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Theater Report #30
          

14.Jan.02
 450West 42nd Street John Houseman Theatre
 土曜日のアノ劇場です。月曜8:00pm、土曜&日曜3:00pmにだけアノ劇場で上演されている“GOOD TIME BLUES”です。“PUPPETRY OF PENIS”はギリシアの神殿風の全場アーチとスクリーンしかセットがないので、舞台の模様替えは簡単だな、と思っていったらスクリーンと全場アーチの上下を黒幕で隠してピアノと椅子を置いただけだった。アーチの中央部分は見えていた、堂々と。そこには「PENIS TEMEVS」書いてあるのだが、それは全く隠そうともしていなかった。それでいいのか、エリック・クレブス(このミュージカルのプロデューサーにして演出家で、しかもこの劇場の創設者)!出演者が可哀想だろ。

 さて“GOOD TIME BLUES”ですけど、ミュージカルと呼んで良いやら悪いやら、でも一応ミュージカルらしい。内容はタイトルの通り、全く看板に偽りなし、良き頃のブルースです。LiveHouseの雰囲気で舞台は進行していき、最初は音の悪さと出し過ぎに嫌な気分になったが、進んで行く内にとっても心地良くなってきて、音なんかどうでも良くなってきたが、少しは気になった。ブルースファンの方にはお勧めの舞台です。楽しくて一寸しんみり出来て、矢っ張り楽しくて浮き浮きした気分になれます。マダム・パット・タンディとジェノビス・アルブライトの二人のシンガーの芸を堪能できます。「いいなあー、こういうの」と思いながら、ブルースにのってる自分に気付くと行った具合です。流石にエリック・クレブスがブルースが好きで、ブルースに対する愛情からこのパフォーマンスが発生しただけのことはある。ブルースを愛する気持ちが舞台に溢れているのある。

 昨日のお願いは、(今日の処は)二つともお釈迦様の耳まで届いた様で、寒くなりすぎることなく、騒ぐオバ様のいない静かで暖かい舞台に出会うことが出来た。今日の観客は良かった。体でリズムを取りながらも全く騒ぐことなく音楽を聴くことに集中していた。お釈迦様、有り難う。合掌。矢張り日頃の行いの良さであろう。
 然しあのアーチだ。気持ちよくなってリズムを取りながら少し上を向くと「PENIS」の文字が目に入ってくる。面倒くさいのは解るけどさあ、エリック何とかしろよ。ブルースに対するあんたの愛情は、あれを許しちゃうの?いいのそれで?僕はいけないと思うな、お釈迦様も許さないと思うな。キリストさんは許しちゃうかもしんないけど。

 さて音響です。音、悪いです。声が聞こえた瞬間耳を疑う程です。ワイヤレスは二人とも胸に付けてました。安モンのマイクの音です。少し出し過ぎです。狭いし凄い喉してるので殆ど生でいけるんだから、そんなに音響さんが力んじゃ駄目。お嬢ちゃん、あんた素人だね、と思ってミキサーを見て吃驚、両の手のひらの上にのる位の6chコンパクトミキサー。日本では\39800位で買えそうなヤツです。それでいいのか?もう少しマシなモノ使おうよ。エリック、買ってあげてよ。ブルースに愛情はないの?あんな音でいいの?そりゃ仕込むのもバラスのも早いけどさあ、女の子一人で全部一度に運べるけどさあ。
 “PUPPETRY・・・”はマイク3本とBGMしか使ってないのに客席後方の音響ブースらしきところでやったみたいなんだから、そのミキサーに入れられないんだろうか?たった5本しかマイク使ってないんだから。その方が多少はマシだと思う。謎でゴンス。

 本日はとても気持ちの良い舞台を観て一寸一杯引っかけて帰りたいな、と思ったが真っ直ぐ帰ってきてこれを書いた。書いている内に謎が膨らんできてしまった。事実は小説よりも奇なり、という程でもないけど。
 ちゃんとすべき処はちゃんとしようよ、というのが今日の教訓であった。
 舞台は本当に楽しかった!