「と、言うわけでも部屋割りに入れようと思うんですけど」 ジープの上で八戒が言う。 それは次の街がもう近くに見えたころ。 「どうでしょう?」 ハンドルを緩く切りながら、ちらりと三蔵を見る。 と、悟浄が八戒のシートに手をかけてニヤリと笑う。 「イーんでない?」 すると悟空もにっこり笑ってを見る。 「オレも、と一緒の部屋になりたいな」 「あー? 馬鹿ザルもついに色気づいたかぁ?」 「ちげぇよ。悟浄と一緒にすんなよ」 「じゃなんだよ?」 「だってさ、イビキかかねぇし、なぐらねぇし」 「……あ、そ」 「三蔵はどうですか?」 「がいいならかまわん」 「は?」 ちらりと八戒がバックミラー越しにを見た。 「もちろん、かまわないよ」 はにっこり笑ってそう言った。 宿に着くと、八戒がいつものように部屋を取ってくる。 「今日は、二人部屋が1つと、3人部屋が1つになります」 ニコリと笑って戻ってきた八戒がそう言った。 「オレ、と一緒がいいな」 悟空が喜々として手を上げる。 すると、悟浄が八戒の肩を抱き寄せた。 「オレは八戒とな。イーだろ?」 きょとんとして悟浄を見た八戒から三人部屋の鍵を取ると、それを三蔵へと投げた。 無表情に鍵を受け取ると、三蔵がすっと歩き出す。 「行くぞ、、悟空」 「待てよ、三蔵! 行こう、」 悟空がに手をさし出してくれる。 ちょっとテレながらその手を取ると、も歩き出した。 夕ご飯を食べて、お風呂にも入って、寝るのにはちょうどいい時間。 いい時間なのだが……。 「もう一回!」 悟空がカードを投げ捨てて、に言う。 「もうやめようよ〜」 そもそもカードゲームなんて二人でするもんじゃないってば。 は座っていたベッドに身体を投げ出す。 「もう一回っ! 一回だけだってば」 「さっきもそう言ったじゃん」 「う……、今度こそ本当にもう一回だってば!」 悟空の負けず嫌いのせいで、二人でカードに興じること、はや○時間。 いい加減あきてきたは、すでに寝の体制だ。 「やだったらヤ。明日にしようよ」 「いやだ! まだいいじゃん、やろうよ!」 「勘弁してよぅ」 ごろんと布団に潜ろうとするを引っ張って悟空がごねる。 「眠いってば」 「お願いっ、後一回でいいからさ」 「絶対一回じゃ終わらないくせに〜」 「そんなことないって!」 「でも……」 スパアン!! の発した言葉は三蔵の振り下ろしたハリセンのせいで、不自然に途切れた。 「うるせぇ! さっさと寝ろ!」 眉間に皺を深々と刻みながら三蔵が二人を見下ろす。 「でも…」 悟空が往生際悪く呟くと、再びそのハリセンが振り下ろされる。 「う・る・さ・い」 じろり。 「ハイ」 仕方なしに悟空が散らばったカードをしまい始めた。 「馬鹿馬鹿しい。寝るぞ」 三蔵が法衣を脱ぎ、無造作に椅子にかけるのを見て、悟空がきょとんとした。 「もう寝んの? 早くねぇ?」 「たまにはいいだろ」 ばさっとさっさと布団を掛けると、三蔵は一人で寝の体制に入ってしまう。 「変なの」 悟空がつまらなそうに言うと、は三蔵を見る。 「ひょっとして私に気を使ってる?」 「違う」 三蔵の即答に、はおかしくてついくすくす笑ってしまう。 「ありがと」 はお礼を言って、ベッドに入り込んだ。 「お休み」 「おやすみ〜」 悟空と二人、にこにこと笑いながら挨拶すると、手元のライトを消す。 月明かりが差し込む室内で、今日はよく眠れそうだとは目を閉じた。 意識が覚醒していく感覚。 夢から引きずり戻される、妙な目覚め。 胸を、何かが這っている感覚。 重たいまぶたを押し上げると、金色の髪が見えた。 「三蔵…?」 口にすると同時に、ぞくりとした快感が駆け抜けた。 「っなに……?」 「スマン」 耳元で、荒い息で囁かれる。 