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Theater Report 58
          

08.Feb.02
 “THE DONKY SHOW”
 ご存じの方も御有りかと思いますが、70年代のDiscoMusic満載のMUSICAL。劇場というか会場は将にDiscoであってそれ以外の何物でもない。入場した時からDiscoMusicがガンガン流れお立ち台の上ではダンサーが踊っている。スペースとしては学校の教室の周りに見物席を付けた位の広さかな。

 ハッキリ言って五月蠅かった!入って30分ほどで頭がクラクラしてきた私は20年以上前、大学に入った頃からDiscoの音は嫌いで、あの劣悪な音は楽しむ神経は持ち合わせていない。行く前から手に入った情報から想像は付いていた。では何故あえて足を踏み入れたのか?小田実である。「何でも見てやろう」(まあ嫌らしい)ベ平連的精神によってこのNew Yorkにいるのであえて大音響に身を晒してみたのである。そして矢っ張り五月蠅かったのである。

 只五月蠅いだけではなくちゃんとストーリーのあるMUSICALになってます。話の元ネタはシェーさんのコメディ“真夏の夜の夢”、DiscoVersionで1時間程になっているため大分端折ってはあったが、ちゃんと筋は追ってました。
 内容的構成的にはかなり巧く作ってある。見ていて驚く事はあっても飽きる事はない。一つの役を複数の役者が演じているとしか思えない早さで居場所が変わる。一体何人の出演者がいるんだろうと思っていたら、結構少なくて1人の役者が幾つもの役を演じていた。配役表は多分碁盤のようになっていてこの役者はこの時この役をこの場所で演じて、その間にこの役者がこちらで着替えてあそこから出る、みたいな順列組み合わせと云うかマトリックス状態になっているとしか思えなかった。それを見るだけでも価値があった。役者が足りなくても頭を使えば何とかなる、と云う見本のようなMUSICALであった。同じ役を違う役者が演じたら声が違って困るだろうとお思いになったかも知れませんが、そんな時には声にエフェクター掛けまくりでどんな声だか分からなくしてしまい、しかも妖しい雰囲気も出して大変お得なやり方で処理していた。巧いのである。そこらのイリュージョンなんかより余程面白いのである。きっとスタッフも役者も凄く楽しんでやってるんだろうなあ、これ。面白そうだもんなあ。これで五月蠅くなきゃなあ。惜しいなあ。でも静かじゃ、雰囲気でないだろうなあ。それにDanceFloorでみんな立って観ているどさくさに紛れて色々出入りを面白くしてるし、客が座ってちゃ駄目だよなあ。
 これで良いのだ。仕様がないのだ。でも疲れた。
 何時始まったのかもよく分からなかった。入場した時には出演者は踊っていたり、場内を歩き回っていたりしていたので始まっていたと言えない事もないが、ここから始まりだなと思った時には開演予定を40分も過ぎていた。今日は私の観た時間の後にもう一度上演されるので40分も送らすもんだろうか?謎である。

 さてどの位の音を出すセットがあったかというと、その狭い会場にKF750位(EAWの物だったけどもう少し古いと思う)のSpeakerが2対とKF600位のが1対、2階見物席用にJF100が4発吊ってあった。750と600みたいなのはDanceSpaceを囲い込むように吊られていた。本当に音は空気の振動だと云う事が改めて確認出来た。そんなに出さなくても良いのに、とも思うが出さなきゃDisco的には面白くないわな。私が合わないだけなので私が足を踏み入れなければ良いだけの事である。

 音量も音質も音もスッカリ70年代のDiscoです。70年代のDiscoに通い詰めた方、行ってみたかった方、お勧めします。Discoで踊ってしかもShowが楽しめる、大変お得です。