Theater Report #12
トップページへ戻る
Theater Reports Top
              

26.Dec.01
 今月の新作(
byリンゴ白書・・NYの日本語情報誌)「BY JEEVES」を観て参りました。
 あのアンドリュー・ロイド=ウェーバー作曲のミュージカル、久し振り、らしいです。イギリス物です。執事のジーブスがやや間抜けな男爵の急場を機転で凌いで行く話です。

 まずもって面白い。英語が全く判らなくても可成り笑えます。でも勿論英語が解れば解るほど面白いであろう事は疑う余地がありません。
 異化効果の連続!(連続したら本来「異化効果」とは言わないと思うけど)。仕込まれた仕掛けは舞台上、ストーリー上、演技上色々あり飽きさせません。簡単に言えば可成りドタバタです。ドタバタなんだけども、かなり計算されたタイミングで計算され尽くした感のあるギャグを絶え間なく繰り出し、それでいて泥臭さはありません。実際1幕が1時間20分程ありましたが、全く飽きませんでした(凡てのギャグを理解するのにはかなりの英語力と知識が必要ですので、私は20分の1位しか笑えてないと思う)。
 何時舞台が始まったと言えるのか解らない、開演前から役者が客に絡んできます(最前列の客は途中もお手伝いさせられます)。参加したい方は最前列へどうぞ。

 さて音響です。#01〜#12の中で最も自然な音場、自然な定位、適正の音量でした。特筆す可き出来です。人が向かい合ったり、顔の前に一寸した物が来たりで音が若干変わるのでその様な時に若干気になる程度で、今まで観た中では最も許せる範囲と言っても良いでしょう。会場が小さい事で有利になる点はあると思います。それでなければ台詞はおろか、歌まで役者の立ち位置に定位する事はあり得ません。勿論役者の喉の優秀さは見逃してはいけませんが、他のミュージカルでもきっと声は出ているのだと思う(一人声の小さいと思われる女優がいまして、この人だけ額縁一杯のビッグマウスで違和感がありました)。
 今回は特にマイクの位置が解らなかった。間違いなく付けている(リバーブの掛かり具合他様々な理由で間違いない)のだが、これが私の席からでは見えない。見ようとしていて見えないのだから普通の人では全く気付かないと思う。衣装はトランスミッターを隠すのに不自由のない衣装なんだけど、マイク本体が見えない。男性の髪型はみんな結構短髪で、帽子を被ったりするのにノイズも出ない。帽子を被っても声が変わらない、でもマスクをすると声が変わる。顔の前に人の顔など障害物がくるとその固さによって音が変わる。でもマイクは見えない。これほど解らなかったのも、今回初めてです。そもそもマイクの種類が違うのだろうか?

 もう一つ大きな謎は、Speaker。大臣に上下各1発、プロセに1発、客サスバトンに1対、の計5発が仕込まれていたのですが(バルコニー下や、2階席後方にはさらに補助のミニSpeakerが仕込まれていますが)、このSpeakerが奇妙。殆どエンクロージャー無し、15inchフルレンジ位の大きさ、そしてアーム付きハンガー吊り。物がコアキシャルとして、上の方は兎も角、下の方はあれでどうしているのだろうか?出す時には結構出していた。幾ら補助にしてもあれでどうしてあの音が出せるんだろうか?確かに他の劇場に比べれば低音は少なかった。それでも音楽上問題のあるレベルではなかった。謎である。(劇場によっては理由を聞きたくなるほど低域を出していた所もある。ハッキリ言って下品であった所もある。)
 もう一つ舞台中央に1枚だけあったPccも謎?