月明かりに眩しい金の髪が、僅かに揺れた。 の胸を、するりと三蔵の手が撫でた。 「っあ…」 はだけられた胸元、濡れた下着。 知らぬ間に上がっていた熱に、の頭がかすむ。 「ふ」 声が漏れそうになって、慌てて自分の指を噛んだ。 三蔵の手が、下着の上から割れ目をたどる。 ぴくんと震えた身体に、笑った気配がする。 三蔵の顔はの首筋にうめられていて、表情が見えない。 足の隙間から下着の中に指が忍び込んできた。 性急に愛液のあふれるそこに入ってくると、の身体がのけぞる。 体勢に無理があるせいで、奥まで入ってこないそれにじらされている感覚。 「腰、浮かせろ」 寝込みを襲われ、悟空のいる前だというのに、は思わずその言葉に従ってしまう。 僅かに浮かせた腰から下着をずらすと、三蔵は再び指を中へ入れた。 布団のくぐもりの中からでも聞こえる濡れた音。 くす。 耳元で三蔵の笑いが聞こえる。 そしてそのまま耳朶を噛まれる。 「んっ…ぅ」 人差し指をきゅっと噛んでそれに耐えると、のナカで遊んでいた指が、さらに一本増やされた。 チュ…。 僅かに聞こえるその音に、羞恥があおられる。 「三蔵……、ヤ」 できるだけ抑えた声で訴えると、三蔵はおもしろそうにさらに指を増やした。 三本そこに銜え込まされ、ナカでバラバラに動く指にの足が、だんだん開いていく。 ぴくぴく震える身体とナカに、さらに大胆さを増して三蔵がを追いつめていく。 「も、……ぃくっ」 きゅっと三蔵の指をナカが締め付ける。 ふと、三蔵がに囁いた。 「目を開けて見ろ」 「え…?」 目を開くと、三蔵の顔が目の前にあった。 三蔵が、顎でに何かを示す。 あおられる熱はそのままに、ひくひくするナカをもてあましながら最後の刺激を待つ。 うるんでぼんやりする視界でそちらを見ると、まっすぐな金の瞳と目があった。 「!!」 の耳元で三蔵が笑った気がした。 と、同時に三蔵の指がのナカを掻き回す。 「ふああああっ…」 驚きに声を押し殺すのも忘れて、は果てた。 びくんびくんと、収縮する内部。 三蔵はそこから指を引き抜くと、呆然とするに見せつけるように濡れた指を舐めあげる。 の顔が朱に染まる。 悟空の視線が刺さるようで。 きっと彼はをさげすんでいるに違いない。 こんな浅ましい女、軽蔑してるに違いない。 「」 三蔵が、耳元で囁くと布団を剥いでの身体をさらす。 はだけられた胸元で乳房が揺れる。 「や、やめてっ!」 悲鳴のような声でが訴える。 けれど三蔵はそんなの身体を起こし、その両足を悟空の方へと大きく開かせた。 「いやぁ……!」 あらがおうとしても、所詮女の力では適うわけがない。 あまりの仕打ちにの目から涙がこぼれる。 「悟空」 暗闇で、悟空の身体がびくんと跳ねた。 「さんぞ……?」 小さく問い返す悟空に、三蔵が笑う。 「来い」 悟空が、目を見開いた。 「でも、嫌がってるだろ…?」 ベッドの上で、悟空が目を逸らした。 けれど、三蔵はもう一度繰り返した。 「来い」 びくんと、悟空が震える。 そして、のろのろとを見た。 その目にの身体の温度が一気に上がる。 そろそろと、布団から出てに近づく悟空。 「…」 呼ばれて、身体を硬くするの前まで来ると、悟空は静かに跪いた。 そして、大きく開かれた足の間に顔をうずめる。 「っ…!?」 信じられない思いで、は悟空を見た。 悟空が舌で、そこをなぞる。 「やっ、やめて!」 が叫ぶ。 「やだっ、やめっ」 「うるさい」 後ろから三蔵に乳房をきつく握られ、言葉が途中で途切れる。 「やぁ……」 悟空を汚している感覚。 されているのは自分なのに、悟空を自分が汚している気がして。 下から響いてくる淫猥な音に、耳を塞いでしまいたい思いで、は緩く首を振った。 