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Theater Report 39
         

23.Jan.02 20:00
 抑是は文殊菩薩の・・・・・・・
 お待たせいたしました。“THE LION KING”です。誰も待ってないか。
 凄いコスチューム!凄い舞台装置!凄い、本当に凄い。3階席で覗き込んでたせいもあるけど、見ていて心配になりました。「何日に一人位の割合であの穴に落ちて怪我をしたり死んだりするだろうか?」
 1階席で見た方がいい。絶対に1階席で見た方がいい。その方が楽しめます。オープニングには、花道を行進する着ぐるみ達も身近で見られます、出来れば下手よりの方が大きな象さんに近いのでより楽しいかも知れません。このミュージカルの価値の中で非常に重要な部分ですので、オープニングから10分は見逃さないで下さい。あとは好きにしてて良いです。あとパンジャ様(本名はムファサ)が踏み殺される少し前も1階で観れば多分見所です。子役はかなり良いです。是は見る価値があります。胡蝶と戯れ遊ぶレオ(本名はシンバ)も可愛いです。毛振りのような振りがあるので、その時は毛を付けて貰いたかった。石橋の様な骨の橋も出てくるので、天国のパンジャ様と2人で毛振りをすると受けると思うんだけどなあ(この場合パンジャ様は血塗れで死んだので親獅子が赤い毛)。「これやると客に受けるよ」と云う視点でしか舞台を作っていないように思う。何処か客を馬鹿にしたような制作者の姿勢を感じる。そういう事ではいけないよ、Walt・Disneyが泣くよ。

 音は出し過ぎだと思う。もう少し抑えた方がいいと思う。オケも声のほぼ正面から聞こえてきた、上下の2階BOX席にいるパーカッションの一部はそこから聞こえてきた。なんか変。どうやって上げたのか知らないけど、3階席の更に上の上下のフロント投光スペースの後方にSubWooferが置いてあった。奥行きはギリギリだったので上げるのは大変だったであろう(2階席後方にもあった)。その割にはありがちな下品な低音がなかったのは、“LOVE,JANIS”と同じデザイナーのせいか?どうでも良い事だけど「PLAYBILL」にサウンドデザイナーのクレジットがない。劇場入口の看板にあるだけだ。“LOVE,JANIS”のProfileを呼んでいなかったら、分からなかった所だ。クレジットされるのを嫌がったんだろうか?喧嘩でもしたんだろうか?謎です。
 兎に角役者と音源との距離感があまりにも違うのは見ていて疲れる。3階席の事なんか構ってられないんだろうけど、$70も取ってんだからもう少しこの何とか一つ御対処願いたい。

 音響的なノイズではないんだけど、この日は色々うるさかった。上手のサイドピンの辺りで結構長い間、カチャカチャと小刻みな金属音が聞こえていた。私の周りの人は結構気にしていた。何だろう、サイドピンのオペレーターの貧乏揺すりが原因のような気がする音だったんだけど。他にも下手の袖中でドタバタ、上手の袖中でガチャガチャバタン、兎に角舞台に本来あるべきでない音が色々気になった。その殆どが無神経なスタッフによるものだと思う。やっつけ仕事のようにやっているとしか思えない。それで事故がないのは不思議だ。一つ御善処頂きたい。

 色々書きましたが、ハッキリ言って詰まらなかった。凄いコスチュームと舞台装置がみたい方は是非足をお運び下さい。それを見る価値はあります。只それだけを近くで見る為に$100近くを出す気になるかどうかは問題です。ですので足を踏み入れてしまった方は、ディズニーランドのアトラクションが冗漫に進んでると思って、頭を空っぽにして楽しんで下さい。部分部分だけを抜き出して、もっとスピーディーにしてディズニーランドで見せた方が面白いと思う。
 私はひねくれて育ったのでどうもね。
 見ていて富田勲の嘗てのアニメーション用の音楽が何故、CDで出ないのか、と考えてしまった(ジャングル大帝とかね)。