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09.Jan.02 14:00
 “THE PRODUCERS”
 the new MEL BROOKS musical

 観て参りました。あのMel・Brooksの新作です。映画は何本か観た事がありますが、生の舞台は初めてです。New Yorkに来てすぐ見つけたんですが、美味しいものは後に残しておく主義なので我慢していたんですよ。来て少し立った頃、そろそろ観ようかなと思ってボックス・オフィスに行ったら、今日の席はないと言われ、じゃ明日は?と聞いたら売り切れと言われ、どおりでこの劇場だけキャンセル待ちの列はここに並べと書いてあり、そこに結構な人が並んでいたのであった。序でに言うと今シーズンは売り切れらしいです。従ってキャンセルされたチケットを買うか、ダフ屋で買うしかありません(因みに日本のダフ屋より良心的な価格設定です)。Cancellation・Ticketは2日後の分まで扱ってます、尤も有ればですが。全く偶然15年振りにこの劇場の前で会った大学時代の友人はキャンセル待ちの列に3時間並んで入ったそうです(然し入れたのは彼女までだったそうです)。私は昨日、様子を見にボックス・オフィスに行ったら、1階席の1番後ろの席にキャンセルがあって、Ticketを手に入れる事が出来た、実にLUCKYであった。

 日本では未だこのミュージカルの内容は余り知られていないかも知れませんので簡単に紹介します。
 借金返済に頭を抱える劇場興行師と会計士が「ヒットラーの春季」という奇想天外で失敗確実な芝居を上演し、必要以上に金を集めて持ち逃げしようとする。処が露骨なユーモアを観客がアイロニーに満ちたコメディと勘違いした為、思いがけないヒットなってしまい、ペテンがばれて・・・・・
 と云う内容です。

 さて本題です。
 Overtureが鳴り出した瞬間からMel・Brooksの世界です。彼はこんな音楽好きだよな、結構使ってるよな、と云った感じでドンドン彼の世界に引きずり込まれてしまいます。彼らしいエスプリとドタバタと下ネタに満ちた笑いの世界にドップリと浸かってしまいます。私でも笑える英語のギャグから、アメリカ人でさえ隣の人に確認する様な独語絡みのギャグまで次から次へと休みなく客席に投げられてきます。又小道具から大道具、照明、音響に至るまで観客を笑わせる為にあらゆる手段が散りばめられています。それらが渾然一体となって、私たちを楽しませてくれます。Mel・Brooks好きには堪らない作品です。嫌いな人には鼻に少々つくかも知れません。このミュージカルを観る時の注意とは特にはないのですが、彼の細かいギャグを見逃さないようにして頂きたい。結構細かいギャグを繰り返し使っていたり、1時間前のギャグをパロっていたりしますのでお見逃しなく。
 このミュージカルを観るまで余り気にしていなかったのだが、今日初めてNew Yorkに来てTapDanceを見た。このミュージカルだけです、今の所TapDanceが有ったのは。それほどオーソドックスなイメージのMusicalでもあります。でもMel・Brooksならではの大掛かりでチープでゴージャスな舞台です。本当に楽しめます。

 音も無理なく自然で客席の一番後ろなのに気になる所は全くありませんでした。割とセンターに近い席だったので左右の定位も全く気にする必要もありませんでしたし、見た目との距離感も自然でした。何時もこうだと無理なく芝居に入っていけるんだけど、仲々そうはいかない。今日は色んな意味で非常にLUCKYでした。

 3月17日で現在の主演二人の契約が切れるらしいので、その後だとチケットが買えるかも知れない、若しくはキャンセルが増えるかも知れない。この二人の人気が凄い!
Theater Report #22