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Theater Report #55
       

05.Feb.02
 近頃DANCEがないとお嘆きのあなた、2日続けてDANCEをお届けいたします。

 “BUGLISI/FOREMAN DANCE”
 本日はProgram-Aで、明日がProgram-Bです。
 今日の作品は下記の4つです。
1....ING -excerpt from Field of Loves(1992)
 Brahmsのピアノソナタ2番によるデュエットです。
2.LISA D.(World Premiere)
 Lisa DeSpainの弦楽四重奏曲による4人のダンスで、弦楽四重奏は生演奏でした。
3.REQUIEM(World Premiere)
 Faureのレクイエムで5人の女性ダンサーが踊る作品です。
4.MEAN OLE' WORLD(2001)
 これもLisa DeSpainの曲で生演奏です。

 1.2.4.が主宰者の1人Donlin Foremanの振り付け作品で、この人の作品は全体に、今日の作品に限った事かも知れないが何処となくコミカルで楽しい。観ていて何となく浮き浮きしてくる。ダンサーも非常に軽く、少し極端に言えばふわふわ動いているので風船で遊んでいる様な浮遊感がある。観ている時はそれほどとは思っていなかったが、劇場を出ようとした時に浮かれている自分に気付いてしまったりする。兎に角楽しくなってくるものがある。
 3.はもう1人の主宰者Jacqulin Buglisiの作品で、タイトルからも重そうな作品だし、実際には重厚な作品だと思うんだけど、観ていて重苦しさはない。それはキリスト教的というかバレエ的というか、振り付けの最初の段階、おそらく無意識のうちに上へ上へと向かう意識(天国に向かおうという意識)が根底にあり、それが重苦しさを払拭していると思う。バレエもそうだが地上を離れることを強く願っている意識が西洋にはあって、それが重苦しい話をそうと感じさせない場合がある。日本人が振り付けをすると、頭ではそう考えていてもどこか地に根付いて重たくなってしまう様に思う。これはどっちが良いとかの問題ではなく宗教観の問題だと思う。

 このCompanyは元々マーサ・グラハムの所でPrincipalで踊っていた人によって創られたもので出演者もそのレベルに達した人をゲストダンサーとして作品を発表しているので、ダンサー的にはとても素晴らしく、その点に関して誰にも異論はないと思う。又作品的にも大変面白く素晴らしい舞台であった。

 さてでは全く問題はなかったかと云うとそういう訳には行かない。
 問題はno creditのPosition、つまり音響にある。一般的に気になるほどではないかも知れないが、私には気になった。
 少しだが音が大きい。定位について何も考えた形跡がない。
 今日は11時のサウンドチェックから劇場に入らせて頂き、見学させて頂いた。リハーサル中は一番後ろで観ていたのだが、もう少し音を抑えても良いのにと思っていたが、本番を一番前で観る事になった(ちゃんと買ったらここしか席がなかった)のだが、音が下手やや後方から聞こえてきて違和感があった。再生物は兎も角舞台上の弦楽四重奏が見えている位置を音のする位置があまりにも違いすぎてとても気になったし、4.の客席上手にいるJAZZBandのギターだけが下手のスピーカーから聞こえてくるのはもう少し何とかして頂きたかった。

 明日はB-Proです。仕込み図も別紙参照で付けます。乞うご期待!