阿南のキビレ(協会初釣り大会)

鶴田和治

平成28年
1月17日

 

 

 厳寒の中、24時間に渡る競技時間で競う大会。それが兵庫協会初釣り大会だ。熱心なキャスターは釣り開始時刻となる16日12時から竿を振っているはずだ。しかし、私は仕事の関係で16日深夜からの参戦となる。1匹長寸というルールでもあり、チヌ狙いで阿南市の橘湾を目指すことにした。審査会場の明石まで2時間半以上もかかるが、火力発電所が密集する湾内は温水の影響か、真冬でもチヌの一発が望めるありがたいポイントである。
 17日1時に釣り場に到着。最初に攻めるのは航空写真でチェックしていた火力発電所そばの小さな波止。小場所ながらすぐ横には温水の流れ込みがあり、しかも河口にあたるためキビレが釣れる条件を満たしていると考えたからだ。期待を込めてキャスト開始。しかし期待はすぐに萎むことになる。どんなに打ち返してもエサはそのままで触られた形跡がない。小動物どころか、夜光虫のようなプランクトンもいない感じがする。この季節にしては暖かく、これなら楽勝と思い釣り始めたが、不思議なもので釣れない時間が続くと一気に寒さが攻め入ってくる。2時半頃、これはちょっと我慢できないなというレベルになってきた。まだあきらめるには早いかとも思ったが、潮も引きに入り期待薄の時間帯だ。朝マズメの一発への期待と寒さから逃れるため、いつもの車横付けポイントへ移動することにする。
 竿をセットして、あとは車の中で風を避けながらアタリを待つ。しかし大きな仕事を終えてそのまま走ってきた疲れもあり、今度は一気に眠気が襲ってくる。1時間半ほど気を失っていただろうか。ハッとして目を覚ますと5時近くになっている。夜明けと干潮の潮止まりが重なるこの1時間はチャンスタイム。慌ててエサを付け替え投げ返す。空が白みかけた頃、誘いをかけようと手にした竿に今日一番の感触がきた。グイグイと首を振っている感覚が伝わる。これが唯一のチャンスとなる可能性が高い。慎重にゆっくりとリーリングする。水面に浮きあがった灰銀色の魚体、なかなかいい型だ。慎重に差し出したタモに魚を納める。おお、45p近くあるやん。これで本日のミッションは完遂と小さくガッツポーズ。その後、さらなるサイズアップを狙うも反応はなく、スミイチのアタリが44.4pのキビレという非常に幸運な展開だった。
 
 サイズ的に5位はあるかなと挑んだ審査だったが、幸運にも準優勝を果たすことができた。レインボーキャスターズとしても、順調に2016年のスタートを切ることができ、キストーナメントに、大物に成果をあげていけたらと思う

釣果 キビレ44.4p(実寸)