



09.Feb.02 20:00
“GRACE”
副題に“Defying The Limits”と有るので限界や規制を無視して上演するらしい。多分客が居なくなってもやるぞ、と云う意味だろう。
この公演はThe 40Up Projectと云う集団でやっているらしくVillageVoiceには40人以上のダンサーがやってきて一緒にやるという様なことが書いてあった。40人以上が舞台にのるとどうなんるんだろうと思って見に行ったが、カーテンコールで24人出てきたのが最大であった。今日のはProgram-Bだったので、Program-Aと合わせると多分40人以上になる。要するに色んな所から色んなダンサーが来て自分作品を発表する合同公演です。
玉石混合、面白い物も有れば詰まらない物もある、筈だが面白い物はそうそうある物ではない。殆どは余り面白くなかった。みんなそれなりに一生懸命やっているので好感は持てるが交換と面白いは別物である。
上演作品全部で10作品でこの中でまあ面白かったのは最初にやった“Homestretch”“Enfold”位で後の物は私には詰まらなかった。
“Homestretch”は足に叢を付けた女性がブツブツ言いながら舞台を上手奥から下手前に横断するだけなんだけどこれが結構面白かった。何処がと言われても困るが何となく面白かった。
“Enfold”は老夫婦、子供が生まれたばかりの家庭の他全部4組のカップルがそれぞれの幸せを踊ると云ったような内容で観ていて微笑ましく、構成もまあ良いかなと。
合同公演ですので、作品毎に大黒幕を開けたり閉めたり、小道具を出したりとそれなりに準備に時間が掛かる。この場合はそれで頭が切り替わるので構わないが、上手のキャットウォークの奥の扉を上演中転換中を構わずに開けるのは如何なものか。その向こうはとても明るいのでとても目障りであった。
音は出し過ぎず、小さからずで適当であったが、2対吊ってある内の下手の内側1発だけが違うSpeakerというのはどうしてだろう?謎である。他はEAWのKF-300だと思うが、あれは不明。後アルミの枠で組んだ客席の下にSubWooferが2発置いてあった。音自体にそれほど低い音はなかったので、余り活躍はしていなかったと思う。
一番参ったのはここでも作品ではなく隣の男であった。社会の窓を開けたままの太った謎の東洋人は、何か自分の気に入る所があると一々身体ごと大きく何度もうなずき“Yes”と言う。アルミの枠で出来た階段席は結構揺れるので鬱陶しかった。
こういう物も偶には悪くはない、と思う位の公演であった。$15だし。こういう所に通うと本当に極偶に素晴らしい物に出会えるらしい。有名なCompanyではなく、無名の中にも素晴らしい物はあるはずなので、こういう所にはそれなりに足を運ばなくては行けないなと思う。