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Theater Report #64
         

15.Feb.02
 “The Last 5 Years”
 今年の初めにシカゴで初演した新作MUSICALです。登場人物はCathyとJamieの2人。休憩なし83分。劇場は入口からは想像出来ない大きさでOffBroadwayでは大きい方ではないでしょうか?

 CathyとJamieの別れる前の5年間を描いた作品です。別れる日のシーンから始まり、別れる日で終わる。MUSICAL女優を目指すCathyと作家志望のJamieの幸せに溢れる日々と少しずつ気持ちの中に生じてくるズレを時にコミカルに時にシリアスに描いていて結構楽しめました。ただ一つ一つのシーンが短く1曲1シーンで暗転して場面が変わっていくので最初は少し付いていくのに疲れた。

 女優Sherie Rene Scottの声はよく通って唄っている所から聞こえてくるんだけど相手役のNorbert Leo Butzは少し声が小さくてSpeakerから聞こえてくる。2人しかいないので、その声の聞こえ所の違いがとても気になった。Norbertは少し喉の調子が悪かったかも知れない、という気もする。
 役者の2人は大変な人気者らしく2階席は、全員Standing Ovationで大歓声でした。女の子の方が少し多かったのでNorbertの方が人気者なのかも知れないが、男も結構いたのでSherieも人気があるんだと思う。もしかして只のお友達の集団だったりして。

 舞台装置が一寸変わっていて円形の石畳に折り畳みの上に木製の椅子が並んでいるんだけど、多分結婚した場所の象徴だと思う、これが全部白いのは兎も角、石畳が垂直に立てられていて椅子が壁から生えているように見える状態になっていた。椅子の取り付けはどうなっているんだろうか?取り付け所に掛かる負荷は大丈夫だろうか?余計な心配をしてしまった。

 音は仲々良かった。女優の声を聞いている限り自然だし、出し過ぎる事もなかったし。劇場に入って一番驚いたのはSpeakerの数でOnBROADWAYでもここより少ない所は多いように思う。Footにも5発UPMが仕込まれていたし、UPAがシーリングと合わせて3対。USWが1対、これはサイドの2発のUPAの間に同じように鉄パイプに付けられていた。サイドのUPAの下には中抜けようにUPMが1対。プロセに1階向きと2階向きで1発ずつ大きめのが吊られていた。バルコニー下には勿論UPM。他にもSurround用に1階2階それぞれ1対のUPM。そして2階に補助でUPMがもう1対。返しはサイドの鉄パイプにUPAが1対。劇場の壁も黒いし今まででSpeakerの照明機材も1番目立たなかった。

 結構笑える所も多くて別れ話の割には暗くならない、一寸お勧めのMUSICALです。


 シェリー・レネ・スコットは“AIDA”の初代アムネリアスであるとの事です。