「お願い、やめて…」 はらはらとこぼれた涙が、悟空に落ちた。 悟空が、目線だけを上げる。 ぞくりと、の身体を快感が走り抜けた。 キレイな、純粋な悟空を汚している感覚。 自分に奉仕させている感覚。 倒錯的なシュチュエーションに、の身体の熱が上がる。 「あ…」 隠そうとしても、身体がそれを裏切って。 濡れた音が激しくなる。 唇を噛んで、が目をきつく瞑る。 「淫乱だな」 三蔵が、後ろから囁く。 乳房をやんわり揉まれ、乳首をつままれると我慢できない快楽がわき出てさらに蜜があふれていく。 「やめてぇ…」 があらがう。 しかし、力の入っていないそれは彼らの邪魔すらできない。 ちゅ。 突然クリトリスを吸われて、の身体が跳ねる。 「あ」 そこに吸い付くように悟空がキスをする。 そして、蜜があふれるそこに指を忍ばせる。 「すげぇ濡れてる」 「!」 まさか悟空にそんな言葉を言われるとは思わなくて、驚きには悟空の指を締め付けてしまう。 それにクスッと笑われ、は羞恥に頬を染めた。 「、かわいい」 伸び上がって乳首にキスして、悟空はそこの指を増やす。 ぐちゅぐちゅと卑猥な音が響いて、悟空は楽しそうにナカを掻き回す。 いいところに時々当たって、そのたびにの身体が跳ねる。 「あっ、あ、…も……」 「イク?」 目をうっすら開くと、悟空の強い視線と合う。 子供じゃない、明らかに男性のソレ。 「ふ……」 ナカを掻き回す指が、激しさを増す。 悟空に見られてる。 まるで視姦されているような感覚に、の羞恥と熱が増し、確実に上り詰めていく。 グチュッと音を立てて、悟空の指がさらに入り込んでくる。 三蔵たちに比べて身体の小さい悟空のソレは、確かに彼らのよりは小さいけれど、手のひらごと入れられるような感覚に、がのけぞる。 いっぱいに広げられたそこ。 ナカを掻き回す指。 「……っ!」 びくんと、の身体が大きくのけぞる。 「ふああっ…、あ、あぁ……」 びくびくと、悟空の手を締め付けて上り詰めた。 痙攣のような絶頂が終わった瞬間、全身の力が抜けて三蔵へとその身体を預けてしまう。 悟空が、ずるりとそこから手を引き抜くと少しだけ開いたそこから愛液がとろりとこぼれていく。 ひくひくと収縮するそこに、悟空が少し感心したように呟く。 「すげぇ、締め付けるくせによく広がるんだな」 あまりに直接的な言葉に、が手で顔を隠す。 「あ、ひくひくしてる」 興味深そうにそこを見つめて、しかも言葉にされはいっそこのまま気を失ってしまいたいとすら思った。 「」 三蔵に呼ばれ、僅かにそちらを向くとの唇に三蔵のそれが重ねられる。 「ん…」 舌を絡め取られ、そのまま身体をうつぶせにされる。 と、の花弁に三蔵のそれがあてがわれる。 クチュ。 濡れた音が響いて、それがのナカに入ってくる。 抵抗もなく飲み込まれていく肉棒。 悟空の手よりは圧迫感のないそれに、の襞が物足りなそうにひくつく。 と、三蔵がの尻をパシッと叩いた。 「っ!」 「しっかり締めろ」 あまりの言葉に、がゆるゆると首を振る。 けれど、ナカは浅ましくも三蔵の雄を貪ろうと収縮を始めた。 「あ、あ…」 の腰を持ち上げると、そのまま動き始める三蔵。 上半身はベッドに沈んだままののナカを思うまま貪る。 「あ、ふあ…」 ひどいことをされているのに、感じてしまう身体。 ナカを擦られれば、快楽が駆け抜けていく。 と、三蔵の手が前に伸びてのクリトリスをすりつぶした。 「ふあっ…」 のけぞって逃れようとするその腰を掴み、最奥まで肉棒で勢いよく犯す。 「あ、ああっ」 ぐりぐりとつぶされるような愛撫にさえ、快楽を感じてしまいナカの三蔵を締め付ける。 「はぅ…」 ぎりぎりまで抜かれては最奥まで貫く三蔵の雄。 「…ふああ」 頭がショートして、ナニも考えられなくなる。 