあります。別にAppleTalkは必要なわけでは無いんですが、MIDIが使えるのはちょっとだけ魅力があります。

うちのiMacのI/OポートにはSCSI(下の部分・特殊なコネクター)と後付けリセットボタンがあります。今回モデム(電話の絵の下部)のところをシリアルに交換します。

上の写真のロジックボードを裏返すと、モデムカード(見にくいですが上の方に挿さっています)があります。その下にあるのがSCSIカードです。

そのモデムカード(上)を外して、シリアルポートカード(下)に交換します。モデムカードに比べると、非常にシンプルな何も付いてないカードです。

まだ取り付けたばかりなので、使用感については、追ってレポートしたいと思いますが、さらに以前からうちのiMacにはiProRaidというSCSIカードを取り付けています。こちらの方は謎の”メザニン”スロットに挿すカードでもう製造中止になっていますが、特に相性が悪い機器に当たること無く、CD-RやPBのSCSIディスクモードなどに大活躍しています。ジャンク周辺機器でもこのようなレガシー対応の物は特に安くなっているので、そう言う意味でもレガシー対応はまだまだ重要、かもしれません。とにかくうちのiMacは今どきのMacとは思えない程、バリバリのレガシーマシンになっています。本当は、どこかがFireWireのカードを出してくれないかなぁ、と願っているんですが。

*これまた残念ながら、iProRaidについては(今のところ)OS Xはサポートされていないようで、認識さえしてくれません。FireWireの増設は出来たのに、ちょっと残念です。なんとかメーカーのFormacには対応を願うばかりです。


7.外部スピーカーのお勧め

皆さんはiMacでCDを聞いてますか?iMacに付属のスピーカーは”パソコンにしては”音がいい、などという人がいますが、これはひいきの引き倒しというべきで、どう考えても良い音がするとは思えません(私もそんなに詳しいわけではありませんが)。是非、外部スピーカーをつけることをお勧めします。どんな安物でもiMacの物よりはマシなはずですし、CD(あるいはMP3とか)を聞く気にもなってくるはずです。

(左写真)汚い机の上ですがiMacとスピーカー

(右写真)スピーカー COZOという商品名ですが、iMacが出てからすぐにiMac型スピーカーとして売り出されたはずです。確か、もう生産中止になっているはずです。私は、(恐らく)店頭展示品を500円で買いました。まぁまぁ低音も出るので使えます。

私も、最近音楽を聞くことが無いので、せめてiMacに向かっている時くらいは音楽を聞くようにしようと思っています。


何か御質問・御要望・御指導などがあれば、下記にどうぞ。

iset@mac.com

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