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12.Jan.02 14:00
 “45 Seconds from Broadway”
 ニール・サイモンのお芝居です。日本でも結構人気のある作家なので作者についてはご存じのお方もいらっしゃると思います。
 舞台はNew YorkのCoffeeShop(SetのModelはEdisonHotelのCAFE)。そこに出入りする客や店員の姿を通して、BROADWAYの人間像、そして四季を描いた文芸大作!大作と云う程ではありません。
 各季節(景)に一貫した壮大で明確なストーリーがある訳ではなく、それぞれは独立していても見られる様な作りになっています(勿論話はちゃんと繋がっている)。何処かに記事に「NON STOP LAUGHTER」とあった様で入り口に大きく書いてあった。つまり喜劇です。日本で言えば「駅前食堂」や「デン助劇場」みたいなモンです(例えが古くて済みません)。次々繰り出される笑いの中にペーソスやアイロニー、そして夫婦愛を織り交ぜた文芸大作!(しつこいですが大作ではありません)
 それぞれの景が仲々よく出来ていて、見ていて飽きる事はありませんが、英語が全く解らないとか、ミュージカルを全く知らない人は苦しいと思います。少々苦しかったです、何せ割と淡々と進んでいくので。古今のミュージカル絡みの小ネタもあります。全くのお芝居で途中目を覚ます様な踊りや唄、大掛かりな舞台装置等というモノは全くありません。音も景が変わる時の暗転繋ぎの街頭ノイズだけです。転換といっても季節の変化を出す為に少し間をあけているだけで、CoffeeShopの外のものが少し変わるだけですので、そんなに長くはありません。あくまで舞台はCoffeeShopの店内です。Acting Areaに大きな変化はありません。演技も殆どが3つのテーブルで行われていますので、役者が急激に動く事もホンの少しです。
 それでも面白い。ニール・サイモンがこんな面白いとは思わなかった。15年位前に観て「詰らん。」と思って嫌っていたが、中には面白いモノもあるらしい、というか本当は面白いんだと思う。何処の劇団か忘れてしまったが、下手を観たのがいけなかった。下手を観てはいけない、という教訓であった。処で「下手、馬鹿、ケチ、貧乏」はうつるので気を付けましょう。
 
 ワイヤレスマイクは未使用。Pccが一枚。これはお店の入り口狙いで、立った演技用。あと各テーブルの前とレジの前にマイクがあったが型番は不明。何となく色合いがショップスの様な気もするがよく解らない。何せ私の席は後ろから3列目で舞台から遠い。色が全然違うけどAKGかも知れません。棒状のマイクのカプセルのとAmpの間がスイベルになっていて舞台に寝かせて、頭を持ち上げた様に置いてあった(ベタスタンドつき)。
 声は殆ど生と云って良いレベルで、マイクは2階席の奥用ではないかと思われる程であった。結構薄めだが全く出してない訳ではなく、立ち位置によっては位相干渉している様な音がホンの少し気になった。Acting Area の奥行きは余り無く舞台面のマイクで殆どいけてると思うけど、補助でガンマイクも吊ってあったかもしれない。
 でも矢っ張りマイクに頼る前に役者の声と滑舌が大事だよね。実際の話、こちらで観た舞台に出ている役者で言葉の聞き取りにくい人は殆どいなかった(聞いて解る事とは別)。実に聞き取りやすく台詞を言っている。今日の役の中には、南アフリカ出身で非道い訛りの若者や、田舎出身で訛っているのがいたが、街で聞く生の言葉よりはよっぽど聞きやすい。綺麗な英語の教材で勉強してきても、DELIやSUPERMARKETでは何を云っているのか解らない事もあると思う。(人に注意できる程しゃべれる訳でもないのに、お節介でした)

 で駅前食堂ならぬ劇場前カフェは大変楽しませて頂きました。「〜前飲食業」には、世界中何処でも笑いとペーソス、そして愛があるのであった。
Theater Report #26