「」 悟空がの顎を取り、呼んだ。 激しい突き上げの中、目を開けば目の前に悟空のソレがあった。 の頬にソレをなすりつけるように、悟空が言った。 「オレのも、してよ」 頬にぬめった液体が跡をつけていく。 「…っ」 僅かに開いたの口をこじ開け、ムリヤリ口内に侵入する。 「気持ちよさそうじゃねぇか」 口内に悟空の雄を頬張ったを見て、三蔵が笑う。 「ん……っ」 ひときわ激しくなった三蔵に、肘で身体を支えているの胸が上下に揺れる。 犯されている感覚にの熱が上がっていく。 ひくひくと締め付け始めた其処を、三蔵が激しく突き上げると悟空のソレを喉の奥までくわえ込むことになって、涙が浮かんだ。 「イイ顔」 「…っ」 三蔵の肉棒が、のナカを突き上げる。 玩具のように揺さぶられる身体。 自分の意志とは関係なく、肉棒を締め付けるナカ。 うごめいてしまう腰。 快楽に支配される感覚。 「ん…、んんっ……」 動いてずれた腰を両手で固定され、最奥まで突かれた瞬間は全身を硬直させて、三蔵のソレを締め付けた。 「…っ……っぅ」 同時に、悟空と三蔵も果てる。 子宮口をぐりぐりと押し開くように放出する三蔵の雄と、の顔にかけられる悟空の熱。 「ふあ…、あ、あ……」 かくんと、の身体から力が抜けてベッドに倒れ込む。 そしてそのまま、の意識は闇へと落ちていった。 ちゅんちゅんと、雀の鳴く声が聞こえる。 「んんー」 もぞもぞと布団から這い出して起きあがると、さわやかな朝だった。 あまりにさわやかすぎて、は全てを忘れていた。 「まだ早いぞ」 隣からかけられた三蔵の声。 「………」 一瞬にして、昨夜の出来事を思い出す。 けれどあまりにさわやかすぎて、ひょっとして夢オチ!? とは思わず疑った。 が、なにやら下肢に残る違和感に、それが夢でないことを知る。 「三蔵……」 傍らに寝こけている悟空はさておき、は三蔵をじろりと睨んだ。 「ナニよ、あれは」 椅子に腰掛けてすでに新聞を読んでいた三蔵は、をちらりと見る。 「良くなかったか?」 「……そう言う問題じゃないでしょ」 「そうか」 「そうよ」 それきり沈黙が降りる。 再び新聞に没頭しかけた三蔵に、のこめかみがひくつく。 「……っ」 怒鳴ろうと大きく息を吸い込んだその時、三蔵がぼそりと呟いた。 「スマン」 「へ?」 「押さえが効かなかった」 「………」 無表情にそう言う三蔵に、びっくりしては彼をまじまじと見つめてしまう。 「押さえがって……」 唖然として呟いたに、三蔵が新聞を閉じた。 「オレも男だ」 そして煙草を取り出し火を付ける。 「好きな女と一緒にいてナニもせずにいられるほど大人じゃねぇんだ」 紫煙の煙を吐き出して、三蔵はを見た。 「オレとはもう、同室になるな」 三蔵が自嘲気味な笑みを浮かべる。 「の前で、自分を押さえる自身がねぇ」 を見つめる三蔵。 煙草一本分の沈黙。 きゅっと、それを灰皿に押しつける音にが、ようやく言葉を発する。 「そ、それって…」 呆然としているに、三蔵は1つため息をつくと、立ち上がる。 「オレに触れられたくなければ、同室にはなるな」 ゆっくりとのところまで歩いてくると三蔵はの頬に手を伸ばす。 「でないと、また、夕べみたいなコトをする」 三蔵のキレイな顔が、に近づいてくる。 「」 柔らかい唇。 それが、ゆっくりと触れて、離れた。 「お前が好きだ」 囁かれた言葉。 目を見開いて固まっているに背を向けると、三蔵はゆっくりと部屋から出ていった。 それを見送ってから、はそろそろと、自分のくちびるに触れる。 信じられなかった。 突然、そんな素振りも見せず。 いきなり。 あんなコトされて、あげく、告白なんて。 「卑怯だよ……」 真っ赤になっては呟いた。 |