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Theater Report #52
         

03.Feb.02 15:00
 “Bea Arthur on Broadway just Between Friends”
全部書いたらこんなに長くなってしまった。

 Bea Arthur と云う女優の殆ど一人舞台です(ピアニストは舞台上にいて途中絡んでいた)。この方はとても芸歴の長い方で1948年にGreenwichVillageの劇場でプロ生活を始めた彼女は1954年に三文オペラのLucy Brownを演じてアメリカの劇場シーンに確固たる地位を気付いたらしい。と云う訳で私たちが生まれる前からのスターです。
 場内が暗くなって舞台に彼女が登場するともうそれだけで客席は割れんばかりの拍手が延々と続いて、一体何時ショーは始まるんだろうかと思った程凄い人気であった。私は知らないがどうも芸歴が長いだけでなく本当に凄い人らしい。その芸歴の長さ・輝かしさを証明する様に客席には老若男女が犇めいていた。
 私の右隣の男性は「去年の夏彼女は私の街に来てくれたんだ。今日は半額チケット(私と同じですね)があると聞いて1時間10分掛けて観に来たんだ」と嬉しそうに周りの人全員(私を含む)に話しかけていて、街で待つお友達に土産にするのかPLAYBILLを何冊もゲットしていた(ちゃんと持って帰った)。又私の左隣の親子連れは息子が60歳位で父親は足下の覚束無い大変なお年寄りであった。私たちは2階席の前から2列目だったんだが、このお父さんは急な階段をここまで降りてくるのも大変だったろうけど、戻るのも大変だろうなあ。途中このお父さんはとても嬉しそうに良く笑っていて、その苦労も忘れた事であろう。

 さてその大変な人気者の大女優が唄とユーモアで彼女の輝かしいキャリアを語ってくれる、と云った構成です。PLAYBILL発行のBROADWAY・THEATER・GUIDEにMUSICALと有るのでMUSICALだと思うんだが、どちらかというとコンサートに近い構成進行です。
 それにしても凄い人気だった。こんな凄い人気で何でtktsにチケットがあったんだろうか?毎日有るけど?謎と云えば謎である。
 一曲唄うごとにブラボーを叫ぶおじさんはいるし、このブラボーおじさんは日本人かも知れない。ハッキリカタカナで「ブラボー」と言っていた。
 この唄と唄の間にキャリアを語る訳だが、こちらの方が長かったのではなかろうか?お客さんはみんな彼女の語りに大笑いしながら唄を楽しんでいた。人気と芸歴は流石に伊達ではなくとても面白かった。割とゆったりしたテンポなんだけどそれがとても嵌っていて心地よかった。1/29から6週間限りなのでNYにいるか、もうすぐ来る予定がないと観られませんが、こういうのも仲々良いです。

 今日は幾つかのトラブルに見舞われた日で、照明が幕開きに必要のない所で2回程続けざまにライトチェンジがあった、その後の落ち着いた照明から考えてオペレーターのミスかなんかだと思う。音響は途中で結構なノイズが長い間続いた揚げ句“ボン”と大音響を出してノイズは消えた。最初カメラのフィルムの自動巻取りが何処かで始まったのかと思っていたが、一向に止む気配もなくドンドン大きくなっていって3曲位は続いていた。そのノイズの前にPianoのハイが歪んだんだけど関係有るんだろうか?Inputに乗ってるんだったらもっと早く対処出来たはずなのでAmpでも発信してしまったんだろうか?
 音はまあまあ自然で良かっただけにあのノイズは勿体ない。
 照明と音響のデザインが同じ人がやってるんだがこちらでは時々あるんだろうか?

 PianoはYAMAHAと客席に向けて書いてあるセミコンサートで何でこれなんだろうと思っていたら、最後に判った。ピアニストが拍手に応えて前に出てきてもPianoは演奏を続けていた。自動Pianoだったのである。他は全部ちゃんと演奏していたと思う。自動演奏だけではあれは合わせられないと思う。このピアニストも実にいい味を出していた。