24.Feb.02 15:00
“METAMORPHOSES”
今回のNY滞在ではこのレポートが最後になります。今日の夜もMusicalを観ますが、既にレポート済みの“LOVE,JANIS”ですので、今回はレポート致しません。
この作品は、神話や御伽噺そしてでっち上げをコラージュした愛の物語です。
舞台はプールを真ん中にセットして殆どがその中で演じられる。2列目位まで席に座るとは結構濡れます。 一貫したストーリーはなく、神話や御伽噺などの中から変容・変態（Metamorphose）に纏わる様な話を拾ってきて、コラージュし、愛の話として纏めたものです。最終的には父親と娘の和解というか、金にしか興味のない父親と父を愛する娘の心の邂逅みたいなものが根底にあって、ホンの時々それが舞台で表現される。その中には娘が父を思う許りに近親相姦の妄想を抱いたりする場面もある。話の殆どは何らかの愛、思いによって変容するもの、例えばナルシスなどを上手く組み合わせて、構成されている。観ていて飽きる事はない。舞台自体は割と淡々と進み台詞もしっかり、ハッキリ、少しゆっくり言われるので非常に分かり易い。そしてアメリカ人しか分からない様なギャグも殆どありません。一緒に観に行った妻はTOEIC･550点有れば80%は理解できると言っていました。英語が話せる様になり出した人にお勧めです。自信が持てるそうです。「Proof」なんかを観ると自信を失いますのでお気を付け下さい。
不思議な雰囲気で包まれた舞台で、結構楽しめます。ちょっと内容的にSEXYなものなのでお子さま向きではありません。私たちの前にいた親子連れのお兄ちゃん（多分12歳位）はそういう場面がくると照れてしまって持っていた本で顔を隠していました。弟（多分6歳位）は水の中でバシャバシャやるシーンには笑っていましたが、それ以外は退屈そうでした。お父さんもお母さんも何で子供を連れてこの芝居を見に来たんだろう？謎です。チラシなども観てもこの雰囲気は分かる筈なんだけどなあ。然し大人ならそれなりに楽しめますのでご安心下さい。決して詰まらない作品ではありません。面白いです。コラージュなのでストーリーを追おうとすると分からなくなってしまいますが、全体を観て楽しめばどんな内容かは見えてきますので無理にストーリーを追う事のないようにしましょう。そうすれば間違いなくそれなりに楽しめます。
尚舞台は客席が３方向から囲い込む形ですので席によっては少し観辛い演技もあるかも知れません。殆どそんな感じは私の席からは感じませんでしたが。
音は可もなく不可もなくで、必要な所（Reverbをかけたい所）だけマイクを使用して後は生声でした。又効果音も必要最小限といった感じで質素で良かった。上記のような舞台なのでマイクを使う所では席によっては気になる事があるかも知れませんが、私の席では上手く処理しているなと思いました。
さてこのレポートも今回はこれで終わりです。又何時かNYに来て、少しずつでも続けたいと思います。何時になるかは分かりませんが、その時も宜しくお願い致します。2回観たもののあるのでレポートしていない舞台も有りますが、今回全部で74Stagesを観ました。今回の滞在期間中無駄なく観れば120Stages観られる筈でしたが、ちょっとそこには至れませんでした。今度はもっと頑張ります。何時になるか分かりませんが。でも出来るだけ早く又来たいとは思っています。突然時間が取れたらくるかも知れませんので、時々覗きに来て下さい。